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1章 追放とクソ雑魚オンボロ聖剣との出会い
9話 やっとついた農村は・・・
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『随分と道が険しい森ですね。それに、魔物もたくさん。こんな所に人が住めるのでしょうか?』
「魔物と言っても、凶暴じゃないから大丈夫だろ。一部を除いてな」
『何を言っているんです?魔物というのは、人を襲う生物。そこに意味などないでしょう?』
「いやいや、あるだろ。腹が減ったとか、自分らの住処に近づいて来たとか。魔物はそんな邪悪じゃないって・・・あ、そうか」
『どうしたんです?』
「今の時代と、メアの時代の魔物はちょっと違うか。確か、悪魔王の影響で妙に凶暴化してたんだっけ?」
『あ・・・そうでしたね。失念していました。何せ、私が生まれた頃には魔物というのは凶暴な存在でしたので』
「まあ、ゴブリンみたいに野蛮なのもいるけどな。なんらかの理由は持ってるぞ」
何も意味なく殺しを行う生物はいない。快楽や、怒りという醜い理由はあれど、理由のない殺しというのは存在しない。
殺しには必ず意味が存在するのだ。
400年前の魔物にも、厳密には殺していた理由が存在する。悪魔王の狂気が感染していたという理由が。
「あ、着いたっぽいな」
『以外と短かったですね。さあ、早く私を治して下さい』
「短いのはお前の刀身だろ。あと、村の中ではあまり喋るなよ?俺は目立つのは嫌いだ」
『誰がナイフ以下ですって!?あんまりです!抗議します!!』
「せんでいい、せんで良い!!直してやるからさっさと黙れ!行くぞ!!」
見えてきた農村に向かって歩いていく。メアも、理解力はあるようで、村を守る柵が見えてきた瞬間、ピタリと喋るのをやめた。
やめたらやめたで、静かになってしまいなんだか寂しい・・・というのは口が裂けても言えない。
休みを数回挟んでここまで来たが、足には疲労が溜まっており、走れと言われたら走れない状態だ。森の道がこんなにも険しいだなんて思っていなかった。
「足の筋肉、つけないとな・・・」
槌を振るう腕の筋肉だけでなく、足も鍛えなければ・・・。
「・・・ん?なんか壊れてない?」
村を魔物から守る柵が一部いや、だいぶ破壊されている。柵だけじゃない。畑は荒らされ、家は半壊。あちこちに、血が飛び散っている。
歩いている農民の顔にも、笑顔が消えて、絶望の表情を浮かべている。
足音で気づいたのか、腰の曲がった老人が、トボトボと近づいてきた。
「アンタ・・・もしかして、冒険者か?戦いに慣れた、熟練の戦士かい?」
「悪いな、鍛治職人だ・・・おい、あからさまに落胆するな。話くらいは聞いてやるから」
話は聞くが、オチはなんとなく読めている。恐らく、ここに来る前に遭遇したアイツだろう。
「魔物と言っても、凶暴じゃないから大丈夫だろ。一部を除いてな」
『何を言っているんです?魔物というのは、人を襲う生物。そこに意味などないでしょう?』
「いやいや、あるだろ。腹が減ったとか、自分らの住処に近づいて来たとか。魔物はそんな邪悪じゃないって・・・あ、そうか」
『どうしたんです?』
「今の時代と、メアの時代の魔物はちょっと違うか。確か、悪魔王の影響で妙に凶暴化してたんだっけ?」
『あ・・・そうでしたね。失念していました。何せ、私が生まれた頃には魔物というのは凶暴な存在でしたので』
「まあ、ゴブリンみたいに野蛮なのもいるけどな。なんらかの理由は持ってるぞ」
何も意味なく殺しを行う生物はいない。快楽や、怒りという醜い理由はあれど、理由のない殺しというのは存在しない。
殺しには必ず意味が存在するのだ。
400年前の魔物にも、厳密には殺していた理由が存在する。悪魔王の狂気が感染していたという理由が。
「あ、着いたっぽいな」
『以外と短かったですね。さあ、早く私を治して下さい』
「短いのはお前の刀身だろ。あと、村の中ではあまり喋るなよ?俺は目立つのは嫌いだ」
『誰がナイフ以下ですって!?あんまりです!抗議します!!』
「せんでいい、せんで良い!!直してやるからさっさと黙れ!行くぞ!!」
見えてきた農村に向かって歩いていく。メアも、理解力はあるようで、村を守る柵が見えてきた瞬間、ピタリと喋るのをやめた。
やめたらやめたで、静かになってしまいなんだか寂しい・・・というのは口が裂けても言えない。
休みを数回挟んでここまで来たが、足には疲労が溜まっており、走れと言われたら走れない状態だ。森の道がこんなにも険しいだなんて思っていなかった。
「足の筋肉、つけないとな・・・」
槌を振るう腕の筋肉だけでなく、足も鍛えなければ・・・。
「・・・ん?なんか壊れてない?」
村を魔物から守る柵が一部いや、だいぶ破壊されている。柵だけじゃない。畑は荒らされ、家は半壊。あちこちに、血が飛び散っている。
歩いている農民の顔にも、笑顔が消えて、絶望の表情を浮かべている。
足音で気づいたのか、腰の曲がった老人が、トボトボと近づいてきた。
「アンタ・・・もしかして、冒険者か?戦いに慣れた、熟練の戦士かい?」
「悪いな、鍛治職人だ・・・おい、あからさまに落胆するな。話くらいは聞いてやるから」
話は聞くが、オチはなんとなく読めている。恐らく、ここに来る前に遭遇したアイツだろう。
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