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三章 勇者探し
55話 気づくとそこは見たことのある綺麗な天井だった
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ゆっくりと目を開けると、俺は真っ暗な部屋のベッドの上に寝かされていた。知らない天井・・・というわけではなく、2か月前に見た事のある天井だ。
「コンパス城か」
眠る前の記憶は覚えている。イリスが何故か魔獣人に襲われた訓練村にタイミングよく表れて、魔法で眠らされたんだっけか。
「手足の感覚は・・・ある」
四肢を千切られたというわけではないようで一安心。しかし、体からまだ疲れが抜けきっていないからか立ち上がるのが難しそうだ。決して不可能ではないが全身が痛んでそれどころではないといった感じだ。
「ハガネさんは・・・いるな」
右ではハガネさんがすやすやと寝息を立てている。ニアはいないが、それは恐らく彼女がコンパス騎士団である事が原因なのだろう。まさかこんなにも早くこの城に戻って来るとは思っていなかった。召喚された時のように丁重に扱われている事から悪い目には合わない事は確実。しかし、何の為に呼び戻したのかまるで分からないし、何であの時現れたのかも分からない。
「眠いな」
自分から起きたのに何故か眠い。睡眠魔法で眠らされたからだろうか。ひとまず寝て、朝になったら謁見する事も可能になるはず。その時に色々と聞こう。
目を閉じて眠りに興じるといつの間にか朝になっていた。ハガネさんと共に生きている事を分かち合い、メイドの指示に従い、新しい服に着替え、新鮮な朝食を摂っていると、誰かがノックをしてきた。
「どうぞーーー!!」
ハガネさんが元気よく入室の許可をすると入ってきたのはまさかのイリスだった。
「ごきげんよう。どうだね?我が城のシェフが作る最高級の朝食は」
「最初からアンタが来るって決まってたのか。道理でどれも新鮮かつ美味しいわけだ」
「私の事をまだ恨んでいるみたいだね、テツロウ・キムラ」
「逆に恨まないとでも思ってんのかよ。勝手に呼び出した挙句に追い出した奴に感謝されているとでも?」
「思っていないさ。しかし、私にも事情があったんだ。冷静さを失ってしまう程のね」
「外れスキルの事か?だとしてもあの扱いは酷いだろ。召喚したんなら最後まで面倒見やがれ。・・・まあ、ガキにそんな事言っても仕方ないか」
首筋に冷たく硬いモノが当たる。金属の刃だ。いつでも刺せるぞと言わんばかりに首筋に刃を立てている。流石に侮辱が過ぎたか。
「よせ、そこまで怒っていない。私は話がしっかりとできる大人だ。この程度では怒らないさこの程度では」
「そうかよ」
「君の怒りも理解しているからね」
「・・・やっぱりあれか?俺の噂を聞いて呼び戻したのか?スキルを買い取る商人の話を聞いて」
「話が早くて助かる。君のスキルがそこまで役に立つスキルだとは思わなくてね。是非、我々に協力してもらいたい」
「協力って?」
「この戦争を終わらせる事が出来る存在『勇者』を探し出してほしいんだ」
「コンパス城か」
眠る前の記憶は覚えている。イリスが何故か魔獣人に襲われた訓練村にタイミングよく表れて、魔法で眠らされたんだっけか。
「手足の感覚は・・・ある」
四肢を千切られたというわけではないようで一安心。しかし、体からまだ疲れが抜けきっていないからか立ち上がるのが難しそうだ。決して不可能ではないが全身が痛んでそれどころではないといった感じだ。
「ハガネさんは・・・いるな」
右ではハガネさんがすやすやと寝息を立てている。ニアはいないが、それは恐らく彼女がコンパス騎士団である事が原因なのだろう。まさかこんなにも早くこの城に戻って来るとは思っていなかった。召喚された時のように丁重に扱われている事から悪い目には合わない事は確実。しかし、何の為に呼び戻したのかまるで分からないし、何であの時現れたのかも分からない。
「眠いな」
自分から起きたのに何故か眠い。睡眠魔法で眠らされたからだろうか。ひとまず寝て、朝になったら謁見する事も可能になるはず。その時に色々と聞こう。
目を閉じて眠りに興じるといつの間にか朝になっていた。ハガネさんと共に生きている事を分かち合い、メイドの指示に従い、新しい服に着替え、新鮮な朝食を摂っていると、誰かがノックをしてきた。
「どうぞーーー!!」
ハガネさんが元気よく入室の許可をすると入ってきたのはまさかのイリスだった。
「ごきげんよう。どうだね?我が城のシェフが作る最高級の朝食は」
「最初からアンタが来るって決まってたのか。道理でどれも新鮮かつ美味しいわけだ」
「私の事をまだ恨んでいるみたいだね、テツロウ・キムラ」
「逆に恨まないとでも思ってんのかよ。勝手に呼び出した挙句に追い出した奴に感謝されているとでも?」
「思っていないさ。しかし、私にも事情があったんだ。冷静さを失ってしまう程のね」
「外れスキルの事か?だとしてもあの扱いは酷いだろ。召喚したんなら最後まで面倒見やがれ。・・・まあ、ガキにそんな事言っても仕方ないか」
首筋に冷たく硬いモノが当たる。金属の刃だ。いつでも刺せるぞと言わんばかりに首筋に刃を立てている。流石に侮辱が過ぎたか。
「よせ、そこまで怒っていない。私は話がしっかりとできる大人だ。この程度では怒らないさこの程度では」
「そうかよ」
「君の怒りも理解しているからね」
「・・・やっぱりあれか?俺の噂を聞いて呼び戻したのか?スキルを買い取る商人の話を聞いて」
「話が早くて助かる。君のスキルがそこまで役に立つスキルだとは思わなくてね。是非、我々に協力してもらいたい」
「協力って?」
「この戦争を終わらせる事が出来る存在『勇者』を探し出してほしいんだ」
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