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1章 追放とクソ雑魚オンボロ聖剣との出会い
22話 絶体絶命は2度やってくる
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「ウッドゴーレム、森の守護者です!森の精霊は本気で怒ってるみたいです!!」
「俺ら、赤ゴブリンから森を守ったのにか?」
「それはあくまでこっち側の都合です!森側からしたら別にお願いしてもいないのに守られたようなものなんです!!」
森からしたら、ただ2つの勢力が自分らの中で争っていただけに過ぎなかったのか。
「森の精霊の怒りを回避できた人はいるか?」
「わたしの知る限りではいません!因みに死んじゃった人の数も分かりません!!死体は森の養分と化すので!」
俺ら人間からしたら末恐ろしいが、維持の為に養分を必要とする森としては合理的だろう。
そして、俺らは今から目の前で誕生したウッドゴーレムなる守護者にすりつぶされて、しまうのだろう。
とりあえず戦鎚を構えたのは良いものの、打撃武器である為、木製のゴーレムには相性は最悪だ。
となると、炎の魔法で燃やすか?いや、駄目だ。多分でしかないが、余計森の精霊を怒らせる結果となる。
「つつつついにわたしの出番ですね・・・剣士ルッタの出番がついに・・・!!」
ルッタは再び冷静さを失ってしまっていた。俺が打った剣を抜き、構えると大きく振りかぶり走っていったのだ。
「まずはあの腕を斬っちゃいます!!」
「やめろ!!君の技量じゃ、あんな太い枝は切れない!!」
成人男性の5倍の太さはありそうな枝の腕。ルッタの腕力と剣術スキルで一刀両断になんてできるはずがなく、金属の刃は案の定、ウッドゴーレムの腕に引っかかってしまった。
木こりでも伐採するのに1時間はかかりそうな太さだ。斬れないのは致し方なしと言えよう。問題はその後だ。
「・・・へ?」
何を根拠に斬れると思ったのかは不明だが、驚きで身動きがまるで取れなくなってしまっていた。一方のウッドゴーレムは接近してきたルッタに攻撃する気満々。剣が引っかかった腕を大きく振るい、ルッタに殴りかかる。
「やばっ!?」
ルッタに迫る腕を見て俺は何を思ったのだろう。荷物を放り出し、彼女を地面に押し倒して代わりにウッドゴーレムの太い一撃を全身で受けてしまう。
「がぁ・・・!!」
砕ける骨、体内で暴れる内臓、揺れる脳みそ。気絶するには十分すぎる威力に思わず吐血。殴られた勢いで近くの木に激突し、その痛みで気絶は免れたものの、まるで身動きが取れなくなってしまった。
「マー君・・・?ど、どうして・・・?」
わかんない。体が勝手に動いていたと言いたいが、呂律が回らない。体も動かせない。
ウッドゴーレムは俺を戦闘不能にしたと判断して、ルッタを再びターゲットに据える。彼女には今武器がない。魔法を使っても、冷静ではない為、決定打にはならない。
2度目の絶体絶命の状況である。
「あ、ああ・・・」
ルッタに迫るウッドゴーレム。万事休すかと思った矢先、衝撃と痛みですっかり存在を忘れていた1人、いや、1本が声を上げた。
『ルッタさん、私を使ってください!』
「聖剣さん?」
声を放ったのは、聖剣?メアだった。
「俺ら、赤ゴブリンから森を守ったのにか?」
「それはあくまでこっち側の都合です!森側からしたら別にお願いしてもいないのに守られたようなものなんです!!」
森からしたら、ただ2つの勢力が自分らの中で争っていただけに過ぎなかったのか。
「森の精霊の怒りを回避できた人はいるか?」
「わたしの知る限りではいません!因みに死んじゃった人の数も分かりません!!死体は森の養分と化すので!」
俺ら人間からしたら末恐ろしいが、維持の為に養分を必要とする森としては合理的だろう。
そして、俺らは今から目の前で誕生したウッドゴーレムなる守護者にすりつぶされて、しまうのだろう。
とりあえず戦鎚を構えたのは良いものの、打撃武器である為、木製のゴーレムには相性は最悪だ。
となると、炎の魔法で燃やすか?いや、駄目だ。多分でしかないが、余計森の精霊を怒らせる結果となる。
「つつつついにわたしの出番ですね・・・剣士ルッタの出番がついに・・・!!」
ルッタは再び冷静さを失ってしまっていた。俺が打った剣を抜き、構えると大きく振りかぶり走っていったのだ。
「まずはあの腕を斬っちゃいます!!」
「やめろ!!君の技量じゃ、あんな太い枝は切れない!!」
成人男性の5倍の太さはありそうな枝の腕。ルッタの腕力と剣術スキルで一刀両断になんてできるはずがなく、金属の刃は案の定、ウッドゴーレムの腕に引っかかってしまった。
木こりでも伐採するのに1時間はかかりそうな太さだ。斬れないのは致し方なしと言えよう。問題はその後だ。
「・・・へ?」
何を根拠に斬れると思ったのかは不明だが、驚きで身動きがまるで取れなくなってしまっていた。一方のウッドゴーレムは接近してきたルッタに攻撃する気満々。剣が引っかかった腕を大きく振るい、ルッタに殴りかかる。
「やばっ!?」
ルッタに迫る腕を見て俺は何を思ったのだろう。荷物を放り出し、彼女を地面に押し倒して代わりにウッドゴーレムの太い一撃を全身で受けてしまう。
「がぁ・・・!!」
砕ける骨、体内で暴れる内臓、揺れる脳みそ。気絶するには十分すぎる威力に思わず吐血。殴られた勢いで近くの木に激突し、その痛みで気絶は免れたものの、まるで身動きが取れなくなってしまった。
「マー君・・・?ど、どうして・・・?」
わかんない。体が勝手に動いていたと言いたいが、呂律が回らない。体も動かせない。
ウッドゴーレムは俺を戦闘不能にしたと判断して、ルッタを再びターゲットに据える。彼女には今武器がない。魔法を使っても、冷静ではない為、決定打にはならない。
2度目の絶体絶命の状況である。
「あ、ああ・・・」
ルッタに迫るウッドゴーレム。万事休すかと思った矢先、衝撃と痛みですっかり存在を忘れていた1人、いや、1本が声を上げた。
『ルッタさん、私を使ってください!』
「聖剣さん?」
声を放ったのは、聖剣?メアだった。
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