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三章 魔術師達の図書館
91話 知略の狼
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「お前はあの洞窟にもいたやつだな?キヒヒッ!あんまり強くなっているイメージはしないが?」
「1ヶ月で劇的に強くなれるだなんておとぎ話だよ。だが、この間とは違って戦う準備をしている。負ける気なんて一切ないぜ?」
「心構えだけで強くなれるだなんてそんな甘い世界じゃないぜぇぇ!若造よおぉぉぉ!俺がこの世界の厳しさを教えてやんよ!!」
クレオジタスの口から火炎放射が発射される。その攻撃に関しては想定済みだ。体勢を低くして、アッパーをかます様に鉤爪を顎に突き刺す。体の強度は特別高いわけでもないようで、人間の肌のようにいとも簡単に貫通し、クレオジタスの口から鉤爪がこんにちはしている。
「口から火炎放射なんてはしたないですよ?三幹部様♪」
「・・・キヒッやるじゃないか。色んな意味で失礼した。では、これからは本気で行くとしよう」
「その本気って言うのは瘴気に頼った純粋なパワーアップ?それとも、格闘技術のお披露目?」
「3つ目の選択肢さ。ヒャアアアォォォォォッ!!」
クレオジタスの体が電気に包まれる。体からスパークがほとばしり、そう簡単には触れなくなってしまった。
先程の火炎放射と言い今の電気と言い、やはりこのクレオジタスとかいうチビは魔術に長けているらしい。無詠唱でこんなにも強力な魔術が使えるだなんて驚きだ。
「そして、お前の真似をしてやるよぉぉぉ・・・・グギャギャギャギャァ!!」
拳から白く鋭い骨が右左に3本ずつ現れる。自前の骨で作ったのか?痛そうだ。回復魔術を応用して骨を無駄に生成。それを拳から出したのだろうか?面白い事を考える。
だけど、これで攻略方法が分かった。奴の魔力を吸い上げてしまえばいい。魔力さえ吸い取れば、攻撃手段が消え去るのだから。
幸いにも、魔力を吸収する魔術は履修済みである。ただ、強力な魔術な為に吸い上げたい相手の体を障らなければならないという弱点が存在する。
今のクレオジタスの体には電気が流れている。その電気を回避する事は不可能だし、解除する事も出来ないだろう。だとすれば、根性で耐えるほかない。
「持ってくれよ・・・俺の体!」
「何を言っているんだ?」
呆れているうちに距離を詰め、殴りかかる体勢を取る。すると、クレオジタスは体守るべく腕をクロスして身を守り出したので、握っていた拳をパーにしてクレオジタスの顔面を鷲掴みにした。
「略奪の時間だ!その力を寄越せ!!『マジックドレイン』!!」
詠唱にも成功。手の平からの魔力強奪が始まる。しかし・・・。
「あれ?魔力が・・・全くない?」
クレオジタスの体に吸える魔力は全く存在していなかった。
「1ヶ月で劇的に強くなれるだなんておとぎ話だよ。だが、この間とは違って戦う準備をしている。負ける気なんて一切ないぜ?」
「心構えだけで強くなれるだなんてそんな甘い世界じゃないぜぇぇ!若造よおぉぉぉ!俺がこの世界の厳しさを教えてやんよ!!」
クレオジタスの口から火炎放射が発射される。その攻撃に関しては想定済みだ。体勢を低くして、アッパーをかます様に鉤爪を顎に突き刺す。体の強度は特別高いわけでもないようで、人間の肌のようにいとも簡単に貫通し、クレオジタスの口から鉤爪がこんにちはしている。
「口から火炎放射なんてはしたないですよ?三幹部様♪」
「・・・キヒッやるじゃないか。色んな意味で失礼した。では、これからは本気で行くとしよう」
「その本気って言うのは瘴気に頼った純粋なパワーアップ?それとも、格闘技術のお披露目?」
「3つ目の選択肢さ。ヒャアアアォォォォォッ!!」
クレオジタスの体が電気に包まれる。体からスパークがほとばしり、そう簡単には触れなくなってしまった。
先程の火炎放射と言い今の電気と言い、やはりこのクレオジタスとかいうチビは魔術に長けているらしい。無詠唱でこんなにも強力な魔術が使えるだなんて驚きだ。
「そして、お前の真似をしてやるよぉぉぉ・・・・グギャギャギャギャァ!!」
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だけど、これで攻略方法が分かった。奴の魔力を吸い上げてしまえばいい。魔力さえ吸い取れば、攻撃手段が消え去るのだから。
幸いにも、魔力を吸収する魔術は履修済みである。ただ、強力な魔術な為に吸い上げたい相手の体を障らなければならないという弱点が存在する。
今のクレオジタスの体には電気が流れている。その電気を回避する事は不可能だし、解除する事も出来ないだろう。だとすれば、根性で耐えるほかない。
「持ってくれよ・・・俺の体!」
「何を言っているんだ?」
呆れているうちに距離を詰め、殴りかかる体勢を取る。すると、クレオジタスは体守るべく腕をクロスして身を守り出したので、握っていた拳をパーにしてクレオジタスの顔面を鷲掴みにした。
「略奪の時間だ!その力を寄越せ!!『マジックドレイン』!!」
詠唱にも成功。手の平からの魔力強奪が始まる。しかし・・・。
「あれ?魔力が・・・全くない?」
クレオジタスの体に吸える魔力は全く存在していなかった。
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