いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太

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最終章 悪魔の契約

137話 一刻も早く帰らなければ

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 ジュリエットの記憶力は正確で、スムーズに脱出に成功。地上に戻る事が出来た。俺達が穴に落ちた時は夜だったが、既に夜は明け、太陽が仕事を始めようとしている。

「それじゃあ、私はお父様を説得しにいく」

「訓練村を襲わせるくらいだからかなり危険な人に思えるんだけど大丈夫?」

「・・・昔は違かった。誰よりも優しくて臣下や国民を思う賢者のような人だった。けど、今は違う。勝つためなら手段を選ばない人になっちゃった。元からの信頼のせいで皆そうなっちゃってる。私も実際影響されてる。今考えると過激になったのは悪魔が原因なのかも」

「・・・危険だと思ったらコンパスに逃げてきて。君の命は必ず保障する。殺したりなんか絶対にしない」

「ありがと、頭の隅に入れておく。貴方も万が一に備えておきなさいよ」

「万が一っていうのはつまり・・・」

「説得に失敗した時。寧ろ、そっちの方が高い。私の権力は無いに等しい。軍にも関わらせてもらえなかったから軍との信頼関係もない。その時は全力でお父様を迎え撃って」

「分かった。俺達も頑張るからそっちも頑張って」

「言われなくても!悪魔になんか体を奪わせなんかしない!!」

 トラコと別れて俺達は馬を回収しに近くの村まで走る。

「テツロウさん!現魔獣王が死んだらアウトなんですよね!?」

「ああ、そして次の戦争には十中八九魔獣王が出てくる。戦況的にはパンジグが圧倒的に有利だからトップが顔出さないわけがない!」

「そして、万が一最終決戦が始まってしまった場合は魔獣王を殺さず捕獲。それで間違いないですよね?」

「うん!それがどうしたの!?」

「その後はどうするんですか?当たり前ですが、死は必ず訪れます。暗殺、毒殺、病死、自殺。死に至る方法は様々です。最終決戦を回避又は魔獣王を殺さずに捕獲出来たとしても、いずれ魔獣王は死に王座はトラコ王女へと日木津継がれます。そうなったら契約は成立してしまうんじゃないんですか?」

 ジュリエットは今回の戦争回避の動きは、問題の先送りにしかならないと言いたいのだろう。

「先延ばしできたら、その間に必ず解決法を見つけ出す!契約した悪魔を倒したりね!」

「成程!そういう事ですか!確かに『聖女の光』のように悪魔への対抗手段はあるかもしれません!そうと決まれば、なんとしてでも魔獣王の進軍を阻止してみせましょう」

「良し!その意気だ!!体調は大丈夫!?無理はしないでよね!?」

「はい!実を言うと寝てなくて体がだるいです!!」

「正直でよろしい!イリスへの報告は俺がしとくから、ジュリエットはストレングス邸で寝てな!」

「はい!!」

 その後、馬を回収すると、乗馬で城まで戻った。
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