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最終章 この世に善悪など無い
135話 答え合わせ
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「危なかった・・・あのまま瘴王としての記憶が戻ってたら僕の人格が消えるところだった。バックス、君もそのつもりだったんだろう?」
「ああ、そうだよ。1つの体に2つ以上の人格が存在している場合は多重人格になるか、強い人格が弱い人格を消滅させて体を乗っ取る。瘴王様は既に何百年も生きた存在だ。君の人格なんか一瞬で消え失せるだろうね」
「猶更目が覚めててよかったよ」
「瘴王様を助けに来た僕としては最悪な展開だけどね。でも、君は何故浄化の力を使わなかったんだい?僕に腹パンをした時に浄化の奇跡を使えば簡単に倒す事が出来ただろう?」
「もう使えないんだよ・・・」
「使えないって・・・浄化の奇跡がかい?」
「ああ、もう浄化の女神様に対する信仰心なんか僕の中には存在しないんだよ」
最高の信仰者の証である真っ白な瞳は瘴気のような灰色になってしまっていた。そして顔もかなりやさぐれていた。
「君も瘴族なら知っているだろう?瘴気の正体が何なのか?瘴気はどうして発生するのか」
「ああ・・・成程。だから君は信仰心を失ってしまったのか。納得がいったよ」
「知っているんならその口で答えろよ。勿体ぶられるのが一番嫌いなんだ」
「ふふ、君ちょっと瘴王様に似てるかも?同じ魂だと人格も少しは似るのかな?おっと、無駄な話をしちゃったね。君も知っているとは思うが、瘴気とは妬み恨み怒り等の負の感情と大地に眠る魔力が混ぜ合わさった代物だ。つまりは生物と自然の合作ってわけさ」
「道理でどんなに浄化をしても消えないわけだ。ゴッズステイで瘴気があまり発生しないのも、神々がなるべく抑えていたからだろう?」
「そうだね。だからこんなにも濃い瘴気が発生していた。ゴッズステイ外ではこんなに濃くは無いんだよ?」
つまり、今回を含めた計4回の瘴気騒動は後回しにし続けた結果の産物だったというわけだ。
「君は何か生き物を飼った事はあるかい?」
「無いかな?」
「そうか。でも、この例えはきっと分かりやすいだろう。君はペットを飼っていたらそれなりに愛するしっかりと世話をするだろうからね。個人差はあるが、ペットを飼った場合、逃げない為や他の存在に弄ばれないように籠に入れたり檻の中に入れると思うんだ」
「つまり僕達人間が神々にとってのペットでしかないという事だ」
「そうさ。そして、第三次瘴気騒動から今まで瘴気を抑えてきたのは浄化の神一柱だけ。これが何を意味するのか賢い君になら分かるよね?」
「神々に飽きられた」
「正解っ♪」
「ああ、そうだよ。1つの体に2つ以上の人格が存在している場合は多重人格になるか、強い人格が弱い人格を消滅させて体を乗っ取る。瘴王様は既に何百年も生きた存在だ。君の人格なんか一瞬で消え失せるだろうね」
「猶更目が覚めててよかったよ」
「瘴王様を助けに来た僕としては最悪な展開だけどね。でも、君は何故浄化の力を使わなかったんだい?僕に腹パンをした時に浄化の奇跡を使えば簡単に倒す事が出来ただろう?」
「もう使えないんだよ・・・」
「使えないって・・・浄化の奇跡がかい?」
「ああ、もう浄化の女神様に対する信仰心なんか僕の中には存在しないんだよ」
最高の信仰者の証である真っ白な瞳は瘴気のような灰色になってしまっていた。そして顔もかなりやさぐれていた。
「君も瘴族なら知っているだろう?瘴気の正体が何なのか?瘴気はどうして発生するのか」
「ああ・・・成程。だから君は信仰心を失ってしまったのか。納得がいったよ」
「知っているんならその口で答えろよ。勿体ぶられるのが一番嫌いなんだ」
「ふふ、君ちょっと瘴王様に似てるかも?同じ魂だと人格も少しは似るのかな?おっと、無駄な話をしちゃったね。君も知っているとは思うが、瘴気とは妬み恨み怒り等の負の感情と大地に眠る魔力が混ぜ合わさった代物だ。つまりは生物と自然の合作ってわけさ」
「道理でどんなに浄化をしても消えないわけだ。ゴッズステイで瘴気があまり発生しないのも、神々がなるべく抑えていたからだろう?」
「そうだね。だからこんなにも濃い瘴気が発生していた。ゴッズステイ外ではこんなに濃くは無いんだよ?」
つまり、今回を含めた計4回の瘴気騒動は後回しにし続けた結果の産物だったというわけだ。
「君は何か生き物を飼った事はあるかい?」
「無いかな?」
「そうか。でも、この例えはきっと分かりやすいだろう。君はペットを飼っていたらそれなりに愛するしっかりと世話をするだろうからね。個人差はあるが、ペットを飼った場合、逃げない為や他の存在に弄ばれないように籠に入れたり檻の中に入れると思うんだ」
「つまり僕達人間が神々にとってのペットでしかないという事だ」
「そうさ。そして、第三次瘴気騒動から今まで瘴気を抑えてきたのは浄化の神一柱だけ。これが何を意味するのか賢い君になら分かるよね?」
「神々に飽きられた」
「正解っ♪」
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