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1章 追放とクソ雑魚オンボロ聖剣との出会い
プロローグ
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「マーサ・ラーム。本日付けで君をギルド『ディラム』から解雇させてもらう」
「・・・マジですか?」
「おおマジだ」
生まれてくる時、親は選べない。そんな言葉がこの世にある。
この俺、マーサ・ラームはこの言葉を今までまるで気にかけた事がなかった。だって、その親がいないんだもの。
父親は俺が生まれる前にどこかへと姿を消し、母親はその件で精神をおかしくしてしまい、3歳の時に自殺。
残された俺は当然のように親戚中をたらい回しにされた。親が親なんだ。誰だって腫れ物扱いしたくなる。
けど、幸運な事に俺には小さな頃からとある才能を持っていた。鍛治だ。
金槌を振るった事がないのに、俺には『鍛治』のスキルが備わっていた。そして、更に幸運な事に俺の祖父ちゃんは鍛治職人だった。
残念な事に祖父ちゃんは12歳の頃に死んじゃったが、お陰でギルドのお抱え鍛治職人として生きる事ができた。
命を削って金稼ぎをする冒険者のギルドの鍛治職人。決して簡単ではないが、やり甲斐とそれに見合った報酬は貰える。
悪くない生活だった。けど、そこまでこの生活が長くは続かなかった。当然の解雇通知で俺の安定した鍛治職人生活はたった6年で終わりを迎えたのだ。
「俺の打った武器に何か問題でも?不良品はしっかりと見極めて提供していたはずですが・・・」
「いや、お前自身に問題はないんだよ。問題はお前の父親だ」
「俺の親父!?生きてるの!?ていうかどうやって知ったんです!?」
「お前が報復する可能性を考えて、誰が特定したのかは伏せておくが、お前の父親については詳しく話そう。マーサ、お前の父親はこの国、ウォリア王国の上級貴族だ。つい1ヶ月前、国王暗殺を画策したとんでもない奴だ」
ここで明かされた衝撃の事実。自分が生まれた理由がなんとなく分かったような気がする。
「つまり、俺は貴族の性欲解消の結果生まれたって事・・・?」
「・・・そうだろうな。そして、お前は国家転覆を狙った貴族の血縁上の息子。申し訳がここにいさせるわけにはいかない」
国賊の息子なんて雇っていたら、ギルド自体が潰されかねない。俺に解雇を言い渡したギルド長も苦虫の噛み潰したような表情を浮かべている。
このギルドにはとても世話になった。これ以上迷惑はかけたくないし、自分のせいで潰れるなんて嫌だ。
「分かりました・・・今まで、ありがとうございました・・・」
俺は解雇通知と、あまり重くない退職金を手に、ギルド長室から立ち去った。
「・・・マジですか?」
「おおマジだ」
生まれてくる時、親は選べない。そんな言葉がこの世にある。
この俺、マーサ・ラームはこの言葉を今までまるで気にかけた事がなかった。だって、その親がいないんだもの。
父親は俺が生まれる前にどこかへと姿を消し、母親はその件で精神をおかしくしてしまい、3歳の時に自殺。
残された俺は当然のように親戚中をたらい回しにされた。親が親なんだ。誰だって腫れ物扱いしたくなる。
けど、幸運な事に俺には小さな頃からとある才能を持っていた。鍛治だ。
金槌を振るった事がないのに、俺には『鍛治』のスキルが備わっていた。そして、更に幸運な事に俺の祖父ちゃんは鍛治職人だった。
残念な事に祖父ちゃんは12歳の頃に死んじゃったが、お陰でギルドのお抱え鍛治職人として生きる事ができた。
命を削って金稼ぎをする冒険者のギルドの鍛治職人。決して簡単ではないが、やり甲斐とそれに見合った報酬は貰える。
悪くない生活だった。けど、そこまでこの生活が長くは続かなかった。当然の解雇通知で俺の安定した鍛治職人生活はたった6年で終わりを迎えたのだ。
「俺の打った武器に何か問題でも?不良品はしっかりと見極めて提供していたはずですが・・・」
「いや、お前自身に問題はないんだよ。問題はお前の父親だ」
「俺の親父!?生きてるの!?ていうかどうやって知ったんです!?」
「お前が報復する可能性を考えて、誰が特定したのかは伏せておくが、お前の父親については詳しく話そう。マーサ、お前の父親はこの国、ウォリア王国の上級貴族だ。つい1ヶ月前、国王暗殺を画策したとんでもない奴だ」
ここで明かされた衝撃の事実。自分が生まれた理由がなんとなく分かったような気がする。
「つまり、俺は貴族の性欲解消の結果生まれたって事・・・?」
「・・・そうだろうな。そして、お前は国家転覆を狙った貴族の血縁上の息子。申し訳がここにいさせるわけにはいかない」
国賊の息子なんて雇っていたら、ギルド自体が潰されかねない。俺に解雇を言い渡したギルド長も苦虫の噛み潰したような表情を浮かべている。
このギルドにはとても世話になった。これ以上迷惑はかけたくないし、自分のせいで潰れるなんて嫌だ。
「分かりました・・・今まで、ありがとうございました・・・」
俺は解雇通知と、あまり重くない退職金を手に、ギルド長室から立ち去った。
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