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四章 正義とは?
99話 3度目の邂逅
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瘴族の主な特徴として挙げられるのは、植物のような再生力と、サイクロプスのような怪力。そして、ごく稀に特殊能力を持っている事だ。
だが、これらは大気中の瘴気の濃さによって大きく変化する。現在のゴッズステイには瘴気が蔓延はしているものの、地域ごとにばらつきが存在する。そして、今いる場所はそんなばらつきのある場所でも特に瘴気が薄い場所だ。
「アンタらも少し頭が足りてないみたいだね。ここはアンタらの天敵である浄化の眷属が近くにいる場所で人間狩りをするだなんてな」
「お、おい!コイツまさかシェルターメン様が言っていた神の子じゃないのか?」
「さっきの浄化の奇跡の威力と言い、あの目の色。間違いない!浄化の神の子だ!!」
「やっぱり逃げろ!!戦闘面では俺らとは比べ物にならないだろうが、神への言葉無しで瘴族を一瞬で屠れる浄化の奇跡はあまりにも厄介すぎる!」
「逃げろ!!」
先程までは戦う気満々だった瘴族の2人は尻尾を巻いて浄化の神殿方向に逃げてしまった。
「シェルターメン?浄化の神の子?」
シェルターメンという独特な名前は恐らく三幹部のうちの1人の名前だろう。瘴族はすでにある程度は合流して群れを成しているみたいだ。
だが、浄化の神の子とは一体何のことだろうか?僕はただの浄化の眷属に過ぎないのだが・・・。
「はぁ・・・はぁ・・・た、助かった。またまた助けられるだなんてな。ここまでくると運が良いのか悪いのか分からなくなってしまうな」
「またまた会いましたね。最早安心感がありますよ」
襲われていたハーフリングの旅商人は以前2度助けた事のある顔なじみの旅商人だった。まあ、一度も商品を買った事は無いけれども。
「いつかは現れると思ったけれど、ついに現れたな。瘴族。お陰で安全だった商売が死と隣り合わせの危険な職業になっちまったよ」
「なるべく早く僕らが収束させますのでそれまで頑張ってください」
「そうだな。だが、俺も自分の身は自分で守らないといけない。なので、浄化の神殿に来たわけなんだ」
成程。瘴気溢れる現在では、浄化の神殿が一番安全かもしれない。瘴気への唯一の対抗手段である浄化の眷属が多く在籍しているので魔物も瘴族もやたら無闇には近づけないはずだ。
「だけど・・・どうやらあては外れたみたいでな。今浄化の神殿は瘴族に囲まれて防戦を強いられているよ」
「「「「ええっ!?」」」」
2人の瘴族が浄化の神殿方向に逃げた理由はそれだったのか。それよりも今は────
「ウル神父が危ない・・・!!」
「あっ!ちょっとそっちは危ないって!!」
「危なくても家を心配するのが人のサガだ!それじゃあ、達者でな!旅商人!」
「あ、ああ!そっちこそ死なないでくれよー!恩人達ぃぃぃぃぃ!!」
ガルは獲物を捉えた狼のように浄化の神殿へと急いだ。
だが、これらは大気中の瘴気の濃さによって大きく変化する。現在のゴッズステイには瘴気が蔓延はしているものの、地域ごとにばらつきが存在する。そして、今いる場所はそんなばらつきのある場所でも特に瘴気が薄い場所だ。
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「お、おい!コイツまさかシェルターメン様が言っていた神の子じゃないのか?」
「さっきの浄化の奇跡の威力と言い、あの目の色。間違いない!浄化の神の子だ!!」
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「逃げろ!!」
先程までは戦う気満々だった瘴族の2人は尻尾を巻いて浄化の神殿方向に逃げてしまった。
「シェルターメン?浄化の神の子?」
シェルターメンという独特な名前は恐らく三幹部のうちの1人の名前だろう。瘴族はすでにある程度は合流して群れを成しているみたいだ。
だが、浄化の神の子とは一体何のことだろうか?僕はただの浄化の眷属に過ぎないのだが・・・。
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「またまた会いましたね。最早安心感がありますよ」
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「なるべく早く僕らが収束させますのでそれまで頑張ってください」
「そうだな。だが、俺も自分の身は自分で守らないといけない。なので、浄化の神殿に来たわけなんだ」
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「だけど・・・どうやらあては外れたみたいでな。今浄化の神殿は瘴族に囲まれて防戦を強いられているよ」
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「ウル神父が危ない・・・!!」
「あっ!ちょっとそっちは危ないって!!」
「危なくても家を心配するのが人のサガだ!それじゃあ、達者でな!旅商人!」
「あ、ああ!そっちこそ死なないでくれよー!恩人達ぃぃぃぃぃ!!」
ガルは獲物を捉えた狼のように浄化の神殿へと急いだ。
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