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二章 愛の対義語
44話 ガルの成長
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「あ・・・あぁ・・・」
歩いていると、奥から声が聴こえてくる。今にも死にそうな人間の声だ。剣を抜き、警戒しながら奥へと進むと、何か硬い物を蹴ってしまった。思わず視線を下に向けてみると、つるはしが落ちていた。持ち手には既に感想した黒い血液が付着している。豆が潰れた結果、持ち手の部分に血が付着してしまったんだろう。
「ガル!もしかして生存者じゃないかな?」
「いや、そんなわけがない。理性の無いうめき声から察するに魔物でしょうね」
リリィとオルタが魔物退治の旅に出てから2週間に対して、ガルとトキは既に3ヶ月。踏んだ場数の違いがここにきて現れる。
「良く考えてみてください。岩を退かしたらあふれ出てくるまで瘴気が鉱山内で溜まっていたのに、安全地帯があると思いますか?」
「・・・・・・」
「もし、まだ希望を持っているというのなら、ここで捨て去ってください。ここに希望はありません。あるのは死だけです。トキ・・・」
「うん、いる。4体」
既に人とは数えておらず、ガルとトキは魔物と認識している。
トキが周辺の瘴気を吸い上げる。すると、瘴気の中からドワーフが現れた。ドワーフは既に正気を失っており、魔物にならなかった元仲間の肉を獣のように喰らっている。
「え・・・何、あれ・・・」
「背信者です。人間が生きたまま瘴気を吸収して魔物化した姿です。髪の毛を含めて全身が灰色に染まり、魔物と同じ思考になります。個体によっては人間時代の特技やら魔術を使えるますが、あの個体は既に人間時代の面影を残していないみたいですね。原因としては瘴気の過剰摂取説と、個体差説がありますが、僕は研究者ではないので分かりません」
淡々と3ヶ月間で学んだ知識を披露するガル。
「そして、ああなってしまった背信者は生物を見つけ次第襲ってきます。あんな風にね」
ガルが指差す先は背信者となってしまった4人のドワーフ。彼等は新鮮な肉を見つけてしまったようで、全速力で走ってきた。
ガルは剣は構えず、タワーシールドを構えると、向かってくる背信者4体に向かってタワーシールドを回転するようにして投げた。
低い姿勢から投げたので、背信者4体の顔面に見事直撃。脳震盪が起きてしまったみたいで、すぐさま起き上がろうとはしなかった。
その隙に両手の平から浄化の奇跡の発動。腕は二本しかないので、2回に分けて4体を浄化。1分後には灰しか残っていなかった。
「これが一番楽な背信者の倒し方です。覚えて損は無いので是非覚えて行ってください」
リリィとオルタが初めてガルに知識を教わった瞬間である。
歩いていると、奥から声が聴こえてくる。今にも死にそうな人間の声だ。剣を抜き、警戒しながら奥へと進むと、何か硬い物を蹴ってしまった。思わず視線を下に向けてみると、つるはしが落ちていた。持ち手には既に感想した黒い血液が付着している。豆が潰れた結果、持ち手の部分に血が付着してしまったんだろう。
「ガル!もしかして生存者じゃないかな?」
「いや、そんなわけがない。理性の無いうめき声から察するに魔物でしょうね」
リリィとオルタが魔物退治の旅に出てから2週間に対して、ガルとトキは既に3ヶ月。踏んだ場数の違いがここにきて現れる。
「良く考えてみてください。岩を退かしたらあふれ出てくるまで瘴気が鉱山内で溜まっていたのに、安全地帯があると思いますか?」
「・・・・・・」
「もし、まだ希望を持っているというのなら、ここで捨て去ってください。ここに希望はありません。あるのは死だけです。トキ・・・」
「うん、いる。4体」
既に人とは数えておらず、ガルとトキは魔物と認識している。
トキが周辺の瘴気を吸い上げる。すると、瘴気の中からドワーフが現れた。ドワーフは既に正気を失っており、魔物にならなかった元仲間の肉を獣のように喰らっている。
「え・・・何、あれ・・・」
「背信者です。人間が生きたまま瘴気を吸収して魔物化した姿です。髪の毛を含めて全身が灰色に染まり、魔物と同じ思考になります。個体によっては人間時代の特技やら魔術を使えるますが、あの個体は既に人間時代の面影を残していないみたいですね。原因としては瘴気の過剰摂取説と、個体差説がありますが、僕は研究者ではないので分かりません」
淡々と3ヶ月間で学んだ知識を披露するガル。
「そして、ああなってしまった背信者は生物を見つけ次第襲ってきます。あんな風にね」
ガルが指差す先は背信者となってしまった4人のドワーフ。彼等は新鮮な肉を見つけてしまったようで、全速力で走ってきた。
ガルは剣は構えず、タワーシールドを構えると、向かってくる背信者4体に向かってタワーシールドを回転するようにして投げた。
低い姿勢から投げたので、背信者4体の顔面に見事直撃。脳震盪が起きてしまったみたいで、すぐさま起き上がろうとはしなかった。
その隙に両手の平から浄化の奇跡の発動。腕は二本しかないので、2回に分けて4体を浄化。1分後には灰しか残っていなかった。
「これが一番楽な背信者の倒し方です。覚えて損は無いので是非覚えて行ってください」
リリィとオルタが初めてガルに知識を教わった瞬間である。
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