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三章 魔術師達の図書館
81話 異神の宣教師
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「詳しく話してもらうぞ。この不気味な魔物についてな」
「ああ。わしは他の魔術師数十人と共に神々の研究を魔術的アプローチにて研究していたと言ってたな。その研究の末に外にも神がいる事に気が付いたんだ」
「外の神?ゴッズステイ外にもそりゃあ神なんて存在するだろう。外の人間だって神々に愛されてきたんだから」
「言い方が悪かったの。外というのはゴッズステイの外という意味ではない。この広い世界の更に外じゃよ」
「何・・・それ・・・それって、世界は僕が想像しているよりも大きいという事?」
「まあな。しかし、今の技術じゃこの世界の外へと出る事は出来んじゃろうな。残念だが諦めるが良い」
かなり残念だが、ゴッズステイ外を死ぬまでに一周できるのかも分からないし、そもそもゴッズステイから出るかどうかも分からない。夢の更に夢の話としてとらえておこう。
「勿論、外なる神に興味を抱き研究対象とした。しかし、興味の対象ではなく信仰の対象として見る者も一定数現れてしまった。信仰心が深まるごとに改宗した魔術師達は同じ言葉を呟くようになりいつかはどの書物にも書かれていない何かの儀式を行うようになってしまった。わしは見つけ次第止めておったんじゃが、全ては止めきれる事が出来ず生まれてしまったのが・・・」
「さっきの気持ち悪い見た目の魔物ってわけか。つまりは元は人間な上に瘴気と関係ない形であの姿になったって事か?だとしたら魔物じゃないのか?」
「いや、恐らく魔物かと思われる。儀式で発生してしまった異神の宣教師達はわしらが秘密裏に処分した。わしらを見つけ次第見た事のない魔術で襲ってきたからな。恐らく、今殺した宣教師は信仰者ではないわしと共に研究をしていた魔術師かと思われる」
「隠れて信仰していたって事か?」
「隠れて信仰するのは難しいんじゃないですかね?瞳の色が変わってしまうわけなんだし」
信仰対象の神が変われば瞳の色も変わる。心移りしてしまえばすぐにばれてしまうわけだ。
「ガルの言う通りじゃ。異なる神の信仰者はわしらが全員片づけた。しかし、わしらは異なる神の存在を知っている。これは仮説に過ぎないが・・・信仰者を増やす為に瘴気で死んだ己の存在を知っている魔術師の体を奪って生まれたのだと思う」
「根拠は?」
「自ら宣教師となった者はわしらが倒したのと・・・今殺した宣教師の指の先端じゃ。よく見てみろ少し腐っておるじゃろう?」
確かに黒ずんでいる。
「そして・・・目の前にいる数からじゃ」
「「「え?」」」
目線を上げると数えきれない程の触手頭が僕らを睨みつけていた。
「ああ。わしは他の魔術師数十人と共に神々の研究を魔術的アプローチにて研究していたと言ってたな。その研究の末に外にも神がいる事に気が付いたんだ」
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「さっきの気持ち悪い見た目の魔物ってわけか。つまりは元は人間な上に瘴気と関係ない形であの姿になったって事か?だとしたら魔物じゃないのか?」
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「ガルの言う通りじゃ。異なる神の信仰者はわしらが全員片づけた。しかし、わしらは異なる神の存在を知っている。これは仮説に過ぎないが・・・信仰者を増やす為に瘴気で死んだ己の存在を知っている魔術師の体を奪って生まれたのだと思う」
「根拠は?」
「自ら宣教師となった者はわしらが倒したのと・・・今殺した宣教師の指の先端じゃ。よく見てみろ少し腐っておるじゃろう?」
確かに黒ずんでいる。
「そして・・・目の前にいる数からじゃ」
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目線を上げると数えきれない程の触手頭が僕らを睨みつけていた。
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