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四章 正義とは?
98話 正しい瘴族の殺し方
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何処もかしこも瘴気の発生が酷く、結局図書館を出てから1ヶ月半が経過しているのにまだ浄化の神殿に到着していなかった。
一個の瘴気の穴を塞ぐにあたっての効率は確実に上がっている。僕らの経験を重ねたのと、知識人であるフレディさんが参加してくれているからだ。
フレディさんのいざとなったらの魔術は破壊力が凄まじく使う場所は限られるが、奥の手を持っているだけでこんなにも気持ちを楽にして戦えるとは思わなかった。
ここまで良い事づくしだが、浄化活動で良い事なんて悪い事と比べたらカス程度しか存在しない。1週間前によった村なんて1人を除いて全滅していたし、3日前によった集落では、瘴気にのまれたきり行方不明の人もいる。そのなのに魔物の群れの中には行方不明者はいなかった。なんでも、村一番の戦士だったとか。
「もしかしたら、瘴族となってしまった可能性があるかもしれんの」
「やっぱりある程度強い事も条件に入っているんでしょうか?」
「そうかもしれんの。とにかく、条件はこれから先も分かる事はないじゃろうから、見つけ次第戦うんじゃぞ」
旅の商人と何回か出くわす事があるのだが、その中にしっかりと意識を持った状態で話しかけてきた背信者が数人いたらしい。それは恐らく背信者ではなく、瘴族だ。ついに三幹部以外の瘴族も動き出したみたいだ。
「本格的に第四次瘴気騒動の幕が開き始めたって事だな。大きな町により次第、そこの騎士団に話でもつけておこう。覚悟して戦った方が断然良いからな」
「そうですね。見つけ次第殺す様にお願いしましょう。元人間である事は隠して確実に。例えばこんな風に!」
ガルは突然走り始めてしまった。3人は驚きつつも視線を向けると、視線の先では額にツノを生やした灰色の人間がハーフリングの旅商人に襲い掛かっていた。間違いない、瘴族だ。
数にして3人。得物は剣と斧と杖。戦士2人と魔術師1人のバランスの取れたチームになっている。この場合、まず最初に潰すべきなのは遠距離攻撃の手段を有している魔術師から。
「なっ!何者だ貴さm────」
厄介な魔術を練る頭をまずは一刺し。周りの瘴気はあまり濃くはない。ほうっておいても再生が間に合わずに女魔術師の瘴族は死ぬだろう。だが、もしもの場合に備えてぱっくりと割れた顔面に拳を挿入。浄化の奇跡を体内に流し込む事で肉体を完全に消滅させる事に成功した。
「じ、浄化の眷属だ!!」
「馬鹿!ひるむな!!斧を構えるんだ!!」
仲間が残虐にやられる姿を見たというのに、残った2人の闘争心はまだ燃え尽きていないみたいだ。
一個の瘴気の穴を塞ぐにあたっての効率は確実に上がっている。僕らの経験を重ねたのと、知識人であるフレディさんが参加してくれているからだ。
フレディさんのいざとなったらの魔術は破壊力が凄まじく使う場所は限られるが、奥の手を持っているだけでこんなにも気持ちを楽にして戦えるとは思わなかった。
ここまで良い事づくしだが、浄化活動で良い事なんて悪い事と比べたらカス程度しか存在しない。1週間前によった村なんて1人を除いて全滅していたし、3日前によった集落では、瘴気にのまれたきり行方不明の人もいる。そのなのに魔物の群れの中には行方不明者はいなかった。なんでも、村一番の戦士だったとか。
「もしかしたら、瘴族となってしまった可能性があるかもしれんの」
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「そうかもしれんの。とにかく、条件はこれから先も分かる事はないじゃろうから、見つけ次第戦うんじゃぞ」
旅の商人と何回か出くわす事があるのだが、その中にしっかりと意識を持った状態で話しかけてきた背信者が数人いたらしい。それは恐らく背信者ではなく、瘴族だ。ついに三幹部以外の瘴族も動き出したみたいだ。
「本格的に第四次瘴気騒動の幕が開き始めたって事だな。大きな町により次第、そこの騎士団に話でもつけておこう。覚悟して戦った方が断然良いからな」
「そうですね。見つけ次第殺す様にお願いしましょう。元人間である事は隠して確実に。例えばこんな風に!」
ガルは突然走り始めてしまった。3人は驚きつつも視線を向けると、視線の先では額にツノを生やした灰色の人間がハーフリングの旅商人に襲い掛かっていた。間違いない、瘴族だ。
数にして3人。得物は剣と斧と杖。戦士2人と魔術師1人のバランスの取れたチームになっている。この場合、まず最初に潰すべきなのは遠距離攻撃の手段を有している魔術師から。
「なっ!何者だ貴さm────」
厄介な魔術を練る頭をまずは一刺し。周りの瘴気はあまり濃くはない。ほうっておいても再生が間に合わずに女魔術師の瘴族は死ぬだろう。だが、もしもの場合に備えてぱっくりと割れた顔面に拳を挿入。浄化の奇跡を体内に流し込む事で肉体を完全に消滅させる事に成功した。
「じ、浄化の眷属だ!!」
「馬鹿!ひるむな!!斧を構えるんだ!!」
仲間が残虐にやられる姿を見たというのに、残った2人の闘争心はまだ燃え尽きていないみたいだ。
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