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1章 追放とクソ雑魚オンボロ聖剣との出会い
2話 さらば、故郷
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自宅に帰ったマーサは大きなため息を吐いた。家が半壊し、知性のかけらもない悪戯描きが施されていたからだ。
数時間前は壊れてはいなかったので、俺の話を聞いて、ここらへんに住んでいる住民が破壊活動を行ったのだろう。
中にも侵入されたようで、皿やコップなどの容器が破壊されている。いや、床に散乱している破片の量的に何枚か盗まれたな?
犯罪者の息子には何をしても良いってことか。だとすると、俺の仕事道具も破壊されているだろう。
「やっぱり、壊されてたか・・・。ま、予備があるからいいんだけどね」
祖父ちゃんの口癖「予備の道具は隠しとけ。盗人に入られてもまた1から始められる」を実行しておいて良かった。
お陰でまた始められそうだ。
破壊されていない道具をかき集め、バッグに詰める。心の中で家に別れを告げ、家を出ると、おそらく俺の家を廃墟にしたであろう住民が立っていた。
「・・・出て行く。あとは好きにしろ」
ただし、俺自身に攻撃してくるのならこちらも対抗させてもらう。
元々、目つきが悪かった事から、少し目をギロつかせただけで誰も攻撃はしてこなかった。ただ、少し離れた途端に罵声が飛んできたが、気にせず街を出た。
ギルドの人だけでなく、町の人とも交流を深めていればもう少し感動的な別れになっただろうか?いや、タラレバの話はやめよう。虚しくなるだけだ。
町から一歩出た瞬間、後ろから野太い声の男に声をかけられる。
「貴様、マーサ・ラームだな?」
「追い出しの次は逮捕か?」
声をかけてきたのは、門番の兵士だった。
「そう警戒するな・・・この町をまっすぐ進むと、森がある。森を抜けると、人口100人にも満たない農村がある。この町ファトーから一番近い村だ」
「・・・なんでよくしてくれる?」
兵士は腰の剣を右手で触れる。その剣は、俺は少し前に打った剣だった。何故、兵士の手に回っているのかは不明だが、情報は信じてもよさそうだ。
「じゃあな。良い旅を」
「・・・出世しろよ」
その兵士とは一度も会った事がない。だが、不思議と彼からは友情に近い何かを感じてしまった。
「さて・・・向かうか・・・ん?」
草を踏む音が耳に入ってくる。小さな音だ。しかし、人間よりも少し多い。四足歩行なのだろう。
音の聞こえた左側を見ると、群れから逸れたであろう狼が俺を獲物として見ていた。体は痩せ細り、目からは少し血走っている。
「バウバウッ!!」
余程お腹が空いていたのか、こちらの様子も全く観察せずに襲ってきた狼の頭を、俺は護身用の戦鎚で潰し、辺りに小さな血の噴水を作る。
頭を潰された狼は体はぴくりとも動かなくなり、絶命。肉を少し拝借して、森へと足を向かわせた。
数時間前は壊れてはいなかったので、俺の話を聞いて、ここらへんに住んでいる住民が破壊活動を行ったのだろう。
中にも侵入されたようで、皿やコップなどの容器が破壊されている。いや、床に散乱している破片の量的に何枚か盗まれたな?
犯罪者の息子には何をしても良いってことか。だとすると、俺の仕事道具も破壊されているだろう。
「やっぱり、壊されてたか・・・。ま、予備があるからいいんだけどね」
祖父ちゃんの口癖「予備の道具は隠しとけ。盗人に入られてもまた1から始められる」を実行しておいて良かった。
お陰でまた始められそうだ。
破壊されていない道具をかき集め、バッグに詰める。心の中で家に別れを告げ、家を出ると、おそらく俺の家を廃墟にしたであろう住民が立っていた。
「・・・出て行く。あとは好きにしろ」
ただし、俺自身に攻撃してくるのならこちらも対抗させてもらう。
元々、目つきが悪かった事から、少し目をギロつかせただけで誰も攻撃はしてこなかった。ただ、少し離れた途端に罵声が飛んできたが、気にせず街を出た。
ギルドの人だけでなく、町の人とも交流を深めていればもう少し感動的な別れになっただろうか?いや、タラレバの話はやめよう。虚しくなるだけだ。
町から一歩出た瞬間、後ろから野太い声の男に声をかけられる。
「貴様、マーサ・ラームだな?」
「追い出しの次は逮捕か?」
声をかけてきたのは、門番の兵士だった。
「そう警戒するな・・・この町をまっすぐ進むと、森がある。森を抜けると、人口100人にも満たない農村がある。この町ファトーから一番近い村だ」
「・・・なんでよくしてくれる?」
兵士は腰の剣を右手で触れる。その剣は、俺は少し前に打った剣だった。何故、兵士の手に回っているのかは不明だが、情報は信じてもよさそうだ。
「じゃあな。良い旅を」
「・・・出世しろよ」
その兵士とは一度も会った事がない。だが、不思議と彼からは友情に近い何かを感じてしまった。
「さて・・・向かうか・・・ん?」
草を踏む音が耳に入ってくる。小さな音だ。しかし、人間よりも少し多い。四足歩行なのだろう。
音の聞こえた左側を見ると、群れから逸れたであろう狼が俺を獲物として見ていた。体は痩せ細り、目からは少し血走っている。
「バウバウッ!!」
余程お腹が空いていたのか、こちらの様子も全く観察せずに襲ってきた狼の頭を、俺は護身用の戦鎚で潰し、辺りに小さな血の噴水を作る。
頭を潰された狼は体はぴくりとも動かなくなり、絶命。肉を少し拝借して、森へと足を向かわせた。
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