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四章 正義とは?
106話 一撃が即死級
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「そうか、アンタがシェルターメンだったのか」
「どこで聞いたのか分からないけど、アタシがシェルターメンだよ!!今からアンタを殺す者の名前だ!しっかりと覚えな!!」
全長が僕の身長以上ある斧を片手で振り回している。遠心力を追加して放った一撃は刃が一気に地面に埋もれてしまう程だ。
好機と見て剣を振るうが、シェルターメンは一瞬で斧を地面から引っこ抜き、僕の剣を防いでしまった。
「人間と同じと思って貰っちゃ困るよ。あの程度のめり込みなんざ一瞬だよ」
「そうだったね、忘れてたよ。アンタの特殊能力は怪力で良いのかな?」
「それも能力の1つだね」
「随分とヒントをくれるね。ハンデのつもり?」
「そうだね・・・そうだよ」
明らかな挑発。しかし、情報の開示がありがたい事には変わりない。
今度は足を狙った水平の一撃が襲ってくる。僕はそれを飛んでは避けずに盾で受け止めて見せた。
「何ぃ!?」
これはシェルターメンも予想外だったみたいだ。実際に盾を付けている腕はビリビリと電気が走っているようにしびれているし、何なら骨にも恐らくヒビが入っている。避ける事も出来たのにこんなにも無謀な方法を取ったのは、全ては攻撃を入れる為だ。
「もらったぁ!!」
剣を逆手に持ち替え、斧を持つ腕に剣を突き刺そうとする。しかし、思い切り力を込めたにも関わらず。刃は筋肉どころか皮膚すら貫通せず、リリィ姉さんの剣の先端は折れてしまった。
「硬い・・・!!」
姉さんの剣を追ってしまったことよりもショックだったのがシェルターメンの皮膚の硬さだ。まるでドワーフが鍛え上げた金属製の鎧のように硬かった。何なんだあの硬さは!あれこそがシェルターメンのもう1つの能力だと言うのか?
「詰めが甘いねっ!」
「うぐっ・・・!!」
シェルターメンの右こぶしが右脇腹に入る。肋骨が折れて、折れた骨が内臓に刺さっていくのが感覚として分かる。
痛くて呼吸が全くできない。意識が薄れていく。しかし、今は決闘の最中。ここで意識を失ったら僕の負け。僕は殺され皆も殺されるだろう。
そう思った途端、視界が明瞭になり負けん気が体の底から溢れ出す。気合に近い意識の保ち方で魔力を練り上げ、折れた骨を元の位置に戻し、穴の開いた内臓を治癒魔術で塞いで見せた。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
一命をとりとめたが、本当に危なかった。一撃でああなってしまったが、シェルターメンは特別な攻撃をしたわけではない。ただシンプルに僕を殴っただけ。通常攻撃だ。
つまり彼女の攻撃1つ1つが致命傷になるという事。次が即死してもおかしくない。
「タフだね。人間の体のくせして」
「いいや違う。単に負けられないだけだよ」
「どこで聞いたのか分からないけど、アタシがシェルターメンだよ!!今からアンタを殺す者の名前だ!しっかりと覚えな!!」
全長が僕の身長以上ある斧を片手で振り回している。遠心力を追加して放った一撃は刃が一気に地面に埋もれてしまう程だ。
好機と見て剣を振るうが、シェルターメンは一瞬で斧を地面から引っこ抜き、僕の剣を防いでしまった。
「人間と同じと思って貰っちゃ困るよ。あの程度のめり込みなんざ一瞬だよ」
「そうだったね、忘れてたよ。アンタの特殊能力は怪力で良いのかな?」
「それも能力の1つだね」
「随分とヒントをくれるね。ハンデのつもり?」
「そうだね・・・そうだよ」
明らかな挑発。しかし、情報の開示がありがたい事には変わりない。
今度は足を狙った水平の一撃が襲ってくる。僕はそれを飛んでは避けずに盾で受け止めて見せた。
「何ぃ!?」
これはシェルターメンも予想外だったみたいだ。実際に盾を付けている腕はビリビリと電気が走っているようにしびれているし、何なら骨にも恐らくヒビが入っている。避ける事も出来たのにこんなにも無謀な方法を取ったのは、全ては攻撃を入れる為だ。
「もらったぁ!!」
剣を逆手に持ち替え、斧を持つ腕に剣を突き刺そうとする。しかし、思い切り力を込めたにも関わらず。刃は筋肉どころか皮膚すら貫通せず、リリィ姉さんの剣の先端は折れてしまった。
「硬い・・・!!」
姉さんの剣を追ってしまったことよりもショックだったのがシェルターメンの皮膚の硬さだ。まるでドワーフが鍛え上げた金属製の鎧のように硬かった。何なんだあの硬さは!あれこそがシェルターメンのもう1つの能力だと言うのか?
「詰めが甘いねっ!」
「うぐっ・・・!!」
シェルターメンの右こぶしが右脇腹に入る。肋骨が折れて、折れた骨が内臓に刺さっていくのが感覚として分かる。
痛くて呼吸が全くできない。意識が薄れていく。しかし、今は決闘の最中。ここで意識を失ったら僕の負け。僕は殺され皆も殺されるだろう。
そう思った途端、視界が明瞭になり負けん気が体の底から溢れ出す。気合に近い意識の保ち方で魔力を練り上げ、折れた骨を元の位置に戻し、穴の開いた内臓を治癒魔術で塞いで見せた。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
一命をとりとめたが、本当に危なかった。一撃でああなってしまったが、シェルターメンは特別な攻撃をしたわけではない。ただシンプルに僕を殴っただけ。通常攻撃だ。
つまり彼女の攻撃1つ1つが致命傷になるという事。次が即死してもおかしくない。
「タフだね。人間の体のくせして」
「いいや違う。単に負けられないだけだよ」
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