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一章 使命と転生者
24話 毒の妖精
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リフレ洞窟は深く、意外と長い。もう何回下に降りる為にジャンプしたのか分からない。そして、地下になると空気が薄くなるのか、呼吸がしずらくなってきた。
「洞窟ってこんなに辛かったのか・・・また1つ勉強になったな。トキちゃんは大丈夫?」
「・・・?何が?」
「何がって息苦しくないのかって」
「全然息苦しくないよ。でもガルは苦しそう」
トキちゃんは土に埋もれていたからだろうか?空気が薄い場所でも問題なく動けるのだろうか?
それにしても寒い。脳みそがとろけたみたいに意識が朦朧としてきた。呼吸が不足していたらこんなにも体に影響が出るのか・・・?
「ガル・・・わたしに触れて」
「・・・え?何で?」
「良いから、触って」
そういうと彼女は僕の手を引っ張って自分の頭へと持って行った。すると、浅かった呼吸が通常通りになり、朦朧だった意識も元に戻って行った。まるで冷たい水で洗顔したかのような爽快感だ。
「ふぅー!まるで生き返ったみたいだ。ありがとうねトキちゃん。一体何をしたの?」
「・・・わたしにも分からない。けど、これをしたらガルは元気になると思ったから」
トキちゃんを頭を撫でて癒されたから復活!というわけではなさそうだ。これも彼女が仕える神の奇跡なのだろうか?
「あとね、多分苦しそうにしてた原因はアレだと思う」
「アレ・・・?」
トキちゃんが指差すのは僕の真上。指差す先を目で追ってみると、そこには人の頭くらいの大きさの巨大な毒蛾が鱗粉を撒き散らしながら飛んでいた。
「毒の妖精か」
羽ばたく音が聞こえなかったので、存在に全然気づくことができなかった。かなり距離がある上に旋回しているので、剣を投げるにしても狙いが定まりにくい上に天井に突き刺さってしまう可能性がある。
なら、魔法で代用することにしよう。
「永遠を実現する結晶よ『アイス』!」
魔力で冷気を生み出し、氷を生成。槍を想像することで氷を槍の形に整える。投げる位置を固定し、その位置に毒の妖精が来たところで投擲。
「オラァ!!」
ど真ん中の心臓を狙ったのだが、そう上手くはいかず頭を突き刺してしまった。けれども、急所には変わらないので、変な緑の汁を出しながら落下。氷の重みと落下の影響で毒の妖精は元の姿を完全に失ってしまった。
「ガル、お疲れ。その液体、触らない方が良いよ。全部毒だから」
「分かるの?」
「うん、何と無く」
知識ゆえの判断ではなく、感覚由来の判断みたいだが、信用はできそうだ。彼女の感覚にどんどん頼っていく事にしよう。
「洞窟ってこんなに辛かったのか・・・また1つ勉強になったな。トキちゃんは大丈夫?」
「・・・?何が?」
「何がって息苦しくないのかって」
「全然息苦しくないよ。でもガルは苦しそう」
トキちゃんは土に埋もれていたからだろうか?空気が薄い場所でも問題なく動けるのだろうか?
それにしても寒い。脳みそがとろけたみたいに意識が朦朧としてきた。呼吸が不足していたらこんなにも体に影響が出るのか・・・?
「ガル・・・わたしに触れて」
「・・・え?何で?」
「良いから、触って」
そういうと彼女は僕の手を引っ張って自分の頭へと持って行った。すると、浅かった呼吸が通常通りになり、朦朧だった意識も元に戻って行った。まるで冷たい水で洗顔したかのような爽快感だ。
「ふぅー!まるで生き返ったみたいだ。ありがとうねトキちゃん。一体何をしたの?」
「・・・わたしにも分からない。けど、これをしたらガルは元気になると思ったから」
トキちゃんを頭を撫でて癒されたから復活!というわけではなさそうだ。これも彼女が仕える神の奇跡なのだろうか?
「あとね、多分苦しそうにしてた原因はアレだと思う」
「アレ・・・?」
トキちゃんが指差すのは僕の真上。指差す先を目で追ってみると、そこには人の頭くらいの大きさの巨大な毒蛾が鱗粉を撒き散らしながら飛んでいた。
「毒の妖精か」
羽ばたく音が聞こえなかったので、存在に全然気づくことができなかった。かなり距離がある上に旋回しているので、剣を投げるにしても狙いが定まりにくい上に天井に突き刺さってしまう可能性がある。
なら、魔法で代用することにしよう。
「永遠を実現する結晶よ『アイス』!」
魔力で冷気を生み出し、氷を生成。槍を想像することで氷を槍の形に整える。投げる位置を固定し、その位置に毒の妖精が来たところで投擲。
「オラァ!!」
ど真ん中の心臓を狙ったのだが、そう上手くはいかず頭を突き刺してしまった。けれども、急所には変わらないので、変な緑の汁を出しながら落下。氷の重みと落下の影響で毒の妖精は元の姿を完全に失ってしまった。
「ガル、お疲れ。その液体、触らない方が良いよ。全部毒だから」
「分かるの?」
「うん、何と無く」
知識ゆえの判断ではなく、感覚由来の判断みたいだが、信用はできそうだ。彼女の感覚にどんどん頼っていく事にしよう。
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