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二章 愛の対義語
52話 瘴気から現れる者達
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「えっと・・・そこの君。瘴気と共に現れる瘴族の存在は知っているかな?知っているならば、何年前に瘴族が現れたのかを教えてはくれないかな?」
「190年前ですけど・・・」
「そんなに経ったのか・・・いや?以前は800年くらい待ったから比較的早い方か。浄化の女神の拘束力が弱まったからかな?コツコツと積み立てておいて本当に良かった」
800年前?浄化の女神の拘束力?一体何を言っているんだ?
「おや?驚いて思考が停止しているのか、それとも元から頭は良くないのか。どっちかは分からないけど、面倒だから先に言っておくけど、僕は瘴族さ」
「瘴族・・・まさか!最近の瘴気の異常発生や、ここの瘴気の多さは貴方達が復活するから・・・!!」
「点と点が線で結びついてみたいだね。頭が悪いというわけではないみたいで良かったよ。そういう君は、浄化の女神の眷属だね。瘴気の中にいても平気なのって君達しかいないもん」
僕達の事も知っているみたいだ。それにしても話し方はとても友好的だ。瘴族とは本来敵対する立場だというのに敵意というのが薄れてしまう。
「ちょっと悪いんだけど、後ろに下がってもらえないかな?あと二人来るんだ」
「なっ・・・!!させない!」
「戦うの?武器もないのに?」
ベッドから飛び出すようにここまで来てしまった為、先端が折れている剣すら持ってきていない。どう戦うか悩んでいる数秒の隙に二人は現れた。
「ふぃぃぃぃ!!ひっさびさの地上サイコー!!」
最初に出てきたのは妙に元気な矮躯の男。腰が曲がっており、ネズミのように出っ歯なのが特徴的だ。
「190年かい。さて、その間に強い戦士は生まれているのかな?」
次に出てきたのは、身長2mを優に超える筋骨隆々の巨女。二の腕の太さが僕の顔よりある。
「おい!そいつ浄化の眷属か!?」
「うん、そうみたいだね」
「顔は幼いが、佇まいからしてただ者じゃないね。互いに丸腰だし、戦ってもいいかい?」
「良いよ」
「クケケェ!その後殺しても良い?」
「良いよ。浄化の奇跡に焼かれないようにね」
巨女の瘴族が僕の前に立ち塞がる。どうやら戦う気満々のようだ。武器を持っていないので、戦法は魔法しか・・・いや、浄化の奇跡があるじゃないか。
「それじゃあ、いかせてもらうよ坊や!!」
「ッッ・・・!!はぁぁぁぁ!!」
浄化の奇跡を右手に込めて、巨女の腹に叩き込む。鍛えられた腹筋はとても硬く、拳はのめり込みすらしなかったが、巨女はとても苦しそうに腹を抱えて蹲った。
「えっ!?何で!?何であんなに強力な浄化の奇跡が使えるの!?自分の体を守る方にリソースを回しているのに!!」
「・・・ふむ、どうやら僕らが知っている浄化の眷属とは少し違う・・・特別みたいだね」
どうやら瘴族にとっても僕の存在はイレギュラーらしい。
「190年前ですけど・・・」
「そんなに経ったのか・・・いや?以前は800年くらい待ったから比較的早い方か。浄化の女神の拘束力が弱まったからかな?コツコツと積み立てておいて本当に良かった」
800年前?浄化の女神の拘束力?一体何を言っているんだ?
「おや?驚いて思考が停止しているのか、それとも元から頭は良くないのか。どっちかは分からないけど、面倒だから先に言っておくけど、僕は瘴族さ」
「瘴族・・・まさか!最近の瘴気の異常発生や、ここの瘴気の多さは貴方達が復活するから・・・!!」
「点と点が線で結びついてみたいだね。頭が悪いというわけではないみたいで良かったよ。そういう君は、浄化の女神の眷属だね。瘴気の中にいても平気なのって君達しかいないもん」
僕達の事も知っているみたいだ。それにしても話し方はとても友好的だ。瘴族とは本来敵対する立場だというのに敵意というのが薄れてしまう。
「ちょっと悪いんだけど、後ろに下がってもらえないかな?あと二人来るんだ」
「なっ・・・!!させない!」
「戦うの?武器もないのに?」
ベッドから飛び出すようにここまで来てしまった為、先端が折れている剣すら持ってきていない。どう戦うか悩んでいる数秒の隙に二人は現れた。
「ふぃぃぃぃ!!ひっさびさの地上サイコー!!」
最初に出てきたのは妙に元気な矮躯の男。腰が曲がっており、ネズミのように出っ歯なのが特徴的だ。
「190年かい。さて、その間に強い戦士は生まれているのかな?」
次に出てきたのは、身長2mを優に超える筋骨隆々の巨女。二の腕の太さが僕の顔よりある。
「おい!そいつ浄化の眷属か!?」
「うん、そうみたいだね」
「顔は幼いが、佇まいからしてただ者じゃないね。互いに丸腰だし、戦ってもいいかい?」
「良いよ」
「クケケェ!その後殺しても良い?」
「良いよ。浄化の奇跡に焼かれないようにね」
巨女の瘴族が僕の前に立ち塞がる。どうやら戦う気満々のようだ。武器を持っていないので、戦法は魔法しか・・・いや、浄化の奇跡があるじゃないか。
「それじゃあ、いかせてもらうよ坊や!!」
「ッッ・・・!!はぁぁぁぁ!!」
浄化の奇跡を右手に込めて、巨女の腹に叩き込む。鍛えられた腹筋はとても硬く、拳はのめり込みすらしなかったが、巨女はとても苦しそうに腹を抱えて蹲った。
「えっ!?何で!?何であんなに強力な浄化の奇跡が使えるの!?自分の体を守る方にリソースを回しているのに!!」
「・・・ふむ、どうやら僕らが知っている浄化の眷属とは少し違う・・・特別みたいだね」
どうやら瘴族にとっても僕の存在はイレギュラーらしい。
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