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四章 正義とは?
101話 対立
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「ガル?誰だそれは?」
「あ、あいつまさかシェルターメン様が言っていた浄化の神の子なんじゃないのか?」
「ま、まさかそんなわけ・・・あるか」
「あるだろ!だって浄化の神殿襲ってるんだから!!」
「さっきの浄化の奇跡はアイツから放たれたのか?あんなの食らったら一撃で死んでしまうぞ!!」
一方で、先程の広範囲高威力の浄化の奇跡を見た瘴族の士気は低下。僕を恐怖の対象として見ている。
僕はそれを嬉々として受け入れた。
「次は誰から浄化されたい?」
笑みを浮かべて言ってみると瘴族は狼狽え始め、中には逃げ出す者もいた。不死身とはいえ、死への恐怖は変わらないんだろう。
「・・・俺が相手になろう」
逃げ惑う瘴族が多数の中、川の流れの逆らうように僕の目の前に立ち塞がったのは、巨漢の瘴族。手には人の頭を完全につぶす事が出来るであろう巨大なハンマーが握られている。
「勇敢だな」
「他が情けないだけだ。この後の事も分からずに恐怖だけで逃げるアイツらがな」
「なあ、あんたも元は人間なんだろう?耳とかには特徴が無いから元ヒュームか」
「瘴族についてかなり調べあげたみたいだな。その通りだ。俺は今から約1000年前に瘴気を浴び、生まれ変わった」
「元人間なら、なぜ僕らと敵対するんだ?」
「元人間だったら、なぜ手を取り合わなければならないんだ?ゴッズステイの外では人間同士で殺し合っているんだぞ」
「その人達だって、別に戦いたくて戦っているわけではないはずだ。食力不足や土地不足。迫害から免れる為に仕方なく戦っている人が大多数だ」
「ふん、なるほど。理由があると言うわけか。それならこちらにも理由がある」
「なんだ?」
「俺達は瘴気によって生き方を変えられてしまった。最早瘴気なしでは生きられなくなってしまった。だが、お前らが瘴気を拒み排除するせいで俺達は地上で暮らす事ができない。だから、俺はお前達と戦う」
「それが理由か?」
「ああ、逆にそれ以外あると思うか?黙って聞いていれば正義面しやがって。俺らから見たらそっちの方が断然悪だ。数百人しかいない種族を復活直後に根絶やしにしようと襲ってくる悪魔だ」
「あく、ま・・・」
「動揺しているのか?まさか、お前本当に自分が正義の為に戦っていると思っていたのか?だとしたら笑えるな。そして、腹が立ってくるな。そんな奴に同胞が何人も殺されたと思うと腹が煮えくり帰りそうだ!!」
別に正義の為とかは思った事はない。無い・・・はずなのに、体はなぜか動揺を隠せずにいた。
「あ、あいつまさかシェルターメン様が言っていた浄化の神の子なんじゃないのか?」
「ま、まさかそんなわけ・・・あるか」
「あるだろ!だって浄化の神殿襲ってるんだから!!」
「さっきの浄化の奇跡はアイツから放たれたのか?あんなの食らったら一撃で死んでしまうぞ!!」
一方で、先程の広範囲高威力の浄化の奇跡を見た瘴族の士気は低下。僕を恐怖の対象として見ている。
僕はそれを嬉々として受け入れた。
「次は誰から浄化されたい?」
笑みを浮かべて言ってみると瘴族は狼狽え始め、中には逃げ出す者もいた。不死身とはいえ、死への恐怖は変わらないんだろう。
「・・・俺が相手になろう」
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「勇敢だな」
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「ふん、なるほど。理由があると言うわけか。それならこちらにも理由がある」
「なんだ?」
「俺達は瘴気によって生き方を変えられてしまった。最早瘴気なしでは生きられなくなってしまった。だが、お前らが瘴気を拒み排除するせいで俺達は地上で暮らす事ができない。だから、俺はお前達と戦う」
「それが理由か?」
「ああ、逆にそれ以外あると思うか?黙って聞いていれば正義面しやがって。俺らから見たらそっちの方が断然悪だ。数百人しかいない種族を復活直後に根絶やしにしようと襲ってくる悪魔だ」
「あく、ま・・・」
「動揺しているのか?まさか、お前本当に自分が正義の為に戦っていると思っていたのか?だとしたら笑えるな。そして、腹が立ってくるな。そんな奴に同胞が何人も殺されたと思うと腹が煮えくり帰りそうだ!!」
別に正義の為とかは思った事はない。無い・・・はずなのに、体はなぜか動揺を隠せずにいた。
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