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三章 魔術師達の図書館
93話 ここからが本題
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「・・・凄い火力じゃ。まるで神の力を100%引き出したかのような浄化の奇跡じゃったぞ」
「僕も驚きました。まさか、あんなに凄まじい浄化の奇跡が使えるだなんて」
実はガルも初めての体験だった。彼は赤ん坊の頃から最高の浄化の眷属だった為、神への言葉を使わずに浄化の奇跡が感覚的に使うことができたのだ。
その為、本来の火力を彼は全く知らなかった。驚きのあまり自分の手のひらを数秒間凝視する程である。
「今度から神への言葉は言うようにしよう・・・トキ、浄化してあげるよ。こっちに来て」
「ありがとう。けど、神への言葉は使わないでね。威力が凄すぎてわたしも吹っ飛んじゃいそうだから」
「分かったよ・・・っと」
トキの体内の瘴気を浄化する。さて、次は瘴気の穴を埋める作業に入るとしよう。
「我が主よ、そのお力お貸しください・・・」
まずは地面に手をついて最大威力の浄化の奇跡で穴の周囲の土を浄化する。これをしなければ、瘴気の土の養分を吸った植物の種が魔物化してしまうからだ。
そしたら、種を瘴気の穴へと放り込む。塞ぎ続けるまでは瘴気は噴出し続ける為、時間との勝負になる。
「トキとフレディさん、よろしく」
「任せて」「任せておけ」
「大地を喰らいてすくすく育て・・・『グロウス』!!」
トキの体を媒体に魔術が使用される。すると、瘴気の穴からにょきにょきと植物の根が生えてきた。植物の根は僕らが立っている高さまで到達すると、その体を一気に太くさせてあっという間に瘴気の穴を塞いでしまった。
「今じゃ!やれ!!」
「はい!!我が主よ!そのお力お借りします!!」
神への言葉を言い、浄化の奇跡をもう一度発動。すると、植物全体に浄化の奇跡が浸透し、見事封印に成功した。
「よしっ!成功だ!!」
「よくやったぞ、ガル。これで図書館から魔物が現れる事はないじゃろう」
「そうですね。ところで・・・あの植物と成長させた魔術は聞いた事も見た事も無いんですけど、なんなんですか?」
「植物の方は古代種じゃ。わしが改良し復元した。元は大地の養分を吸い切ってしまう悪魔の植物と呼ばれておったそうじゃ。魔術は禁術の1つ。昔の農家が開発したもので、農作物を育てる為に編み出したのじゃが必要以上に養分を吸ってしまい、その大地は枯れ果てたそうじゃ」
「え・・・そ、そんな危険なものだったんですか!?それなら事前に行ってくださいよ!!」
「言っておったらお主らは使わなかったじゃろ。危険な物も使いようじゃ」
まあ、今回はそのお陰で封印に成功したので良しとしよう。
「僕も驚きました。まさか、あんなに凄まじい浄化の奇跡が使えるだなんて」
実はガルも初めての体験だった。彼は赤ん坊の頃から最高の浄化の眷属だった為、神への言葉を使わずに浄化の奇跡が感覚的に使うことができたのだ。
その為、本来の火力を彼は全く知らなかった。驚きのあまり自分の手のひらを数秒間凝視する程である。
「今度から神への言葉は言うようにしよう・・・トキ、浄化してあげるよ。こっちに来て」
「ありがとう。けど、神への言葉は使わないでね。威力が凄すぎてわたしも吹っ飛んじゃいそうだから」
「分かったよ・・・っと」
トキの体内の瘴気を浄化する。さて、次は瘴気の穴を埋める作業に入るとしよう。
「我が主よ、そのお力お貸しください・・・」
まずは地面に手をついて最大威力の浄化の奇跡で穴の周囲の土を浄化する。これをしなければ、瘴気の土の養分を吸った植物の種が魔物化してしまうからだ。
そしたら、種を瘴気の穴へと放り込む。塞ぎ続けるまでは瘴気は噴出し続ける為、時間との勝負になる。
「トキとフレディさん、よろしく」
「任せて」「任せておけ」
「大地を喰らいてすくすく育て・・・『グロウス』!!」
トキの体を媒体に魔術が使用される。すると、瘴気の穴からにょきにょきと植物の根が生えてきた。植物の根は僕らが立っている高さまで到達すると、その体を一気に太くさせてあっという間に瘴気の穴を塞いでしまった。
「今じゃ!やれ!!」
「はい!!我が主よ!そのお力お借りします!!」
神への言葉を言い、浄化の奇跡をもう一度発動。すると、植物全体に浄化の奇跡が浸透し、見事封印に成功した。
「よしっ!成功だ!!」
「よくやったぞ、ガル。これで図書館から魔物が現れる事はないじゃろう」
「そうですね。ところで・・・あの植物と成長させた魔術は聞いた事も見た事も無いんですけど、なんなんですか?」
「植物の方は古代種じゃ。わしが改良し復元した。元は大地の養分を吸い切ってしまう悪魔の植物と呼ばれておったそうじゃ。魔術は禁術の1つ。昔の農家が開発したもので、農作物を育てる為に編み出したのじゃが必要以上に養分を吸ってしまい、その大地は枯れ果てたそうじゃ」
「え・・・そ、そんな危険なものだったんですか!?それなら事前に行ってくださいよ!!」
「言っておったらお主らは使わなかったじゃろ。危険な物も使いようじゃ」
まあ、今回はそのお陰で封印に成功したので良しとしよう。
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