いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太

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三章 勇者探し

72話 淑女の嗜みと戯れ(暴)

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 一方その頃、ニアとハガネは有り余るお金でグルメとスイーツを楽しんでいた。

「美味い!美味しいです!!料理をせずにこんなに美味しい物を食べても良いんでしょうか!ニア!!」

「勿論ですわ!なんて言ったってお金を払っているんですもの!それに神様も私達の活躍を見ているでしょうから、一日程度の暴飲暴食なんか許してくれるに決まっていますわ!!」

 2人の中には密かにストレスが溜まっていた。長旅に関してのストレスである。そのストレスを解消するかのように今、暴飲暴食の限りを尽くしている。

 特にニアの食事量は尋常ではなく、健康的な成人男性の約5倍もの量の食事を口の中へと運んでいる。更に恐ろしいのが、その全てをしっかりと味わって、的確な評価を口にしている所だ。

「この貝は味は勿論の事ながら、程よい歯ごたえのあるこの食感は癖になってしまいますわ。酒蒸しにしたらもっと美味しいと思いますの!」

 流石は一流家系の出身。舌が普通の人間よりも肥えている。そこに更に酒が入る事によって心情を打ち明かし始める。

「わたくしはぁ!決して間違った事がしていませんわぁ!むしろ!殺さなかった事を感謝して欲しいくらいですわぁぁぁぁぁぁ!!」

 未だに自分が逆境に立たされている状況を不満に思っているみたいだ。まあ、上司が病に伏せたのはニアが原因とは言え、ニア本人が引き起こした事ではないので、不満を言う権利はあるだろう。

 酒で茹だった彼女の頬に冷たくて硬い物が当てられる。

「あら、ごめんあそばせ。酔っているわたくしに気を使って冷や水を持ってきて下さったの。このレストランは料理の出来だけでなく、サービスのクオリティも高いのですね」

「ニア!違います!それは・・・!剣の側面です!!」

 ニアの頬に当てられているのはキンキンに冷えた氷水ではなく、金属の剣だった。

「あら・・・よいしょっと」

 彼女は頬に当てられている剣をまるで枯葉を割るように破壊。破壊した破片を握りつぶし、粉状にすると、剣を付けてきた相手の目に向かって金属の粉を思い切り投げつける。

「ぎゃあああぁぁぁぁ!目がァァァァ!!」

「隙作りましたわ」

 目をやられ、悶絶している敵の腹に向かって渾身の拳の一撃。あまりの威力に腹部は破裂。敵は悶え苦しみながら死んでいった。

「ひっ!化け物・・・!!」

「誰が化け物ですって!?」

「違います、ニア!この魔物の事です!これは・・・半魚人?」

 青色の肌に、脇にはエラのような器官。そして、顔は魚のような形をしているがこれは・・・。

「半魚人ではありませんね。半魚人はもう少し人間のような顔立ちをしていますわ。これは恐らく・・・魔獣人ですわね」

 ニアの酔いは一瞬で覚めたようだ。
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