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二章 愛の対義語
51話 異常事態
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ドワーフの呼びかけを聞いた瞬間、ガルの体は起き上がった。ガル本人の意思ではない。ガルの体が反射で起き上がったのだ。
その次に意識が覚醒。ドワーフの言葉をもう一度聞き直した。
「それは本当ですか!?僕は確かに封印を施したはずですが!」
「ガルさんが塞いでくれた穴ではないんです!また別の穴ができてしまったんです!」
これまで、1つの穴を塞いだら違う所で開いてしまう事は良くあった。しかし、同じ場所から違う穴ができるのは初めての事だ。
ロックイーターの大きさと言い、瘴気の量と言いここは他の場所とはまるで違う。何か異質だ。
「団長と副団長は!?」
「逃げ遅れた皆さんを助けに行ってくれています。お願いですガルさん。どうか助けてください」
そんな事言われなくたって助ける。
「トキは起さないで上げてください。彼女は一番疲れているんで」
「分かりました。瘴気の発生場所は岩の男神様の神像付近です。お願いします・・・!!」
これまた最悪な場所で発生してしまっているな。ドワーフの人達が瘴気を収める為に祈りを捧げていた場所から瘴気が発生するだなんて・・・しかも、この集落の中で一番人が集まる場所じゃないか。
何も装備せずに走っていくと、言われた通り、祈りの部屋から視界が阻害される程の瘴気が溢れていた。その中からドワーフを救出しているのは浄化の奇跡を全身に纏った団長と副団長だ。
「起きるのが遅い!」
「ガル!まず先に瘴気の穴を塞いで!!出てくる量が凄いの!!このままだと部屋から漏れ出しちゃう!!」
「分かりました!!」
そこらへんにあった岩を担ぎ、瘴気の中へと入っていく。案の定前すら見えなかったが、瘴気の流れを見て何処から噴き出しているのかを把握。足で地面を探り、瘴気が噴き出している発見。
「ここだ!!」
岩が割れないように、穴目掛けて岩を下ろす。しかし、岩は押し戻されてしまった。
「・・・え?」
瘴気の出る量が凄まじくて岩を吹き飛ばした?いや、違う。まるで人の手によって押し戻されるみたいな感触だったが、今のは一体・・・?
「邪魔。今から出てくるのに邪魔するなよ」
穴から人の声が聴こえてくる。驚いている間に穴を塞ごうとした岩は完全に押し戻されてしまい、穴から人間のものと思わしき腕が飛び出してくる。腕は地面を掴むと、腕の力で体を持ち上げ、その姿を現す。
「ふう・・・あれから一体何年経ったんだろうか。まずそこから調べないとね」
現れたのは額の一対のツノを生やした灰色の青年だった。
その次に意識が覚醒。ドワーフの言葉をもう一度聞き直した。
「それは本当ですか!?僕は確かに封印を施したはずですが!」
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これまで、1つの穴を塞いだら違う所で開いてしまう事は良くあった。しかし、同じ場所から違う穴ができるのは初めての事だ。
ロックイーターの大きさと言い、瘴気の量と言いここは他の場所とはまるで違う。何か異質だ。
「団長と副団長は!?」
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「ここだ!!」
岩が割れないように、穴目掛けて岩を下ろす。しかし、岩は押し戻されてしまった。
「・・・え?」
瘴気の出る量が凄まじくて岩を吹き飛ばした?いや、違う。まるで人の手によって押し戻されるみたいな感触だったが、今のは一体・・・?
「邪魔。今から出てくるのに邪魔するなよ」
穴から人の声が聴こえてくる。驚いている間に穴を塞ごうとした岩は完全に押し戻されてしまい、穴から人間のものと思わしき腕が飛び出してくる。腕は地面を掴むと、腕の力で体を持ち上げ、その姿を現す。
「ふう・・・あれから一体何年経ったんだろうか。まずそこから調べないとね」
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