いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太

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一章 貴方のスキル買い取らせて下さい

16話 彼は魔物なんかじゃない!

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「何者なんでしょうか!?」

 いや、知らないんかい!散々溜めるから知ってると思ったわ!

「いやぁ~あたし別に魔物博士ってわけじゃないので詳しくなんとも────」

「人間だよ」

 沈黙を貫いていたリザードマン?が口を開く。

「僕は、人間だよ・・・人間なんだよ。ねぇ、お兄ちゃん信じてよ」

 人語を発しており、感情も豊か。声もまるで普通の少年のようだが、見た目はどう見ても魔物。呪いか何かかけられたのか?

「君は一体いつからこんな状態なんだい?」

「分からない・・・ずっとこの姿」

 生まれながらに魔物の姿をしているわけか。母親の胎内にいるときに呪われたのか?いやいやそもそも呪われているのか?

 もしかしたらこの子は──────。

「テツローもしかしてこの子はあたしと同じなのでは?」

「・・・俺も実はそう思ってたんだ。君、名前は?」

「ティムだけど?」

「OK、ティム。少しお兄さんと取引をしよう」

 瞬間、ハガネさんの時のように宙に半透明の画面のようなモノが現れる。

「えっ?えっ?お兄ちゃんこれは何!?」

「俺のスキル『買取』だ。もしかしら君のその姿をなんとかすることができるかもしれない。取引をする意思を示してくれ」

「よ、よく分かんないけど分かった!僕、お兄ちゃんと取引する!!」

 意思表明をした瞬間、ティムの画面と俺の画面に分割される。俺の方には『発錆』、ティムの欄には『トカゲ』と書いてあった。

「やっぱりだ!この子はリザードマンなんかじゃない!!」

「スキルでリザードマンっぽくなってた子供だったのかしかも、自由にオンオフできないタイプの」

 予想が的中して良かった。これならこの子を救う事ができる。ティムはどうやらスキルのことをあまり詳しく知らなかったみたいだったので、説明すると──────。

「お兄ちゃんお願い!この呪いスキルから僕を解放して!まだ子供だから何もできないけど、いつか必ずお兄ちゃんに恩返しするから!!」

「ああ、もちろんだとも。買取価格は100インで良いかな?」

「うん!お願い!!」

 ティムの手のひらに100インを置くた瞬間、彼の体はほのかに光り、体から抜け出し1つに塊になると、俺の体内へと吸収されていく。

 スキルを吸収した瞬間、彼の体はみるみると小さくなっていき、数十秒後には玉のように可愛い少年がリザードマンの代わりに立っていた。

「こ、これが僕なの?本当に僕は人間なの?」

「ああ、誰がどう見ても人間さ」

「やったぁ!父さん!母さん!僕はやっぱり人間だったんだぁ!!」

 ティムは空に向かって雄叫びを上げるように叫んだ。やはり彼の両親は・・・・・・。
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