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四章 異世界に呼ばれた理由
100話 奇跡的に完成した非道な作戦
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「城にいる100人以上のコックの中から最も料理人としての意識が低く、作業の効率の悪いこの男を夜道で襲い、体にゆっくりと電魔法で電気を流した所、姿が魔獣人になりました。スキルで化けていたようです。コイツが化けていたコックの家に潜伏していました。既に本物のコックは解放済みです」
「因みに彼の執事としての姿は仮の姿。その正体はコンパス国随一の諜報員。無情のバリーだ」
「口が相変わらず軽いですね、ジョン6世。・・・他言は無用ですよお2人とも」
俺はいつの間にかとんでもない人を仲間に加えていたらしい。
「潜伏先でこの者の荷物を調べてみたところ、見事に毒薬が見つかりました。しかも、スパイクボールと呼ばれる棘の体を持つ魚の魔物が持つ猛毒です」
それは・・・ハリセンボンではないだろうか。確かに猛毒だし口にしたら死んでしまうが。
「これは私が責任を持って破棄しておくのでご安心を。そして代わりにこちらを用意しました」
小さな瓶を俺達に見せる。中には透明な液体が入っており、ただの液体でない事だけは分かる。話の流れから察するにこれは毒だろう。
「痺れ毒です。経口摂取で全身の筋肉が30分で麻痺します。全身が痺れればスキルも維持する事が出来ずに真の姿を晒す事でしょう」
「死ぬ危険性はないんですよね。良かった」
「いえ、普通に死にますよ?解毒剤を48時間以内に飲まなければね。それを脅しの種にして魔狼将軍ムサシをおびき寄せます」
仕方がないとはいえ、大分人道から反した行動だ。
「ムサシには部下5人と、私の内臓を一部奪われていますからね・・・」
服をまくると現れたのは生々しい傷跡。位置的に肝臓だろうか。医療もロクに発展していないこの世界で良くぞ生き延びたものだ。
「では作戦を整理しよう。痺れ毒を偽イリス王女に飲ませて拘束。偽イリス王女をダシにムサシをおびき寄せて取引で王女を救う。間違いないかな?」
「問題ならあると思います。偽イリス王女も諜報員ならば、出される料理には警戒するはず。どうやって痺れ毒入りの料理を食べさせるんですか?」
「良い質問だ。勇者キュレイン!偽のコックは本物のコックの容姿や声をスキルで真似ていた。では、本物の方のコックが偽のコックの情報を吸収さえすれば、偽王女は元に戻った事に気づかずに信用するんじゃないのか?」
「コックの演技力と偽コックの情報提供に期待するしかありませんね」
「その2つもご心配なく。コックには演技の練習をさせていますし、偽コックからは情報は絞り出しています。後は当日偽イリス王女の料理に痺れ毒を入れればいいだけ・・・ある1つの難関さえ超えれば」
「その難関というのは?」
「パンジグの言語です。覚えられない事はありませんが、流暢に話すにはあまりにも時間が無さすぎる。どうにかしてこちらの言語を使わせるように誘導しなければなりません」
「いや、それならご心配なく。俺が常に本物のコックさんの背後にいる事で言語の問題は解決できます。スキル『声真似』とアイツらの言語を流暢に喋る事によってね」
「何故喋れるんだ?」
「俺の母国の言語と同じなんです」
「凄い偶然だな!それじゃあ、声の演技頑張るんだぞ!!」
作戦を企てた俺達は迫りくるパーティーに備えて眠りについた。
「因みに彼の執事としての姿は仮の姿。その正体はコンパス国随一の諜報員。無情のバリーだ」
「口が相変わらず軽いですね、ジョン6世。・・・他言は無用ですよお2人とも」
俺はいつの間にかとんでもない人を仲間に加えていたらしい。
「潜伏先でこの者の荷物を調べてみたところ、見事に毒薬が見つかりました。しかも、スパイクボールと呼ばれる棘の体を持つ魚の魔物が持つ猛毒です」
それは・・・ハリセンボンではないだろうか。確かに猛毒だし口にしたら死んでしまうが。
「これは私が責任を持って破棄しておくのでご安心を。そして代わりにこちらを用意しました」
小さな瓶を俺達に見せる。中には透明な液体が入っており、ただの液体でない事だけは分かる。話の流れから察するにこれは毒だろう。
「痺れ毒です。経口摂取で全身の筋肉が30分で麻痺します。全身が痺れればスキルも維持する事が出来ずに真の姿を晒す事でしょう」
「死ぬ危険性はないんですよね。良かった」
「いえ、普通に死にますよ?解毒剤を48時間以内に飲まなければね。それを脅しの種にして魔狼将軍ムサシをおびき寄せます」
仕方がないとはいえ、大分人道から反した行動だ。
「ムサシには部下5人と、私の内臓を一部奪われていますからね・・・」
服をまくると現れたのは生々しい傷跡。位置的に肝臓だろうか。医療もロクに発展していないこの世界で良くぞ生き延びたものだ。
「では作戦を整理しよう。痺れ毒を偽イリス王女に飲ませて拘束。偽イリス王女をダシにムサシをおびき寄せて取引で王女を救う。間違いないかな?」
「問題ならあると思います。偽イリス王女も諜報員ならば、出される料理には警戒するはず。どうやって痺れ毒入りの料理を食べさせるんですか?」
「良い質問だ。勇者キュレイン!偽のコックは本物のコックの容姿や声をスキルで真似ていた。では、本物の方のコックが偽のコックの情報を吸収さえすれば、偽王女は元に戻った事に気づかずに信用するんじゃないのか?」
「コックの演技力と偽コックの情報提供に期待するしかありませんね」
「その2つもご心配なく。コックには演技の練習をさせていますし、偽コックからは情報は絞り出しています。後は当日偽イリス王女の料理に痺れ毒を入れればいいだけ・・・ある1つの難関さえ超えれば」
「その難関というのは?」
「パンジグの言語です。覚えられない事はありませんが、流暢に話すにはあまりにも時間が無さすぎる。どうにかしてこちらの言語を使わせるように誘導しなければなりません」
「いや、それならご心配なく。俺が常に本物のコックさんの背後にいる事で言語の問題は解決できます。スキル『声真似』とアイツらの言語を流暢に喋る事によってね」
「何故喋れるんだ?」
「俺の母国の言語と同じなんです」
「凄い偶然だな!それじゃあ、声の演技頑張るんだぞ!!」
作戦を企てた俺達は迫りくるパーティーに備えて眠りについた。
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