86 / 141
三章 魔術師達の図書館
85話 石化の蛇女
しおりを挟む
「ラミアか・・・これは厄介だな」
巨大な蛇のメスが魔物化した姿だ。攻撃がとにかく俊敏で、人間の反応速度では避けるのは不可能とされている非常にやりづらい相手だ。僕も戦うのは初めてなので、どう攻略していくか・・・。
「ま、まさかあのラミアは・・・気をつけるのじゃ!あのラミアはただのラミアじゃない!絶対に目を合わせるな!!」
「ん?・・・うわぁ!!」
ラミアの方から紫色の怪しい光が発光する。フレディさんの発言と何か関係があると感じたガル達はラミアの方を見ないようにした。すると、扉の先からゴトンッ!という硬い物が床に落ちる音がした。
扉の近くにちょうどいたので覗き窓から見てみると、悪戯悪魔の等身大の石像が落ちていた。ポーズは驚いたような感じだ。
「ラミアにも元の蛇によって種類が大きく変わるんじゃ。今、わしらの目の前にいるラミアはメドゥーサと呼ばれる種類じゃ!目を見たら石にされるぞ気をつけろ!!」
毒を持ったラミアは聞いたことがある。しかし、目を見ただけで石化してしまうラミアは聞いたことも読んだこともない。
そういえばあの魔物図鑑、完全版だと書いてあったのにバリエーションとかを端折っていたような気がする。どうしてこんな危険な種類を省略したんだ!どういう神経しているんだ編集者は!!
「くそ!ずっと光ってて前が見えねぇ!!これじゃ目を瞑りながら戦うしかないぞ。爺さん何か良い手はないのか?」
「ある事にはある。メドューサの石化の力は自分にも有効なんじゃ。だから鏡などで反射させればメドゥーサを一瞬で無力化する事ができる」
「あるじゃないか最高の策が!」
「しかし、問題があるんじゃ!この部屋には鏡がない!」
「使えないじゃねえかその策!!」
「うるさい!魔術師が見た目を整えると思ったのか!」
奇策は使えない。ならば、目を使わないで戦うしかない。
「うぉおおおおおお!!」
タワーシールドで全身を守りながらメドゥーサがいるであろう方向にもう突進。しかし避けられてしまったのだろうか、誰にも当たる事はなかった。
「キシャア!!」
「うぐっ!」
鋭い爪に背中を引っかかれる。ドワーフに鍛え直してもらった鎧が無かったら今頃皮膚が抉れている所だった。
「って、うわぁ!!」
足に強烈な一撃が入り、僕は情けなく床に転ばされてしまった。見えなかったけど、おそらくメドゥーサの蛇の下半身だろう。
転んだ瞬間、両肩を細い手が掴んでくる。メドゥーサの手だ。瞼を通した状態でも紫色の光がわかる。今、メドゥーサは僕に熱い視線を向けているんだろう。
これは実に・・・。
「絶好の機会だ!!」
ガルは手を伸ばすと、メドゥーサの顔を掴み親指でその目を潰してみせた。
巨大な蛇のメスが魔物化した姿だ。攻撃がとにかく俊敏で、人間の反応速度では避けるのは不可能とされている非常にやりづらい相手だ。僕も戦うのは初めてなので、どう攻略していくか・・・。
「ま、まさかあのラミアは・・・気をつけるのじゃ!あのラミアはただのラミアじゃない!絶対に目を合わせるな!!」
「ん?・・・うわぁ!!」
ラミアの方から紫色の怪しい光が発光する。フレディさんの発言と何か関係があると感じたガル達はラミアの方を見ないようにした。すると、扉の先からゴトンッ!という硬い物が床に落ちる音がした。
扉の近くにちょうどいたので覗き窓から見てみると、悪戯悪魔の等身大の石像が落ちていた。ポーズは驚いたような感じだ。
「ラミアにも元の蛇によって種類が大きく変わるんじゃ。今、わしらの目の前にいるラミアはメドゥーサと呼ばれる種類じゃ!目を見たら石にされるぞ気をつけろ!!」
毒を持ったラミアは聞いたことがある。しかし、目を見ただけで石化してしまうラミアは聞いたことも読んだこともない。
そういえばあの魔物図鑑、完全版だと書いてあったのにバリエーションとかを端折っていたような気がする。どうしてこんな危険な種類を省略したんだ!どういう神経しているんだ編集者は!!
「くそ!ずっと光ってて前が見えねぇ!!これじゃ目を瞑りながら戦うしかないぞ。爺さん何か良い手はないのか?」
「ある事にはある。メドューサの石化の力は自分にも有効なんじゃ。だから鏡などで反射させればメドゥーサを一瞬で無力化する事ができる」
「あるじゃないか最高の策が!」
「しかし、問題があるんじゃ!この部屋には鏡がない!」
「使えないじゃねえかその策!!」
「うるさい!魔術師が見た目を整えると思ったのか!」
奇策は使えない。ならば、目を使わないで戦うしかない。
「うぉおおおおおお!!」
タワーシールドで全身を守りながらメドゥーサがいるであろう方向にもう突進。しかし避けられてしまったのだろうか、誰にも当たる事はなかった。
「キシャア!!」
「うぐっ!」
鋭い爪に背中を引っかかれる。ドワーフに鍛え直してもらった鎧が無かったら今頃皮膚が抉れている所だった。
「って、うわぁ!!」
足に強烈な一撃が入り、僕は情けなく床に転ばされてしまった。見えなかったけど、おそらくメドゥーサの蛇の下半身だろう。
転んだ瞬間、両肩を細い手が掴んでくる。メドゥーサの手だ。瞼を通した状態でも紫色の光がわかる。今、メドゥーサは僕に熱い視線を向けているんだろう。
これは実に・・・。
「絶好の機会だ!!」
ガルは手を伸ばすと、メドゥーサの顔を掴み親指でその目を潰してみせた。
10
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

転生チートは家族のために~ユニークスキルで、快適な異世界生活を送りたい!~
りーさん
ファンタジー
ある日、異世界に転生したルイ。
前世では、両親が共働きの鍵っ子だったため、寂しい思いをしていたが、今世は優しい家族に囲まれた。
そんな家族と異世界でも楽しく過ごすために、ユニークスキルをいろいろと便利に使っていたら、様々なトラブルに巻き込まれていく。
「家族といたいからほっといてよ!」
※スキルを本格的に使い出すのは二章からです。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる