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五章 魔獣人の根源
131話 分かり合えない
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「エエエエエエラー発生エラー発生。強制シャットダダダダウン開始強制シャットダウン開始・・・」
ぴくりとも動かなくなったゴーレムの関節の隙間からぽたりと一粒の黒い液体が落ちてくる。オイルスライムだ。
「ピ・・・ピイィィィ・・・」
するとオイルスライムは媚を売るように可愛らしい鳴き声をあげた。
「媚び売っても無駄だ。死ね」
最後の一滴を浄化属性の光で焼き殺す。最後は断末魔なしで蒸発して死んでいった。
「ふう・・・一体なんだったんだ?」
「魔法生物よ。魔法で生命を与える技術が存在するのよ。恐らく、あのオイルも魔法生物。誰が作ったのかは分からないけど」
「普通に魔獣人じゃないの?大切な資料を守る為に作ったんだと思うけど」
「大切な本や資料を守るのにどうして燃えやすくするオイルを魔法生物にするのよ。それに、液体を魔法生物にする技術は確立されてないわ」
「ロストテクノロジーってやつかな?それとも───」
「魔獣人ではない別の誰かが生み出した可能性も否めないわね」
「それって誰?」
「さあ?壁画に描かれてた黒い人型の何かとかじゃない?私も流石に分からないわ」
トラウマの対象であるオイルスライムがいなくなってすっかり元気を取り戻したトラコ。俺達の命を狙う危険な生物を倒したおかげで後の探索はかなり楽になった。
「それじゃあ、探しましょ最強兵器と歴史の書」
「うん、でも・・・今のゴーレムが最強兵器なんじゃないかな?めちゃくちゃ強かったし」
「違うわよ。最強兵器は本よ。魔導書。あまりにも強力すぎて封印された魔法が書かれた禁書よ」
「・・・やっぱりまだ、意見は変わらない?」
「ええ、勿論よ。貴方には感謝してるわ。けど、コンパス人じゃない。それに例え貴方がコンパス人だったとしてもたった数十分で積年の恨みが晴らされるわけがない。必ず禁書を見つけてコンパスを火の海にするわ」
「何人もの魔獣人を屠っておいてなんだけど、俺は君達と戦いたくない。だって、君達は別に悪人とかでもないじゃないか」
「戦争というのはそういうものよ。誰も悪人なんていない。国の誇りと名誉、国民の為に戦うの。だから私も戦う。パンジグの誇りの為に」
彼女の硬い意思に下を俯いてしまう哲郎。分かり合えると思った。しかし、彼女の意思は硬く変える事は不可能だった。
「私も貴方の事を殺したくはない。だからお願い。私と一緒に来て」
「それは・・・できない。俺の目的は平和的解決。パンジグではそれは叶えられない」
「そう・・・ごめんなさいね。また同じお願いしちゃって。返ってくる答えは分かってたのにどうしてこんな質問しちゃったのかしら」
「そのくらい叶えたい事だからじゃないかな。もうこれ以上会話をしても意味がない。さっさと互いに目的の物を探そう」
ぴくりとも動かなくなったゴーレムの関節の隙間からぽたりと一粒の黒い液体が落ちてくる。オイルスライムだ。
「ピ・・・ピイィィィ・・・」
するとオイルスライムは媚を売るように可愛らしい鳴き声をあげた。
「媚び売っても無駄だ。死ね」
最後の一滴を浄化属性の光で焼き殺す。最後は断末魔なしで蒸発して死んでいった。
「ふう・・・一体なんだったんだ?」
「魔法生物よ。魔法で生命を与える技術が存在するのよ。恐らく、あのオイルも魔法生物。誰が作ったのかは分からないけど」
「普通に魔獣人じゃないの?大切な資料を守る為に作ったんだと思うけど」
「大切な本や資料を守るのにどうして燃えやすくするオイルを魔法生物にするのよ。それに、液体を魔法生物にする技術は確立されてないわ」
「ロストテクノロジーってやつかな?それとも───」
「魔獣人ではない別の誰かが生み出した可能性も否めないわね」
「それって誰?」
「さあ?壁画に描かれてた黒い人型の何かとかじゃない?私も流石に分からないわ」
トラウマの対象であるオイルスライムがいなくなってすっかり元気を取り戻したトラコ。俺達の命を狙う危険な生物を倒したおかげで後の探索はかなり楽になった。
「それじゃあ、探しましょ最強兵器と歴史の書」
「うん、でも・・・今のゴーレムが最強兵器なんじゃないかな?めちゃくちゃ強かったし」
「違うわよ。最強兵器は本よ。魔導書。あまりにも強力すぎて封印された魔法が書かれた禁書よ」
「・・・やっぱりまだ、意見は変わらない?」
「ええ、勿論よ。貴方には感謝してるわ。けど、コンパス人じゃない。それに例え貴方がコンパス人だったとしてもたった数十分で積年の恨みが晴らされるわけがない。必ず禁書を見つけてコンパスを火の海にするわ」
「何人もの魔獣人を屠っておいてなんだけど、俺は君達と戦いたくない。だって、君達は別に悪人とかでもないじゃないか」
「戦争というのはそういうものよ。誰も悪人なんていない。国の誇りと名誉、国民の為に戦うの。だから私も戦う。パンジグの誇りの為に」
彼女の硬い意思に下を俯いてしまう哲郎。分かり合えると思った。しかし、彼女の意思は硬く変える事は不可能だった。
「私も貴方の事を殺したくはない。だからお願い。私と一緒に来て」
「それは・・・できない。俺の目的は平和的解決。パンジグではそれは叶えられない」
「そう・・・ごめんなさいね。また同じお願いしちゃって。返ってくる答えは分かってたのにどうしてこんな質問しちゃったのかしら」
「そのくらい叶えたい事だからじゃないかな。もうこれ以上会話をしても意味がない。さっさと互いに目的の物を探そう」
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