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五章 親の代わり
114話 奥にあるモノ
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「浄化の神殿は190年前に建てられたんじゃよな?つまりは第三次瘴気騒動の後に建てられたというわけじゃ」
当時は浄化の眷属はゴッズステイの中でも少人数であったが、第三次にて眷属達が瘴族達を多く倒したおかげで信者が増え、神殿を建てることができたらしい。
「しかもここは瘴族と人類の最終決戦地だったと聞きます」
「よく勉強しておるの。その通りじゃ。詳細は言えるか?」
「えっと・・・瘴王と勇者が一騎打ちで決着がついたと聞いています」
「その通り!そして瘴族の特徴を答えてみよ。奴らは死んだ後、どうなる?」
「体は灰になって、魂は地中深くへと戻っていく・・・まさか」
「賢いの。わしが考えている事を言う前に汲み取ってくれる。だが、一応口に出して答え合わせしてみようか」
「はい。倒れた瘴王は地中深くに戻っていき、休眠を始めた瘴王を浄化の女神様が封印。そのおかげで瘴王は出なくなったけど・・・」
「瘴気は未だに出続けている」
僕と考えている事は同じだった。つまりこの先にいるのは浄化の女神様ではなく、封印された瘴王。浄化の神殿はこのダンジョンから漏れ出す瘴気を封じ込めるフタだったんだ!
「浄化の女神様はいない・・・けど、流石にこの量の瘴気を放っておくわけにはいかない。一旦奥に行ってからどうするかを考えよう。トキもいいかな?」
「わたしは良いと思う。でも、本当に奥で待ってるのは瘴族の王様なのかな?」
「浄化の女神様もいる可能性はあるけど、限りなく低いんじゃないかな?こんな瘴気の溢れる場所には」
「でも、ガルのお母さんって事はガルみたいに瘴気に対して耐性を持っていてもおかしくはないんじゃないかな?」
「確かに・・・」
「それに、神様が地下に潜ってるって少し不自然じゃない?神様は天から人間を見守る存在なのに」
「となると、地下にいる浄化の女神様は何らかの事情があってダンジョンにいるって事?」
「うん。多分だけど、封印したのは瘴気の穴なんじゃないかな?自分の身を犠牲にした封印。それだったら地上に戻ってこれないのも辻妻が合うと思わない?」
「確かにあり得そうだけど、どうしてそう思うの?」
「ここの瘴気を吸ってみたの。確かに普通の瘴気と比べてとても濃いんだけど、量が少ないの。それに、押し寄せてきた勢いなんかブレ洞窟とあんまり変わらなかった」
「トキはつまり、封印してたけど限界が来てつい最近から漏れ始めたって言いたいの?」
「うん。神様でもきっと限界はあると思うの」
「それが当たっているなら・・・早くしないと浄化の女神様が死んじゃうって事?」
「・・・多分」
「それは考えられる中で1番最悪なパターンじゃな。女神が死んでしまっては瘴気への対抗策がなくなるぞ」
「急がなきゃ・・・!」
だいぶ危機感を感じたガルは奥へと進んでいった。
当時は浄化の眷属はゴッズステイの中でも少人数であったが、第三次にて眷属達が瘴族達を多く倒したおかげで信者が増え、神殿を建てることができたらしい。
「しかもここは瘴族と人類の最終決戦地だったと聞きます」
「よく勉強しておるの。その通りじゃ。詳細は言えるか?」
「えっと・・・瘴王と勇者が一騎打ちで決着がついたと聞いています」
「その通り!そして瘴族の特徴を答えてみよ。奴らは死んだ後、どうなる?」
「体は灰になって、魂は地中深くへと戻っていく・・・まさか」
「賢いの。わしが考えている事を言う前に汲み取ってくれる。だが、一応口に出して答え合わせしてみようか」
「はい。倒れた瘴王は地中深くに戻っていき、休眠を始めた瘴王を浄化の女神様が封印。そのおかげで瘴王は出なくなったけど・・・」
「瘴気は未だに出続けている」
僕と考えている事は同じだった。つまりこの先にいるのは浄化の女神様ではなく、封印された瘴王。浄化の神殿はこのダンジョンから漏れ出す瘴気を封じ込めるフタだったんだ!
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「わたしは良いと思う。でも、本当に奥で待ってるのは瘴族の王様なのかな?」
「浄化の女神様もいる可能性はあるけど、限りなく低いんじゃないかな?こんな瘴気の溢れる場所には」
「でも、ガルのお母さんって事はガルみたいに瘴気に対して耐性を持っていてもおかしくはないんじゃないかな?」
「確かに・・・」
「それに、神様が地下に潜ってるって少し不自然じゃない?神様は天から人間を見守る存在なのに」
「となると、地下にいる浄化の女神様は何らかの事情があってダンジョンにいるって事?」
「うん。多分だけど、封印したのは瘴気の穴なんじゃないかな?自分の身を犠牲にした封印。それだったら地上に戻ってこれないのも辻妻が合うと思わない?」
「確かにあり得そうだけど、どうしてそう思うの?」
「ここの瘴気を吸ってみたの。確かに普通の瘴気と比べてとても濃いんだけど、量が少ないの。それに、押し寄せてきた勢いなんかブレ洞窟とあんまり変わらなかった」
「トキはつまり、封印してたけど限界が来てつい最近から漏れ始めたって言いたいの?」
「うん。神様でもきっと限界はあると思うの」
「それが当たっているなら・・・早くしないと浄化の女神様が死んじゃうって事?」
「・・・多分」
「それは考えられる中で1番最悪なパターンじゃな。女神が死んでしまっては瘴気への対抗策がなくなるぞ」
「急がなきゃ・・・!」
だいぶ危機感を感じたガルは奥へと進んでいった。
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