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三章 魔術師達の図書館
92話 最高×最大
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「キヒヒッ、お前のその反応からして何をしようとしていたのかはっきりと分かったぞぉ・・・お前、俺の芸当を魔術だと思っていたな?思っていたよなぁ!キヒヒッ」
違う・・・のか?
「まあ、そうだよなぁ。地上人はそういう考えに至るよなぁ。って事はお前は頭が良いんだなぁ・・・だが、知識が足りんかったなぁ!火炎放射と雷などは全部自前の能力だぁ!!」
「なんだと・・・!グフッ!!」
腹に鋭い痛みが走る。鎧の隙間から骨の鉤爪を刺したらしい。
「そしてこの鉤爪も自前だぁ・・・魔術でしか事を考えられないお前の事だぁ、回復魔術を応用したとか思っていたんだろうなぁ」
「正解・・・だっ!!」
腹を刺されてもなお闘志は燃え続けている。力を振り絞ってその眉間に鉤爪を突き刺した。
「本当にしぶといねぇぇぇぇ・・・人間なら、致命傷になっているだろうけど瘴族の俺には通じねぇんだよぉ!!いい加減理解しやがれこの駄犬がぁ!!」
鉤爪を引き抜き、倒れるオルタの顔面に強烈な蹴りを入れる。治るとは言え、痛いのは変わらないし、ムカつくのも変わらないのだろう。
「チィッ!楽しくなると思ったのに逆にイラついちまったぜぇ・・・おい!神の子!お前は俺を満足させてくれるよな・・・・がぁ!!」
振り返ったクレオジタスを襲ったのは、オルタと同じ顔面を鷲掴みにするアイアンクローだった。ガルの手である。
「おいぃぃぃ!!不意打ちとはいささか卑怯じゃないのかぁぁぁぁ!!」
「殺し合いに卑怯もへったくれもあるか。遊び感覚で戦っている奴はこの場でお前しかいないんだよ!!」
「まあ、お前達地上人からしたらそうだよなぁ・・・必死の戦いだもんなぁ!それでぇ?何をするんだ?何をするか行ってみろぉぉぉ!!」
「・・・・・・我が主よ、貴女様のお力お借りします」
ガルは神に祈りを捧げた。簡単なものではなく、しっかりと目を瞑り神をしっかりと敬い言葉を口にした。
普段使っている浄化の奇跡は無詠唱の魔術のように簡略化したものである。本来は奇跡を使う際に神への感謝を言うか許しを貰ってから使う事が出来る。実際に信仰心の薄い信者は神への言葉を言わなければ奇跡を使う事が出来ない。
ガルの信仰心で右に出る者はいないので勿論言葉なんか使わずに使用する事ができた。では、神への言葉を口にして奇跡を使ったらどうなるだろうか?
答えは簡単。通常の3倍の力の奇跡を発揮する事が可能となる。
「ま、待っ────ギャアアアアァァァァァァァ!!」
最高の信仰心を持つ男の最大火力の奇跡を顔面でゼロ距離から喰らったクレオジタスは、塵1つも残す事なく消え去った。
違う・・・のか?
「まあ、そうだよなぁ。地上人はそういう考えに至るよなぁ。って事はお前は頭が良いんだなぁ・・・だが、知識が足りんかったなぁ!火炎放射と雷などは全部自前の能力だぁ!!」
「なんだと・・・!グフッ!!」
腹に鋭い痛みが走る。鎧の隙間から骨の鉤爪を刺したらしい。
「そしてこの鉤爪も自前だぁ・・・魔術でしか事を考えられないお前の事だぁ、回復魔術を応用したとか思っていたんだろうなぁ」
「正解・・・だっ!!」
腹を刺されてもなお闘志は燃え続けている。力を振り絞ってその眉間に鉤爪を突き刺した。
「本当にしぶといねぇぇぇぇ・・・人間なら、致命傷になっているだろうけど瘴族の俺には通じねぇんだよぉ!!いい加減理解しやがれこの駄犬がぁ!!」
鉤爪を引き抜き、倒れるオルタの顔面に強烈な蹴りを入れる。治るとは言え、痛いのは変わらないし、ムカつくのも変わらないのだろう。
「チィッ!楽しくなると思ったのに逆にイラついちまったぜぇ・・・おい!神の子!お前は俺を満足させてくれるよな・・・・がぁ!!」
振り返ったクレオジタスを襲ったのは、オルタと同じ顔面を鷲掴みにするアイアンクローだった。ガルの手である。
「おいぃぃぃ!!不意打ちとはいささか卑怯じゃないのかぁぁぁぁ!!」
「殺し合いに卑怯もへったくれもあるか。遊び感覚で戦っている奴はこの場でお前しかいないんだよ!!」
「まあ、お前達地上人からしたらそうだよなぁ・・・必死の戦いだもんなぁ!それでぇ?何をするんだ?何をするか行ってみろぉぉぉ!!」
「・・・・・・我が主よ、貴女様のお力お借りします」
ガルは神に祈りを捧げた。簡単なものではなく、しっかりと目を瞑り神をしっかりと敬い言葉を口にした。
普段使っている浄化の奇跡は無詠唱の魔術のように簡略化したものである。本来は奇跡を使う際に神への感謝を言うか許しを貰ってから使う事が出来る。実際に信仰心の薄い信者は神への言葉を言わなければ奇跡を使う事が出来ない。
ガルの信仰心で右に出る者はいないので勿論言葉なんか使わずに使用する事ができた。では、神への言葉を口にして奇跡を使ったらどうなるだろうか?
答えは簡単。通常の3倍の力の奇跡を発揮する事が可能となる。
「ま、待っ────ギャアアアアァァァァァァァ!!」
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