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三章 魔術師達の図書館
77話 オルタの出生
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「おい、ガル。なんでそんな大事な事を黙っていたんだ!」
「すみません。迫害されちゃうかなと思いまして・・・」
「ああ、なるほど。それは・・・良い判断だ。よくやったな。で、実際どうなんだ?迫害されるのか本の爺さん」
オルタ副団長は迫害された過去を持つため、割とすぐに納得してくれた。でも、実際に迫害はされるのだろうか?とっさの判断で隠していたが、意味はあったのだろうか?
「迫害される事はないじゃろ。なんて言ったって神々がワシらを救う為に呼び出した存在だからな。いじめなんかしたら天罰が降るわい」
「なんだ、杞憂だったんだ。それじゃあ────」
「だが!これはあくまでフレディという人間の一意見。他の者がどう思うのか不明じゃ。魔術師や研究者の中には神なんてクソ喰らえと思っている者も少なからず存在する。そんな奴らに捕まった場合は・・・迫害以上に悲惨な目にあってるじゃろうな」
恐らく、何らかの実験台に使われるという意味合いだろう。それにしても恐ろしい。
「だから、言わんほうがいいじゃろうな。ゴッズステイの中でも。そして、外の世界でも」
「フレディさんは外の世界を知っているんですか?」
「勿論じゃよ。若い頃は外の世界に憧れてゴッズステイを出た事まである」
ゴッズステイ外の世界。4か月前まで浄化の神殿から出た事も無かった僕からしたら未知の世界だ。一体どんな所なのだろうか?
「無秩序と混沌、そして暴力と魔物が当然のように蔓延る地獄のような世界が広がっていたよ。そして同時に痛感した。わしらは本当に恵まれた環境で暮らしているのだと」
「魔物?外の世界には魔物が蔓延っているんですか?」
「普通の生物のようにな。ゴッズステイ外の人間はある程度瘴気への耐性を有しているらしく、不便な生活は送っていないらしい」
「それは・・・魂にも耐性があるのか?」
「勿論だとも。まあ、若干の耐性があるだけで魔物化する者は一定数おるようじゃがな。どうして獣人の騎士。何か気になる事でもあるのか?」
「ああ・・・・・・本の爺さん、子供は親の特性を引き継ぐって話は本当なのか?」
「そうじゃよ。勿論、身体的な特性だけじゃがな」
「成程な・・・これで納得がいった。俺がどうして瘴気にある程度耐性があるのか」
今の話の流れで何となく副団長が何を言おうとしているのか理解できた。そういう事だったのか。彼は────
「俺の母親はゴッズステイの外から来た人だ。それが原因で迫害されてきた。昔は自分の生まれを憎んだ事もあるけど・・・今は真逆だね」
「すみません。迫害されちゃうかなと思いまして・・・」
「ああ、なるほど。それは・・・良い判断だ。よくやったな。で、実際どうなんだ?迫害されるのか本の爺さん」
オルタ副団長は迫害された過去を持つため、割とすぐに納得してくれた。でも、実際に迫害はされるのだろうか?とっさの判断で隠していたが、意味はあったのだろうか?
「迫害される事はないじゃろ。なんて言ったって神々がワシらを救う為に呼び出した存在だからな。いじめなんかしたら天罰が降るわい」
「なんだ、杞憂だったんだ。それじゃあ────」
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恐らく、何らかの実験台に使われるという意味合いだろう。それにしても恐ろしい。
「だから、言わんほうがいいじゃろうな。ゴッズステイの中でも。そして、外の世界でも」
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「それは・・・魂にも耐性があるのか?」
「勿論だとも。まあ、若干の耐性があるだけで魔物化する者は一定数おるようじゃがな。どうして獣人の騎士。何か気になる事でもあるのか?」
「ああ・・・・・・本の爺さん、子供は親の特性を引き継ぐって話は本当なのか?」
「そうじゃよ。勿論、身体的な特性だけじゃがな」
「成程な・・・これで納得がいった。俺がどうして瘴気にある程度耐性があるのか」
今の話の流れで何となく副団長が何を言おうとしているのか理解できた。そういう事だったのか。彼は────
「俺の母親はゴッズステイの外から来た人だ。それが原因で迫害されてきた。昔は自分の生まれを憎んだ事もあるけど・・・今は真逆だね」
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