73 / 141
三章 魔術師達の図書館
72話 不気味な図書館
しおりを挟む
魔術師達の図書館。その名の通り当初はゴッズステイにて魔術師を育てる為に様々な魔術書を補完するために作られた世界屈指の図書館。やがて、魔術師以外の知識人にも使われるようになっていき、魔術書だけでなく、様々なジャンルの原本が蔵書されるようになった。
蔵書数は脅威の1憶2000万点。そのうち3000万が外から持ち運ばれたもので、9000万がゴッズステイで出版されている本の原本である。
俺は行った事は無い。そもそも本はあまり好きではないので行く気になれなかったし、わざわざ原本を読むために行こうとは思えなかったので絵でしかその様子を見た事が無かった。
紹介されていた本に描かれていた絵の魔術師達の図書館は美しいの一言で言い表せない程圧巻の造形だった。何も知らない人に絵だけを見せたら上級貴族の館だと勘違いするくらいには図書館とは思えない優美さを持ち合わせていた。
そんな図書館が今目の前にある。瘴気が蔓延し、半壊した状態で。
「酷いな・・・これじゃあルピスも」
「いえ、大丈夫な可能性があります。彼も僕らと同じ浄化の眷属。ここにゴッズステイの全ての原本が存在しているというのなら、浄化の眷属の瘴気からの身の護り方についての本も読んでいる可能性があります。身を守って何処かに隠れているのかも」
「だと良いな。最悪の可能性は考えておけ。さもなくば上げて落とされるんだからなっ!」
オルタは全身を浄化の奇跡を覆う。継続時間は約120分だ。
「周囲の瘴気は薄いですね・・・館内から漏れ出しているような感じがします。図書館内で瘴気の穴が発生したんでしょうか?」
「憩いの場として中庭があるらしい。恐らくそこから発生したんじゃないか?」
「じゃあ、そこを一旦目指しましょう。奇跡が保てなくなったら遠慮なく行ってくださいね。安全地帯を作るんで」
「ああ、悪いな」
かつては豪華な装飾が施されていたであろう壊れた扉を退かし、図書館内へと入る。ちゃんと出入口から入ったので受付の前に来る事が出来た。既に受付の時点で数えきれない程の本棚と無数の本が収納されていたのだろう。足元に本が散乱している。
人の死体は・・・何故かなかった。全員逃げられたのだろうか?だとするなら、近くの村にいるはず。つい先日最寄りの村によったが、魔術師達の図書館から来たという人はいなかった。まずありえない事と対面した為か、この施設の不気味さ増したような気がする。
そんな中、二階へと続く階段から一定のリズムで降りてくる足音が聞こえてきた。
蔵書数は脅威の1憶2000万点。そのうち3000万が外から持ち運ばれたもので、9000万がゴッズステイで出版されている本の原本である。
俺は行った事は無い。そもそも本はあまり好きではないので行く気になれなかったし、わざわざ原本を読むために行こうとは思えなかったので絵でしかその様子を見た事が無かった。
紹介されていた本に描かれていた絵の魔術師達の図書館は美しいの一言で言い表せない程圧巻の造形だった。何も知らない人に絵だけを見せたら上級貴族の館だと勘違いするくらいには図書館とは思えない優美さを持ち合わせていた。
そんな図書館が今目の前にある。瘴気が蔓延し、半壊した状態で。
「酷いな・・・これじゃあルピスも」
「いえ、大丈夫な可能性があります。彼も僕らと同じ浄化の眷属。ここにゴッズステイの全ての原本が存在しているというのなら、浄化の眷属の瘴気からの身の護り方についての本も読んでいる可能性があります。身を守って何処かに隠れているのかも」
「だと良いな。最悪の可能性は考えておけ。さもなくば上げて落とされるんだからなっ!」
オルタは全身を浄化の奇跡を覆う。継続時間は約120分だ。
「周囲の瘴気は薄いですね・・・館内から漏れ出しているような感じがします。図書館内で瘴気の穴が発生したんでしょうか?」
「憩いの場として中庭があるらしい。恐らくそこから発生したんじゃないか?」
「じゃあ、そこを一旦目指しましょう。奇跡が保てなくなったら遠慮なく行ってくださいね。安全地帯を作るんで」
「ああ、悪いな」
かつては豪華な装飾が施されていたであろう壊れた扉を退かし、図書館内へと入る。ちゃんと出入口から入ったので受付の前に来る事が出来た。既に受付の時点で数えきれない程の本棚と無数の本が収納されていたのだろう。足元に本が散乱している。
人の死体は・・・何故かなかった。全員逃げられたのだろうか?だとするなら、近くの村にいるはず。つい先日最寄りの村によったが、魔術師達の図書館から来たという人はいなかった。まずありえない事と対面した為か、この施設の不気味さ増したような気がする。
そんな中、二階へと続く階段から一定のリズムで降りてくる足音が聞こえてきた。
10
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説

錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。
いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成!
この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。
戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。
これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。
彼の行く先は天国か?それとも...?
誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。
小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中!
現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。

ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる