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五章 親の代わり
110話 どこにある?
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それから丸3日間、皆と一緒に浄化のダンジョンへと続く道を探し続けたが、結局は見つからなかった。
「おい、本の爺さん。あんなに活き込んでおいてこのざまかよ。恥ずかしくないのか?」
「うるさい!わしだって恥ずかしいんじゃから黙っておれ!!」
「羞恥心とかあったんだ!!」
「当たり前じゃ!!これでも元人間じゃぞ!!」
「・・・忘れてた」
「おぉい!そこは忘れるでない!!」
何もつかめず見つからずでもストレスが溜まらないのは、オルタ副団長とフレディさんのコントのような会話のお陰だろう。ウル神父は存在すると言っていたけれども、あくまで伝言ゲームで伝えられてきた話。途中で他の都市伝説と同じように改変されてしまったのではないだろうか?
いや、その可能性が高いな。だって、浄化の女神様が本当に僕に来てほしいなら、場所までしっかりと話しているはずだ。それなのに、女神様は場所の詳細どころかアバウトな場所すら教えてくれなかった。
もしかして、そのまんまの意味ではなくて何かの暗号だったのではないだろうか?並び替えたら本当の道を示してくれるとか・・・。
捜索が長引いた結果、ガルの心には雑念が生まれていた。見つからないイライラと、不安を解消したいが故の無意識での思考だろう。
「あれ?僕何を考えているんだろう・・・」
しかし、ずっと無意識というわけではない。ふとしたタイミングで我に返る。丁度今、我に返ったみたいだ。
「駄目だダメだ・・・雑念が頭を支配している。眠っているのにどうして・・・」
同じ作業かつ進展が無いとどんなに寝てても食事を取っていてもストレスというのは溜まっていくものである。ガルにとってそれは初めての出来事ではない。
なので、こんな時にどうすれば良いのかも分かっている。現状の彼の心の平穏を取り戻す方法。それは、主への祈りである。祈りには集中力が必須となる。祈りに向ける集中力で他の雑念を強引に吹き飛ばすのだ。
「ごめん。ちょっと休んでくるねトキ」
「それじゃあ、わたしも一緒に休もうかな・・・」
「良いの?休むって言っても雑念を払うために祈りを捧げるだけだけど・・・」
「うん、それでも良いよ。ガルといたいから」
「わ、分かった。そこまで言うなら・・・」
浄化の眷属ではない彼女にとって暇以外のなにものでもないはずだが・・・望み通りにさせてあげよう。
そして折角神殿にいるんだ。女神様の神像の前で久しぶりに祈りを捧げよう。
こうしてガルとトキは作業をいったん中止して休憩という名の祈りに向かった。
「おい、本の爺さん。あんなに活き込んでおいてこのざまかよ。恥ずかしくないのか?」
「うるさい!わしだって恥ずかしいんじゃから黙っておれ!!」
「羞恥心とかあったんだ!!」
「当たり前じゃ!!これでも元人間じゃぞ!!」
「・・・忘れてた」
「おぉい!そこは忘れるでない!!」
何もつかめず見つからずでもストレスが溜まらないのは、オルタ副団長とフレディさんのコントのような会話のお陰だろう。ウル神父は存在すると言っていたけれども、あくまで伝言ゲームで伝えられてきた話。途中で他の都市伝説と同じように改変されてしまったのではないだろうか?
いや、その可能性が高いな。だって、浄化の女神様が本当に僕に来てほしいなら、場所までしっかりと話しているはずだ。それなのに、女神様は場所の詳細どころかアバウトな場所すら教えてくれなかった。
もしかして、そのまんまの意味ではなくて何かの暗号だったのではないだろうか?並び替えたら本当の道を示してくれるとか・・・。
捜索が長引いた結果、ガルの心には雑念が生まれていた。見つからないイライラと、不安を解消したいが故の無意識での思考だろう。
「あれ?僕何を考えているんだろう・・・」
しかし、ずっと無意識というわけではない。ふとしたタイミングで我に返る。丁度今、我に返ったみたいだ。
「駄目だダメだ・・・雑念が頭を支配している。眠っているのにどうして・・・」
同じ作業かつ進展が無いとどんなに寝てても食事を取っていてもストレスというのは溜まっていくものである。ガルにとってそれは初めての出来事ではない。
なので、こんな時にどうすれば良いのかも分かっている。現状の彼の心の平穏を取り戻す方法。それは、主への祈りである。祈りには集中力が必須となる。祈りに向ける集中力で他の雑念を強引に吹き飛ばすのだ。
「ごめん。ちょっと休んでくるねトキ」
「それじゃあ、わたしも一緒に休もうかな・・・」
「良いの?休むって言っても雑念を払うために祈りを捧げるだけだけど・・・」
「うん、それでも良いよ。ガルといたいから」
「わ、分かった。そこまで言うなら・・・」
浄化の眷属ではない彼女にとって暇以外のなにものでもないはずだが・・・望み通りにさせてあげよう。
そして折角神殿にいるんだ。女神様の神像の前で久しぶりに祈りを捧げよう。
こうしてガルとトキは作業をいったん中止して休憩という名の祈りに向かった。
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