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三章 魔術師達の図書館
85話 石化の蛇女
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「ラミアか・・・これは厄介だな」
巨大な蛇のメスが魔物化した姿だ。攻撃がとにかく俊敏で、人間の反応速度では避けるのは不可能とされている非常にやりづらい相手だ。僕も戦うのは初めてなので、どう攻略していくか・・・。
「ま、まさかあのラミアは・・・気をつけるのじゃ!あのラミアはただのラミアじゃない!絶対に目を合わせるな!!」
「ん?・・・うわぁ!!」
ラミアの方から紫色の怪しい光が発光する。フレディさんの発言と何か関係があると感じたガル達はラミアの方を見ないようにした。すると、扉の先からゴトンッ!という硬い物が床に落ちる音がした。
扉の近くにちょうどいたので覗き窓から見てみると、悪戯悪魔の等身大の石像が落ちていた。ポーズは驚いたような感じだ。
「ラミアにも元の蛇によって種類が大きく変わるんじゃ。今、わしらの目の前にいるラミアはメドゥーサと呼ばれる種類じゃ!目を見たら石にされるぞ気をつけろ!!」
毒を持ったラミアは聞いたことがある。しかし、目を見ただけで石化してしまうラミアは聞いたことも読んだこともない。
そういえばあの魔物図鑑、完全版だと書いてあったのにバリエーションとかを端折っていたような気がする。どうしてこんな危険な種類を省略したんだ!どういう神経しているんだ編集者は!!
「くそ!ずっと光ってて前が見えねぇ!!これじゃ目を瞑りながら戦うしかないぞ。爺さん何か良い手はないのか?」
「ある事にはある。メドューサの石化の力は自分にも有効なんじゃ。だから鏡などで反射させればメドゥーサを一瞬で無力化する事ができる」
「あるじゃないか最高の策が!」
「しかし、問題があるんじゃ!この部屋には鏡がない!」
「使えないじゃねえかその策!!」
「うるさい!魔術師が見た目を整えると思ったのか!」
奇策は使えない。ならば、目を使わないで戦うしかない。
「うぉおおおおおお!!」
タワーシールドで全身を守りながらメドゥーサがいるであろう方向にもう突進。しかし避けられてしまったのだろうか、誰にも当たる事はなかった。
「キシャア!!」
「うぐっ!」
鋭い爪に背中を引っかかれる。ドワーフに鍛え直してもらった鎧が無かったら今頃皮膚が抉れている所だった。
「って、うわぁ!!」
足に強烈な一撃が入り、僕は情けなく床に転ばされてしまった。見えなかったけど、おそらくメドゥーサの蛇の下半身だろう。
転んだ瞬間、両肩を細い手が掴んでくる。メドゥーサの手だ。瞼を通した状態でも紫色の光がわかる。今、メドゥーサは僕に熱い視線を向けているんだろう。
これは実に・・・。
「絶好の機会だ!!」
ガルは手を伸ばすと、メドゥーサの顔を掴み親指でその目を潰してみせた。
巨大な蛇のメスが魔物化した姿だ。攻撃がとにかく俊敏で、人間の反応速度では避けるのは不可能とされている非常にやりづらい相手だ。僕も戦うのは初めてなので、どう攻略していくか・・・。
「ま、まさかあのラミアは・・・気をつけるのじゃ!あのラミアはただのラミアじゃない!絶対に目を合わせるな!!」
「ん?・・・うわぁ!!」
ラミアの方から紫色の怪しい光が発光する。フレディさんの発言と何か関係があると感じたガル達はラミアの方を見ないようにした。すると、扉の先からゴトンッ!という硬い物が床に落ちる音がした。
扉の近くにちょうどいたので覗き窓から見てみると、悪戯悪魔の等身大の石像が落ちていた。ポーズは驚いたような感じだ。
「ラミアにも元の蛇によって種類が大きく変わるんじゃ。今、わしらの目の前にいるラミアはメドゥーサと呼ばれる種類じゃ!目を見たら石にされるぞ気をつけろ!!」
毒を持ったラミアは聞いたことがある。しかし、目を見ただけで石化してしまうラミアは聞いたことも読んだこともない。
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「あるじゃないか最高の策が!」
「しかし、問題があるんじゃ!この部屋には鏡がない!」
「使えないじゃねえかその策!!」
「うるさい!魔術師が見た目を整えると思ったのか!」
奇策は使えない。ならば、目を使わないで戦うしかない。
「うぉおおおおおお!!」
タワーシールドで全身を守りながらメドゥーサがいるであろう方向にもう突進。しかし避けられてしまったのだろうか、誰にも当たる事はなかった。
「キシャア!!」
「うぐっ!」
鋭い爪に背中を引っかかれる。ドワーフに鍛え直してもらった鎧が無かったら今頃皮膚が抉れている所だった。
「って、うわぁ!!」
足に強烈な一撃が入り、僕は情けなく床に転ばされてしまった。見えなかったけど、おそらくメドゥーサの蛇の下半身だろう。
転んだ瞬間、両肩を細い手が掴んでくる。メドゥーサの手だ。瞼を通した状態でも紫色の光がわかる。今、メドゥーサは僕に熱い視線を向けているんだろう。
これは実に・・・。
「絶好の機会だ!!」
ガルは手を伸ばすと、メドゥーサの顔を掴み親指でその目を潰してみせた。
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