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一章 使命と転生者
20話 トキの瞳の色
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探索するには難しい時間とはいってもまだ火は暮れていない。なので、明日の準備とやりたい事をやろうと思う。
まずは、明日の準備だ。探索に不要な物は預かってくれるらしいので、遠慮なく替えの服や、調理道具とは置いていく。それだけでリュックが嘘みたいに軽くなった。
「さて、次は・・・トキちゃん、君の髪の毛だ」
「わたしの、髪の毛?」
「移動するには少し毛量が多いから切らせてもらうけど良いかな?」
「うん、良いよ」
本当に自分で考えて言ったかどうかは不明だが、許可はもらえたので、良しとしよう。
しかし、肝心のハサミが無い。エルフに借りようとしたけれども、そもそも彼らは金属が嫌いなので、ハサミなんて持っているわけがない。
大雑把になってしまうが剣で斬ろうかと考えたが、魔物を斬っている剣で髪の毛を斬ったら、髪の毛が瘴気に侵されてしまいそうだ。さて、どうしたものか・・・。
「そういえば、エルフってどうやって散髪してるんだろう?」
エルフだって生き物だ。毛や爪は伸びる。そんな時どうやって切っているのだろうか?そのやり方を教えてもらえば彼女の髪の毛を切れるかもしれない。
集落の中で1番僕を信用してくれている長老の娘さんに聞いてみることにした。
「切れ味の良い葉っぱがあるんだ。それを重ねて挟んで切ってるの。でも、あいにくその葉っぱは品を切らしてるの。ごめんね」
「そうですか・・・じゃあ、しばらくは髪の毛を結んで・・・」
「後は風の魔法を使って切る方法があるけどやってみる?」
「それでお願いします」
貸してもらっている建物の中で髪の毛を散らかすのは気が引けるので、外で髪の毛を切ることにする。
「切った髪の毛はそのままで良いよ。どうせ自然に帰るから」
人間から出た物なので、帰ることには帰るだろうが、相当時間はかかるのではないだろうか?いや、エルフからしたらすぐなんだろう。
「季節の運び屋よ『ウィンド』」
僕の右の手刀に風がまとわりつく。魔力を多めに使ったので、強い風を作る事ができた。手刀で髪の毛に触れると、しっかり切ることができた。
ハサミよりかは使いづらいが、不便というわけではないので、さっさと切っていく。
「そこを切ったら可愛くなくなっちゃうんじゃない?」
長老の娘さんに指導してもらいながら切ること1時間。とりあえず、肩までの長さにして目がはっきりと見えるくらいにまで切ってみたが、果たしてどうだろうか?
「・・・分からないけど、軽い」
まだオシャレに興味がないだけなのか、記憶と共にオシャレへの感心も薄れてしまったのだろうか。分からないが、ただ1つだけ分かった事がある。
「ダークグリーン・・・どの神様の信仰者なんだろう?」
「元の色じゃないよね?」
トキちゃんの瞳は見た事のない色をしていた。信仰する神によって瞳の色が変わるので、そこから色々と知る事ができると思っていたので、とても残念だ。
まずは、明日の準備だ。探索に不要な物は預かってくれるらしいので、遠慮なく替えの服や、調理道具とは置いていく。それだけでリュックが嘘みたいに軽くなった。
「さて、次は・・・トキちゃん、君の髪の毛だ」
「わたしの、髪の毛?」
「移動するには少し毛量が多いから切らせてもらうけど良いかな?」
「うん、良いよ」
本当に自分で考えて言ったかどうかは不明だが、許可はもらえたので、良しとしよう。
しかし、肝心のハサミが無い。エルフに借りようとしたけれども、そもそも彼らは金属が嫌いなので、ハサミなんて持っているわけがない。
大雑把になってしまうが剣で斬ろうかと考えたが、魔物を斬っている剣で髪の毛を斬ったら、髪の毛が瘴気に侵されてしまいそうだ。さて、どうしたものか・・・。
「そういえば、エルフってどうやって散髪してるんだろう?」
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「そうですか・・・じゃあ、しばらくは髪の毛を結んで・・・」
「後は風の魔法を使って切る方法があるけどやってみる?」
「それでお願いします」
貸してもらっている建物の中で髪の毛を散らかすのは気が引けるので、外で髪の毛を切ることにする。
「切った髪の毛はそのままで良いよ。どうせ自然に帰るから」
人間から出た物なので、帰ることには帰るだろうが、相当時間はかかるのではないだろうか?いや、エルフからしたらすぐなんだろう。
「季節の運び屋よ『ウィンド』」
僕の右の手刀に風がまとわりつく。魔力を多めに使ったので、強い風を作る事ができた。手刀で髪の毛に触れると、しっかり切ることができた。
ハサミよりかは使いづらいが、不便というわけではないので、さっさと切っていく。
「そこを切ったら可愛くなくなっちゃうんじゃない?」
長老の娘さんに指導してもらいながら切ること1時間。とりあえず、肩までの長さにして目がはっきりと見えるくらいにまで切ってみたが、果たしてどうだろうか?
「・・・分からないけど、軽い」
まだオシャレに興味がないだけなのか、記憶と共にオシャレへの感心も薄れてしまったのだろうか。分からないが、ただ1つだけ分かった事がある。
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「元の色じゃないよね?」
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