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最終章 この世に善悪など無い
137話 手の平の中に
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「これは一体何だい?こんな所で魔術なんかぶっ放しても生き埋めになるだけだよ?」
ここは洞窟の中。ただの人間であるガルは土の中では呼吸は出来ないし、瘴気が蔓延しているのでバックスは死ぬことは無い。
「そこまで馬鹿ではないよ。寧ろ場所を変えようと思ってね」
「場所を変える・・・まさか、その魔術は・・・!!」
「我らに導きを与えたまえ!!『テレポート』!」
ガルが使用したのは転移魔術だった。地下深くにいたのに一瞬で地上へと戻されてしまう。転移先は丁度真上にあった浄化の神殿の礼拝堂だった。
「瘴気に当てられている最中、記憶と共に色んな技術を得たんだ。その技術の1つが転移魔術だ。君の人類の積み重ねにアクセスできる能力の劣化版と言った方が良いかな?」
「成程ね・・・大事な浄化の信仰心を失ったから別の技術で補ったってわけか・・・流石は我が主の魂の持ち主だね」
「あんまり褒められた気がしないな。本当に褒めてる?」
「ああ・・・褒めてるさ!!」
無数の氷の矢がガルを襲う。武器を持っていないので何となくで予測はついてはいたが、魔術師タイプのようだ。
タワーシールドは封印に使われる際にダンジョンに忘れてしまったが、剣はあるので問題は無い。
「最終決戦と行こうじゃないか・・・知将バックス!!」
「そうだね!そしてその魂を返してもらうよ!!」
ガルは浄化の奇跡の代わりに炎を剣に纏わせ、バックスは体に電気を纏わせる。互いに戦闘準備は万全のようだ。
「じゃあ、僕から行かせてもらうよっ!!」
先制攻撃を仕掛けてきたのはバックス。体に纏った電気を石ころサイズまで凝縮。目では到底見る事が出来ない速度で射出した。しかし、ガルは避けていた。避けたのではなく、避けていた。元から軌道を知っていたかのように体を反らしていたのだ。
その後、5発ガルに向かって放たれるが全て避けられてしまった。
「な、何でだ!?何で避ける事が出来るんだ!」
「瘴気にあてられた際に記憶を見たって言ったよな?その中には瘴族であるお前の記憶もあったんだ。いや、寧ろ他と比べてかなり多かったな。瘴気と深い関わりがあるからかな?お前の記憶を何十時間も見た結果、お前の考え方が手に取るように分かる様になったんだ。今避けれたのはそれが原因さ」
「まさか僕が浄化の眷属を欺いて君の元へ来たのも?」
「把握してたよ。正攻法で戦うような奴じゃないというのは分かってたからさ」
知将は、全てを把握されて手の平で踊らされていた。
「さて、戦闘再開と行こうか」
いいや、ここから始まるのは戦いではない。一方的な蹂躙だ。
ここは洞窟の中。ただの人間であるガルは土の中では呼吸は出来ないし、瘴気が蔓延しているのでバックスは死ぬことは無い。
「そこまで馬鹿ではないよ。寧ろ場所を変えようと思ってね」
「場所を変える・・・まさか、その魔術は・・・!!」
「我らに導きを与えたまえ!!『テレポート』!」
ガルが使用したのは転移魔術だった。地下深くにいたのに一瞬で地上へと戻されてしまう。転移先は丁度真上にあった浄化の神殿の礼拝堂だった。
「瘴気に当てられている最中、記憶と共に色んな技術を得たんだ。その技術の1つが転移魔術だ。君の人類の積み重ねにアクセスできる能力の劣化版と言った方が良いかな?」
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「ああ・・・褒めてるさ!!」
無数の氷の矢がガルを襲う。武器を持っていないので何となくで予測はついてはいたが、魔術師タイプのようだ。
タワーシールドは封印に使われる際にダンジョンに忘れてしまったが、剣はあるので問題は無い。
「最終決戦と行こうじゃないか・・・知将バックス!!」
「そうだね!そしてその魂を返してもらうよ!!」
ガルは浄化の奇跡の代わりに炎を剣に纏わせ、バックスは体に電気を纏わせる。互いに戦闘準備は万全のようだ。
「じゃあ、僕から行かせてもらうよっ!!」
先制攻撃を仕掛けてきたのはバックス。体に纏った電気を石ころサイズまで凝縮。目では到底見る事が出来ない速度で射出した。しかし、ガルは避けていた。避けたのではなく、避けていた。元から軌道を知っていたかのように体を反らしていたのだ。
その後、5発ガルに向かって放たれるが全て避けられてしまった。
「な、何でだ!?何で避ける事が出来るんだ!」
「瘴気にあてられた際に記憶を見たって言ったよな?その中には瘴族であるお前の記憶もあったんだ。いや、寧ろ他と比べてかなり多かったな。瘴気と深い関わりがあるからかな?お前の記憶を何十時間も見た結果、お前の考え方が手に取るように分かる様になったんだ。今避けれたのはそれが原因さ」
「まさか僕が浄化の眷属を欺いて君の元へ来たのも?」
「把握してたよ。正攻法で戦うような奴じゃないというのは分かってたからさ」
知将は、全てを把握されて手の平で踊らされていた。
「さて、戦闘再開と行こうか」
いいや、ここから始まるのは戦いではない。一方的な蹂躙だ。
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