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四章 正義とは?
103話 水を差すな
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「なっ!おいおい!奇跡は使わないんじゃなかったのか!セコイ真似してくれんなぁ!おい!!」
「ち、違う!これは僕の意思じゃない!お願い逃げて!!」
「はぁ!?お前の意思じゃないってどういう事だ?奇跡は自分の意思でしか使えないだろう?・・・いや、そうか。お前は特別だったな」
「そんな事は今どうでも良いから早く逃げて!」
「そうかぁ・・・やっぱり自分の息子は可愛いってわけか。男同士の正々堂々の勝負に水を差しやがって」
彼が何を言っているのかよく分からないが、すでに離れようとしない事だけは分かった。
「よく聞け浄化の神の子。俺はもう助からない。お前に忠告された時点で走ってても多分助からなかったと思う」
「そんな・・・」
「悲しい顔をするな。死ぬ事はない。きっと痛いだろうけどな。知ってるか?浄化の奇跡って痛いんだぜ。全身を小さな針で無数に刺されたような感覚だ。まあ、もう2回やられてるわけだから慣れてるけどな」
彼は死ぬ事に関しては悲観はしていなかった。彼にとって今回の死は永遠のお別れではないからだ。時間はかかるがまた生き返る事ができるが故の反応だろう。
「別れの間際にいう言葉ではないが、お前レールに敷かれた人生を歩んできたな?各地で行ってきた浄化活動というのも頼まれたやった感じだ」
「どうしてそれを?」
「目を見れば分かる。若輩者の目だ。青二才の表情をしてる。別に人にレールを敷かれる事は悪いことばかりじゃねぇが、レールをしかれたらその上を歩かなきゃいけないわけじゃねぇ」
浄化活動、よく考えてみたら行くと決めたのは誰だ?ウル神父だ。僕は人の助けになるならとよく考えずに了承して旅に出た。
それだけじゃない。僕はこれまで自分で考えた事がまるでない。魔物を殺してきたのも自分の判断ではなく、本能が殺せというから従ってきただけにすぎない。
僕は人間として何も成長しちゃいない」
「お前に敷かれたレール。果たして正しいのか間違っているのかは自分で考えな。そしてその結果を見て判断しろ。お前は神の操り人形なんかじゃねぇぞ」
体から溢れる光が強くなっていく。もう自分では抑える事ができない。
「ダメだ!もう・・・!!」
「じゃあな。ここ1000年で最高の戦士だったぞお前は」
「うわぁぁあああああ!!」
浄化の光が解き放たれる。眩しくて目が開けられない。治った所でゆっくりと目を開くと、僕の体は灰で汚れており、その真横には彼の使っていた戦鎚が落ちていた。
「ち、違う!これは僕の意思じゃない!お願い逃げて!!」
「はぁ!?お前の意思じゃないってどういう事だ?奇跡は自分の意思でしか使えないだろう?・・・いや、そうか。お前は特別だったな」
「そんな事は今どうでも良いから早く逃げて!」
「そうかぁ・・・やっぱり自分の息子は可愛いってわけか。男同士の正々堂々の勝負に水を差しやがって」
彼が何を言っているのかよく分からないが、すでに離れようとしない事だけは分かった。
「よく聞け浄化の神の子。俺はもう助からない。お前に忠告された時点で走ってても多分助からなかったと思う」
「そんな・・・」
「悲しい顔をするな。死ぬ事はない。きっと痛いだろうけどな。知ってるか?浄化の奇跡って痛いんだぜ。全身を小さな針で無数に刺されたような感覚だ。まあ、もう2回やられてるわけだから慣れてるけどな」
彼は死ぬ事に関しては悲観はしていなかった。彼にとって今回の死は永遠のお別れではないからだ。時間はかかるがまた生き返る事ができるが故の反応だろう。
「別れの間際にいう言葉ではないが、お前レールに敷かれた人生を歩んできたな?各地で行ってきた浄化活動というのも頼まれたやった感じだ」
「どうしてそれを?」
「目を見れば分かる。若輩者の目だ。青二才の表情をしてる。別に人にレールを敷かれる事は悪いことばかりじゃねぇが、レールをしかれたらその上を歩かなきゃいけないわけじゃねぇ」
浄化活動、よく考えてみたら行くと決めたのは誰だ?ウル神父だ。僕は人の助けになるならとよく考えずに了承して旅に出た。
それだけじゃない。僕はこれまで自分で考えた事がまるでない。魔物を殺してきたのも自分の判断ではなく、本能が殺せというから従ってきただけにすぎない。
僕は人間として何も成長しちゃいない」
「お前に敷かれたレール。果たして正しいのか間違っているのかは自分で考えな。そしてその結果を見て判断しろ。お前は神の操り人形なんかじゃねぇぞ」
体から溢れる光が強くなっていく。もう自分では抑える事ができない。
「ダメだ!もう・・・!!」
「じゃあな。ここ1000年で最高の戦士だったぞお前は」
「うわぁぁあああああ!!」
浄化の光が解き放たれる。眩しくて目が開けられない。治った所でゆっくりと目を開くと、僕の体は灰で汚れており、その真横には彼の使っていた戦鎚が落ちていた。
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