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三章 魔術師達の図書館
67話 新しい武器
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「なんだガル。知らないのか?3ヶ月間も外に出ていたのに世間知らずはまだ抜けきっていないみたいだな」
「副団長は知っているんですか?」
「勿論だ。ゴッズステイの最西端にある城並みの大きさを誇る巨大な図書館だ。ゴッズステイ中の本の原本が収められているゴッズステイが生まれてからずっと存在する由緒正しき施設だ」
「全然知りませんでした・・・そんな所があるんですね」
「逆にお前は知らなすぎだ。この旅でゴッズステイの事を更に知れ。無知は罪だぞ」
「はい・・・それで、どうしてそこに行ったら瘴族について知る事ができるかもしれないんですか?」
「この世には複製されずに原本のみが存在する本が存在します。そんな本が魔術師達の図書館には多く眠っているとされているのです。ですので、もしかしたら魔術師達の図書館に瘴族に関して書かれた書物が存在するかもしれません」
「可能性としてはありえますが・・・そんな知識書があるとするならば、どうして複製して出版しなかったんでしょうか?ゴッズステイに住む者にとって、瘴気と瘴族は切って離せない存在。出版して世間的な一般常識として広めるべきでは?」
「本として出すには情報不足で未完成という可能性もあるだろう?なにせ、瘴族は今回を含めて3度しか出現していない上に出現する感覚は大きく開いているからな」
「確かに・・・じゃあ、未完成でも瘴族に関しての情報が書かれた知識書が存在する可能性は大いにあり得ますね。そうと決まれば早速行きましょうか!」
「行くって、何にも武器も持っていないのに?」
「・・・あ」
魔物化した姉さんを殺す際に使った身無しの騎士の剣は既にナマクラと化している。貰ったタワーシールドもあちこちに凹みが出来ていていつ壊れても何らおかしくはない様子だ。無事なのは皮鎧だけという最悪の状態だ。
「それならご心配なく。盾はガルさんが眠っている間に腕利きの鍛冶職人に打ち直してもらいましたので。おぉい、誰か持ってきてくれ」
「はいよ~~」
運ばれてきたタワーシールドは確かに僕のだった。しかし、凹みだけでなく血のシミや錆びが消え、新品同然となっている。
「凄い・・・ありがとうございます」
「いえいえ、そして剣ですが、流石に直せなかったので新しいのを作ろうと思ったのですが、これがあったので磨いておきました。恐らくリリィさんも喜ばれると思われますよ」
そういって僕に手渡してきたのは、リリィ姉さんが使っていた片刃剣だった。
「・・・ありがとうございます」
ほんのりのだが、柄には人肌ぐらいの温もりを感じられた。
「副団長は知っているんですか?」
「勿論だ。ゴッズステイの最西端にある城並みの大きさを誇る巨大な図書館だ。ゴッズステイ中の本の原本が収められているゴッズステイが生まれてからずっと存在する由緒正しき施設だ」
「全然知りませんでした・・・そんな所があるんですね」
「逆にお前は知らなすぎだ。この旅でゴッズステイの事を更に知れ。無知は罪だぞ」
「はい・・・それで、どうしてそこに行ったら瘴族について知る事ができるかもしれないんですか?」
「この世には複製されずに原本のみが存在する本が存在します。そんな本が魔術師達の図書館には多く眠っているとされているのです。ですので、もしかしたら魔術師達の図書館に瘴族に関して書かれた書物が存在するかもしれません」
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「確かに・・・じゃあ、未完成でも瘴族に関しての情報が書かれた知識書が存在する可能性は大いにあり得ますね。そうと決まれば早速行きましょうか!」
「行くって、何にも武器も持っていないのに?」
「・・・あ」
魔物化した姉さんを殺す際に使った身無しの騎士の剣は既にナマクラと化している。貰ったタワーシールドもあちこちに凹みが出来ていていつ壊れても何らおかしくはない様子だ。無事なのは皮鎧だけという最悪の状態だ。
「それならご心配なく。盾はガルさんが眠っている間に腕利きの鍛冶職人に打ち直してもらいましたので。おぉい、誰か持ってきてくれ」
「はいよ~~」
運ばれてきたタワーシールドは確かに僕のだった。しかし、凹みだけでなく血のシミや錆びが消え、新品同然となっている。
「凄い・・・ありがとうございます」
「いえいえ、そして剣ですが、流石に直せなかったので新しいのを作ろうと思ったのですが、これがあったので磨いておきました。恐らくリリィさんも喜ばれると思われますよ」
そういって僕に手渡してきたのは、リリィ姉さんが使っていた片刃剣だった。
「・・・ありがとうございます」
ほんのりのだが、柄には人肌ぐらいの温もりを感じられた。
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