いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太

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最終章 悪魔の契約

146話 良い戦争日和

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 夕日と共に城下町を出て、草原に到着する。草原でキャンプし、最後の晩餐になるかもしれないので酒を少々。しかし、泥酔しない程度に嗜む程度に飲酒する。

 プルテン騎士団の団長として、さっさと寝るべきなのだろうが全く眠れない。戦いの前の日はいつもこうだ。全然眠れず夜が明けるのをただひたすらに待っている。

 そして今回も夜が明けて、朝日が昇って来る。天気は快晴。空には雲一つあがっておらず、太陽のみがさんさんと輝いている。

「良い戦争日和だ!!」

「なんですか戦争日和って・・・鎧の中は蒸れるし熱いしでいいところ一つもないですよ」

「いいや、新人。良い戦争が出来る日だよ今日は。空は澄み渡っていて、我らが主に我々の行いをアピールする事が出来る。最高の日なんだよ」

「ああ!そういう事ですか!ジョン8世!」

「ああ!!そういう事だ!!」

 いいや、全然違う。俺にとっての良い戦争日和というのは、死んでも勝っても心地よい終わり方になりそうな日の事を差している。土砂降りの中で、馬糞と泥にまみれながら死ぬよりも、カラっとした日に自分か敵のか分からない血を浴びて仰向けで死ぬのとどちらが良いと聞かれたら必ず後者を選ぶ。

 無論、死ぬ気はない。何ならここで魔獣王ドートンを止める気すらある。死ぬなら晴れた日が良いというだけだ。

「見えてきました!魔獣人の群れです!!国境の兵士達が頑張ってくれたようで、数は9万7456人になっています!!」

「そうか!でかした!!後で国境で勤めていた兵士達の墓は立派な物を作ってやろう!魔獣王ドートンの姿は見えるか!?」

「はい!他の魔獣人と比べて頭3つ以上背の高い大きな牙を生やした猫顔の魔獣人が見えます!」

「はっ!猫ちゃんとは可愛いもんだ!魚でも持ってくればよかったなぁ!!」

 プルテン騎士団に笑いが走る。そうだ、この笑いだ。この純粋な笑いが人を強くするんだ。

「我々は勇者が戦いに終止符を打つための捨て駒だ!だが、それの何が怖い?我らに恐れるものはなんだ!?死か?妻か?違う!!貢献できない事だ!」

「「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」

 ジョン8世のスキル『心震わす声』は、味方を鼓舞し、全員の闘争本能と身体能力を向上させるスキルである。ジョン8世の言葉に共感した者達は一斉に武器を天に向かって振りあげ、突撃する。

「悪魔めぇぇぇぇぇぇ!!人間を舐めるなぁぁぁぁぁぁ!!」

 思えば、魔獣人に入れ替わられたりと最近は良いところが無かった。今年で45歳。最後くらいは格好つけさせてもらいたい。
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