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三章 魔術師達の図書館
94話 未完の歴史書
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「改めて礼を言わせてもらう。わしらの図書館を救ってくれてありがとう。既に滅びたようなものじゃが、おぬしらのお陰で死んでしまった者達は安心して天国へと旅立てるだろうよ」
「おい爺さん。旅立つ前にもう少しだけ俺らを助けてはくれないか?」
「分かっておる。未完の歴史書じゃろ?場所はしっかりと把握しておる。ついてまいれ」
フレディさんの案内の元、僕らは図書館を浄化しながら目的物のある場所へと進む。
「着いたぞ。恐らく、机の上においてあるはずじゃ」
「本棚じゃなくて?」
「未完の歴史書と呼ばれる所以は、人類の歴史を刻み続けている事に由来しておる。最近、何かを騒がしかったじゃろ?きっと担当者が最近の出来事も記録しておるはずじゃ。ほれ、そこの研究者の死体を見ろ」
机に突っ伏している死体がある。死体の手にはペンが握られており、顔は机ではなく、一冊の開かれた本についている。体は瘴気に侵されてしまったみたいだが、魔物にはならなかったみたいで一安心だ。
「やはり書いておったようじゃな。しかも、死ぬ寸前まで書いておったようじゃな。とんでもない執念じゃ。まあ、本となって生きておるわしもわしなのじゃが」
「えっと、もらっても大丈夫なんですよね?」
「ああ、勿論じゃとも。このままここに置いておく方が歴代の記録者に失礼だというもの。最後まで書き続けたこの者もここに置いておくのは嫌じゃろうて」
「そうですか?それじゃあ、お構いなく」
死体をどかし、未完の歴史書を取ろうとした瞬間、体がぴくりと動き出した。
「あ・・・あああ・・・き、ろく・・・きろくぅぅぅぅぅ・・・!」
なんと、時間差で魔物化したみたいだ。体は既に腐っているので未練残しだろう。時間差という事に驚いたが、条件は意外と揃っている。最新のページを読んでいると、まだ書き途中だったからだ。彼はそれを思い出して魔物化してしまったのだろう。
その未練を断ち切ってあげたい所だが、魔物をこのまま放置しておくわけには行かないので、彼の額に手を添え、浄化の奇跡で優しくあの世へと送ってあげた。
「・・・すまぬな同士よ。いつか絶対にこの図書館を復活させ記録者も見つけてやるからな。待っておれ」
「それじゃあ、読みますね」
瘴気の穴を塞いだだけでなく、瘴族の三幹部の1人も倒してしまっただけでなく目的の物まで手に入れる事が出来た。ゴッズステイの歴史が詰まった一冊、とても分厚くて鈍器としても使えそうだ。
瘴族のヒントを求め、表紙を開いた。
「おい爺さん。旅立つ前にもう少しだけ俺らを助けてはくれないか?」
「分かっておる。未完の歴史書じゃろ?場所はしっかりと把握しておる。ついてまいれ」
フレディさんの案内の元、僕らは図書館を浄化しながら目的物のある場所へと進む。
「着いたぞ。恐らく、机の上においてあるはずじゃ」
「本棚じゃなくて?」
「未完の歴史書と呼ばれる所以は、人類の歴史を刻み続けている事に由来しておる。最近、何かを騒がしかったじゃろ?きっと担当者が最近の出来事も記録しておるはずじゃ。ほれ、そこの研究者の死体を見ろ」
机に突っ伏している死体がある。死体の手にはペンが握られており、顔は机ではなく、一冊の開かれた本についている。体は瘴気に侵されてしまったみたいだが、魔物にはならなかったみたいで一安心だ。
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「えっと、もらっても大丈夫なんですよね?」
「ああ、勿論じゃとも。このままここに置いておく方が歴代の記録者に失礼だというもの。最後まで書き続けたこの者もここに置いておくのは嫌じゃろうて」
「そうですか?それじゃあ、お構いなく」
死体をどかし、未完の歴史書を取ろうとした瞬間、体がぴくりと動き出した。
「あ・・・あああ・・・き、ろく・・・きろくぅぅぅぅぅ・・・!」
なんと、時間差で魔物化したみたいだ。体は既に腐っているので未練残しだろう。時間差という事に驚いたが、条件は意外と揃っている。最新のページを読んでいると、まだ書き途中だったからだ。彼はそれを思い出して魔物化してしまったのだろう。
その未練を断ち切ってあげたい所だが、魔物をこのまま放置しておくわけには行かないので、彼の額に手を添え、浄化の奇跡で優しくあの世へと送ってあげた。
「・・・すまぬな同士よ。いつか絶対にこの図書館を復活させ記録者も見つけてやるからな。待っておれ」
「それじゃあ、読みますね」
瘴気の穴を塞いだだけでなく、瘴族の三幹部の1人も倒してしまっただけでなく目的の物まで手に入れる事が出来た。ゴッズステイの歴史が詰まった一冊、とても分厚くて鈍器としても使えそうだ。
瘴族のヒントを求め、表紙を開いた。
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