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三章 魔術師達の図書館
96話 帰ろうか
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「爺さんは知ってたのか?瘴族の正体を」
「まあな。わしはお主らが生まれる遥か前からこの図書館におるからの。未完の歴史書だって読んだ事あるわい」
「・・・ったく、つまりさっき倒したクレオジタスっていう瘴族も元はどこかの時代で生まれた人間で、いずれ復活するって事か。一時的に収める事ができてもこれじゃあキリがないぜ」
「・・・・探さなくちゃ」
「探すって何を?ガル」
「瘴族は瘴気によって生まれた存在。なら、今後被害を出さない為に瘴気が発生しない世界を作らないと」
「瘴族と魔物が生まれるきっかけを潰すってわけか。でも、そんな事可能なのか?瘴気が発生する原因すらわかっていないのに」
「何事にも永遠というのは存在しません。どんなに頑丈な剣でも酷使すれば壊れます。この世界もいつかは壊れます。それを先伸ばしにする事は難しいでしょうが、早める事は簡単です」
剣ならば雑に使えば寿命は短くなるし、環境破壊をすれば世界の寿命は削れていく。その理論でいけば、瘴気の発生も終わらせる事が可能なはずだ。
「それは人間の力で可能なのか?」
「分かりません。ですが、試してみる価値は十分にあります。そしてアテも存在します」
「・・・・・・もしかしてアレの事か?」
「多分、僕とオルタ副団長が想像している事は同じだと思います。浄化の神殿の都市伝説の1つ。浄化のダンジョン。その最奥には浄化の女神様が存在していると言われる浄化の神殿が出来てからずっと言われ続けている噂話です」
「そのダンジョンと瘴気。一体どんな関係があるの?」
「瘴気は地下から発生している。そして、浄化の神殿が出来たのは第三次瘴気騒動が完全に収束した直後。それ以降、浄化の女神様は姿を現す事は無くなってしまい、その経緯を知っているであろう100年以上前の浄化の眷属達も後世に浄化の女神様の行方を教える事は無かった。たった一言以外はね」
「・・・一体何を言い残して浄化の女神様は消え去ったの?」
「こう言い伝えられている『ここに神殿を作りなさい。そうすれば、ゴッズステイには瘴気の無い平穏な時代が訪れるでしょう』と」
「・・・つまり、浄化の神殿と瘴気には相性以外にも深い関係があるって事?」
「多分。僕も15年前に生まれたばかりの若輩者だからよくは知らないんだ。けれども、浄化の神殿に存在する地下に行けば何かしら掴めるはず。オルタ副団長、どうです?神殿に戻りませんか?」
「・・・賛成だ」「わしもじゃ」
「わたしも・・・って、フレディさんも一緒に行くの?」
「逆にどうしろと言うのじゃ。手足が無いんじゃぞわしは。それに、おぬしらの役にもきーっと立つはずじゃ」
「まあそこは否定はできんな・・・トキの体を使って魔術も打てるしな。ただ、禁術使う時は絶対に俺らに説明してから使えよ?」
「ほっほっほ!勿論じゃよ!!」
こうして頼りがいのある元人間の本を仲間に引き入れたガル達は浄化の神殿へと戻っていく事に決めたのであった。
「まあな。わしはお主らが生まれる遥か前からこの図書館におるからの。未完の歴史書だって読んだ事あるわい」
「・・・ったく、つまりさっき倒したクレオジタスっていう瘴族も元はどこかの時代で生まれた人間で、いずれ復活するって事か。一時的に収める事ができてもこれじゃあキリがないぜ」
「・・・・探さなくちゃ」
「探すって何を?ガル」
「瘴族は瘴気によって生まれた存在。なら、今後被害を出さない為に瘴気が発生しない世界を作らないと」
「瘴族と魔物が生まれるきっかけを潰すってわけか。でも、そんな事可能なのか?瘴気が発生する原因すらわかっていないのに」
「何事にも永遠というのは存在しません。どんなに頑丈な剣でも酷使すれば壊れます。この世界もいつかは壊れます。それを先伸ばしにする事は難しいでしょうが、早める事は簡単です」
剣ならば雑に使えば寿命は短くなるし、環境破壊をすれば世界の寿命は削れていく。その理論でいけば、瘴気の発生も終わらせる事が可能なはずだ。
「それは人間の力で可能なのか?」
「分かりません。ですが、試してみる価値は十分にあります。そしてアテも存在します」
「・・・・・・もしかしてアレの事か?」
「多分、僕とオルタ副団長が想像している事は同じだと思います。浄化の神殿の都市伝説の1つ。浄化のダンジョン。その最奥には浄化の女神様が存在していると言われる浄化の神殿が出来てからずっと言われ続けている噂話です」
「そのダンジョンと瘴気。一体どんな関係があるの?」
「瘴気は地下から発生している。そして、浄化の神殿が出来たのは第三次瘴気騒動が完全に収束した直後。それ以降、浄化の女神様は姿を現す事は無くなってしまい、その経緯を知っているであろう100年以上前の浄化の眷属達も後世に浄化の女神様の行方を教える事は無かった。たった一言以外はね」
「・・・一体何を言い残して浄化の女神様は消え去ったの?」
「こう言い伝えられている『ここに神殿を作りなさい。そうすれば、ゴッズステイには瘴気の無い平穏な時代が訪れるでしょう』と」
「・・・つまり、浄化の神殿と瘴気には相性以外にも深い関係があるって事?」
「多分。僕も15年前に生まれたばかりの若輩者だからよくは知らないんだ。けれども、浄化の神殿に存在する地下に行けば何かしら掴めるはず。オルタ副団長、どうです?神殿に戻りませんか?」
「・・・賛成だ」「わしもじゃ」
「わたしも・・・って、フレディさんも一緒に行くの?」
「逆にどうしろと言うのじゃ。手足が無いんじゃぞわしは。それに、おぬしらの役にもきーっと立つはずじゃ」
「まあそこは否定はできんな・・・トキの体を使って魔術も打てるしな。ただ、禁術使う時は絶対に俺らに説明してから使えよ?」
「ほっほっほ!勿論じゃよ!!」
こうして頼りがいのある元人間の本を仲間に引き入れたガル達は浄化の神殿へと戻っていく事に決めたのであった。
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