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二章 愛の対義語
60話 ばいばい姉さん
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「ガルゥ・・・どうして剣なんて向けるの?私ダヨ?リリィダヨ?」
「ええ、そうですね。貴女は紛れもなく元浄化騎士団団長のリリィだ」
「モトォ?何言ってるの?今モダヨォ・・・」
「・・・では、問います。何故人々を守る浄化の騎士団の団長が、人を殺すのですか?そして今も、僕の相棒を殺そうとしているのですか?」
今目の前にはリリィがいる。髪の毛は乱れ、額には大きなコブができ、体が全体が薄い灰色に染まり魔物と化した背信者リリィがいる。
そんな彼女が、空いた手で首を絞めている人物がいる。その人物は、僕の相棒であるトキであった。
「ガルゥ・・・私、スゴイ事ニ気ヅイチャッタノ!この女、魔物ダヨ。絶対ニソウダヨ。ダッテ、瘴気ヲドンナニ吸ッテモ魔物ニナラナインダモノ!」
「そうですか・・・では、ご自身はどうですか?貴方の姿は魔物では無いんですか?足元の水溜りでご自身の顔をよく見てみてください」
水溜りを覗き込み、自分の顔のチェックをするリリィ。しかし、彼女は首を傾げこう答えた。
「普通ダヨ?」
「そうですか・・・じゃあ、僕は魔物になります。魔物になってトキを助け貴女を殺します。貴女を苦しめない為に」
「エ・・・?」
剣を強く握り、リリィに近づく。リリィは動揺して動けないみたいだ。
「待ッテ待ッテ!仲間同士デ殺シ合ッテドウスルノ!?仲間なら一緒に殺そうよ!!」
「その通りですね。その理由でも僕は貴女と共闘する未来はありません。かといって、貴女を生かす未来もありません。待っているのは死のみです。これ以上、貴女自身を傷つけない為に殺します」
「ヤダヤダ!死ニタク無イ!ガルと一緒にいタい!!」
「ダメです、死んでください。皆の為にも貴女の為にも」
「ヤダヤダヤダ!ヤダーー!!・・・ッハ!サテハガルジャ無イナ!ガルノ姿ヲシタ魔物ダナ!卑怯者メ!殺ス!殺シテヤル!」
「はい、それで良いんです。それで」
リリィが戦闘態勢に入る。直立二足歩行の凛々しい佇まいではなく、四足歩行の獣のような戦い方になっている。
最早畜生と化したリリィに負けるはずがなく、突進してくるのを観察して避け、背中が僕の真下に来た瞬間に剣を思い切り突き刺した。
いつものプレートアーマーを着ていなかったので、貫通して時点にも剣が刺さった。感触的に心臓を刺しただろう。しかし、リリィは即死はしなかった。
「クソォ・・・!!魔物メ!オボエテロ!オマエがワタシを倒シテモガルがいる!ガルガクルマデ怯エテ待ッテイルンダナ!!」
「分かったよ・・・じゃあね、姉さん」
「ネェサン?・・・・・・ガル?」
僕の正体に勘づいた瞬間、その首を刎ねる。背信者リリィの体は灰となり風に乗ってどこかへと向かっていった。
「最後に余計な事言っちゃったな・・・」
「ええ、そうですね。貴女は紛れもなく元浄化騎士団団長のリリィだ」
「モトォ?何言ってるの?今モダヨォ・・・」
「・・・では、問います。何故人々を守る浄化の騎士団の団長が、人を殺すのですか?そして今も、僕の相棒を殺そうとしているのですか?」
今目の前にはリリィがいる。髪の毛は乱れ、額には大きなコブができ、体が全体が薄い灰色に染まり魔物と化した背信者リリィがいる。
そんな彼女が、空いた手で首を絞めている人物がいる。その人物は、僕の相棒であるトキであった。
「ガルゥ・・・私、スゴイ事ニ気ヅイチャッタノ!この女、魔物ダヨ。絶対ニソウダヨ。ダッテ、瘴気ヲドンナニ吸ッテモ魔物ニナラナインダモノ!」
「そうですか・・・では、ご自身はどうですか?貴方の姿は魔物では無いんですか?足元の水溜りでご自身の顔をよく見てみてください」
水溜りを覗き込み、自分の顔のチェックをするリリィ。しかし、彼女は首を傾げこう答えた。
「普通ダヨ?」
「そうですか・・・じゃあ、僕は魔物になります。魔物になってトキを助け貴女を殺します。貴女を苦しめない為に」
「エ・・・?」
剣を強く握り、リリィに近づく。リリィは動揺して動けないみたいだ。
「待ッテ待ッテ!仲間同士デ殺シ合ッテドウスルノ!?仲間なら一緒に殺そうよ!!」
「その通りですね。その理由でも僕は貴女と共闘する未来はありません。かといって、貴女を生かす未来もありません。待っているのは死のみです。これ以上、貴女自身を傷つけない為に殺します」
「ヤダヤダ!死ニタク無イ!ガルと一緒にいタい!!」
「ダメです、死んでください。皆の為にも貴女の為にも」
「ヤダヤダヤダ!ヤダーー!!・・・ッハ!サテハガルジャ無イナ!ガルノ姿ヲシタ魔物ダナ!卑怯者メ!殺ス!殺シテヤル!」
「はい、それで良いんです。それで」
リリィが戦闘態勢に入る。直立二足歩行の凛々しい佇まいではなく、四足歩行の獣のような戦い方になっている。
最早畜生と化したリリィに負けるはずがなく、突進してくるのを観察して避け、背中が僕の真下に来た瞬間に剣を思い切り突き刺した。
いつものプレートアーマーを着ていなかったので、貫通して時点にも剣が刺さった。感触的に心臓を刺しただろう。しかし、リリィは即死はしなかった。
「クソォ・・・!!魔物メ!オボエテロ!オマエがワタシを倒シテモガルがいる!ガルガクルマデ怯エテ待ッテイルンダナ!!」
「分かったよ・・・じゃあね、姉さん」
「ネェサン?・・・・・・ガル?」
僕の正体に勘づいた瞬間、その首を刎ねる。背信者リリィの体は灰となり風に乗ってどこかへと向かっていった。
「最後に余計な事言っちゃったな・・・」
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