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四章 正義とは?
108話 ウル神父の激白
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「こ、これは流石のアタシでも効くねぇぇぇ・・・ほら。崩壊が始まってきた。体もロクに動きやしない。もうおしまいだよ」
「いいや、アンタ凄いよ。全力を喰らったクレオジタスは即死だったのに、アンタはまだ喋れている」
「クレオジタスまでやられちまったのかい!?まあ、耐久面で言うならアイツは紙だから仕方ないか・・・後はバックスに任せる事にしようかね・・・」
「バックス・・・あの時最初に出てきた瘴族の事か?」
「ふふふ、そうだよ」
「死ぬ前にどんな奴か教えてくれ。それと、任せるって何をなんだ?」
そもそも、これまであんまり活動していなかったのにどうして急に浄化の神殿を襲うような行動を取ったのかすら分からない。
他の瘴族達は僕が浄化の奇跡を発動した途端に闇夜に消えてしまったので、聞けるのはシェルターメンしかいない。
「それは・・・アンタが1番知っているんじゃないかい?」
「は?どういう事だ?僕は何も知らない。君達の事なんて全く分からない」
「ふふふ、それはアンタが忘れている・・・いや、記憶を奪われただけにすぎないさ。取り返しなアンタのお母さん、浄化の女神から」
「ますます言っている事が分からない!僕の母が浄化の女神様?それはどういう意味なんだ!?もしそのままの意味だというのなら、どうしてそんな事が分かるんだ!」
「瘴気を浴びても汚染されない魂・・・そして、最高レベルの浄化の眷属。以上の2つからアタシが考察したに過ぎないよ。あとはそうだね・・・育ての親にでも聞いてみたら分かるんじゃないかね?」
育ての親・・・ウル神父に聞いて何が分かるというのだろうか。
「それじゃあね。楽しかったよ」
そう言い残すと、シェルターメンは他の瘴族や魔物と同じように灰となって消え去ってしまった。勝ったはずなのに最後の発言が気になって全く喜ぶ気分になれない。その状態のまま僕は足早にウル神父の元へと歩いて行った。
「ウル神父、僕とシェルターメンの話聞いてましたよね?」
「はい、聞いていましたよ。そして彼女の言う通り私は貴方の事について知っています」
「浄化の女神様の子。これには一体どういう意味があるんですか?」
「そのまんまの意味ですガル。貴方は捨て子なんかじゃない。浄化の女神様が産み落とした子供なんです」
「・・・え?」
頭の中が真っ白になっていくのが分かる。僕が女神様の息子?どうしてそんな事が分かるんだ?
「実際に君が神殿の前にいたというのは本当です。隠していたのは、君を抱きかかえた時に起きた事なんです」
ウル神父は申し訳なさそうに15年前の話を始めた。
「いいや、アンタ凄いよ。全力を喰らったクレオジタスは即死だったのに、アンタはまだ喋れている」
「クレオジタスまでやられちまったのかい!?まあ、耐久面で言うならアイツは紙だから仕方ないか・・・後はバックスに任せる事にしようかね・・・」
「バックス・・・あの時最初に出てきた瘴族の事か?」
「ふふふ、そうだよ」
「死ぬ前にどんな奴か教えてくれ。それと、任せるって何をなんだ?」
そもそも、これまであんまり活動していなかったのにどうして急に浄化の神殿を襲うような行動を取ったのかすら分からない。
他の瘴族達は僕が浄化の奇跡を発動した途端に闇夜に消えてしまったので、聞けるのはシェルターメンしかいない。
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「は?どういう事だ?僕は何も知らない。君達の事なんて全く分からない」
「ふふふ、それはアンタが忘れている・・・いや、記憶を奪われただけにすぎないさ。取り返しなアンタのお母さん、浄化の女神から」
「ますます言っている事が分からない!僕の母が浄化の女神様?それはどういう意味なんだ!?もしそのままの意味だというのなら、どうしてそんな事が分かるんだ!」
「瘴気を浴びても汚染されない魂・・・そして、最高レベルの浄化の眷属。以上の2つからアタシが考察したに過ぎないよ。あとはそうだね・・・育ての親にでも聞いてみたら分かるんじゃないかね?」
育ての親・・・ウル神父に聞いて何が分かるというのだろうか。
「それじゃあね。楽しかったよ」
そう言い残すと、シェルターメンは他の瘴族や魔物と同じように灰となって消え去ってしまった。勝ったはずなのに最後の発言が気になって全く喜ぶ気分になれない。その状態のまま僕は足早にウル神父の元へと歩いて行った。
「ウル神父、僕とシェルターメンの話聞いてましたよね?」
「はい、聞いていましたよ。そして彼女の言う通り私は貴方の事について知っています」
「浄化の女神様の子。これには一体どういう意味があるんですか?」
「そのまんまの意味ですガル。貴方は捨て子なんかじゃない。浄化の女神様が産み落とした子供なんです」
「・・・え?」
頭の中が真っ白になっていくのが分かる。僕が女神様の息子?どうしてそんな事が分かるんだ?
「実際に君が神殿の前にいたというのは本当です。隠していたのは、君を抱きかかえた時に起きた事なんです」
ウル神父は申し訳なさそうに15年前の話を始めた。
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