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二章 愛の対義語
45話 岩喰い
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鉱山の永遠には続かない。適度に浄化しながら進んでいくと、妙に開けた場所に辿り着いた。広さは半径100m高さは20mはある巨大な空間だ。
ドワーフが作った中間休憩所だろうか?それにしてはあまりにも広すぎるし、人が生活をしていた気配すらない。
一体何のために作られたんだ?いや、そもそもドワーフが作ったんだろうか?あまりにも綺麗な空間だったのでそう認識していたけれども、ドワーフが20mもの高さの空間を作れるのだろうか?
技術的には作れるかもしれない。しかし、身体的にそれは不可能だ。浮遊の魔術だって規定重量を超えてしまえば落下してしまう。魔術を用いてこんな広い空間を作るだなんて不可能に近い。
それにだ。こんなに広い中間休憩所を作る必要があるのだろうか?大人数で鉱山に入るとしても、こんな広い空間は不必要のはずだ。
天然の空洞というには少し綺麗すぎる。これはまさか・・・。
「魔物の巣?」
瞬間、再び地震が発生。先程よりも激しい揺れに派手にずっこけてしまう。
「な、なに!?一体何が起きているの!?」
目の前の地面が盛り上がり、大剣のような巨大な顎を持った巨大な蠕虫が姿を現す。
「キキャアアアアアア!!」
幼い頃に出会った商人の話を再び思い出す。鉄を喰らう虫の話を。恐らく目の前にいる魔物がそれだ。瘴気を吸収して魔物と化してしまったみたいだ。
「岩喰い・・・!!」
そして、魔物図鑑でも見た事がある。岩と鉱石を喰らい、邪魔となる人間を殺す縄張り意識の高い魔物だと書かれていた。図鑑に書かれていた情報によるとロックイーターは全長2~3mとされているがどう考えてもそれよりも大きい。10mは優に超えている。突然変異か、記録ミスか。
今僕達がいる巨大な空間もロックイーターが作ったんだろう。そして、僕達はその巣に足を踏み入れてしまった。既に殺害対象となっているだろう。
「キャアアアアァァァ!!」
甲高い鳴き声を上げながら襲ってくるロックイーター。デカい図体の癖に攻撃を当てるまでがとても素早く、しっかりと盾を構えていたのに盾ごと体を吹き飛ばされてしまう。顎の攻撃を受け止めた盾にはロックイーターの顎型の凹みが出来てしまった。
トロール相手にもこんなに大きな凹みは出来なかった事から余程の力の持ち主なのだろう。それに、10m級の魔物を相手するのは初めてだ。さて、弱点は魔物図鑑通りなのだろうか?
「浄化の女神よ、僕の戦いを見届けてください」
ドワーフが作った中間休憩所だろうか?それにしてはあまりにも広すぎるし、人が生活をしていた気配すらない。
一体何のために作られたんだ?いや、そもそもドワーフが作ったんだろうか?あまりにも綺麗な空間だったのでそう認識していたけれども、ドワーフが20mもの高さの空間を作れるのだろうか?
技術的には作れるかもしれない。しかし、身体的にそれは不可能だ。浮遊の魔術だって規定重量を超えてしまえば落下してしまう。魔術を用いてこんな広い空間を作るだなんて不可能に近い。
それにだ。こんなに広い中間休憩所を作る必要があるのだろうか?大人数で鉱山に入るとしても、こんな広い空間は不必要のはずだ。
天然の空洞というには少し綺麗すぎる。これはまさか・・・。
「魔物の巣?」
瞬間、再び地震が発生。先程よりも激しい揺れに派手にずっこけてしまう。
「な、なに!?一体何が起きているの!?」
目の前の地面が盛り上がり、大剣のような巨大な顎を持った巨大な蠕虫が姿を現す。
「キキャアアアアアア!!」
幼い頃に出会った商人の話を再び思い出す。鉄を喰らう虫の話を。恐らく目の前にいる魔物がそれだ。瘴気を吸収して魔物と化してしまったみたいだ。
「岩喰い・・・!!」
そして、魔物図鑑でも見た事がある。岩と鉱石を喰らい、邪魔となる人間を殺す縄張り意識の高い魔物だと書かれていた。図鑑に書かれていた情報によるとロックイーターは全長2~3mとされているがどう考えてもそれよりも大きい。10mは優に超えている。突然変異か、記録ミスか。
今僕達がいる巨大な空間もロックイーターが作ったんだろう。そして、僕達はその巣に足を踏み入れてしまった。既に殺害対象となっているだろう。
「キャアアアアァァァ!!」
甲高い鳴き声を上げながら襲ってくるロックイーター。デカい図体の癖に攻撃を当てるまでがとても素早く、しっかりと盾を構えていたのに盾ごと体を吹き飛ばされてしまう。顎の攻撃を受け止めた盾にはロックイーターの顎型の凹みが出来てしまった。
トロール相手にもこんなに大きな凹みは出来なかった事から余程の力の持ち主なのだろう。それに、10m級の魔物を相手するのは初めてだ。さて、弱点は魔物図鑑通りなのだろうか?
「浄化の女神よ、僕の戦いを見届けてください」
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