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22 丸投げ

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「あの方は魅了されているからそう言わされていたと言っていたっ!」

「いい加減にしろ!ドロネーアがなんと言おうとも、私は私の意思・・・・でアーシャを愛していると言っていたんだ!」

「はぅ……」
「くっ……」

ヴァーデの言葉にアーシャが顔を赤く染めて胸を押さえ、指差し男が悔し気な表情を浮かべます。

「こんなこの二人を見て、変わらない考え、彼こそドロネーア嬢に魅了されてたりして……」

「……………………………なかったけど……なるほど。」

「ヴァーデ様?」

「殿下達は徐々に魅了され、徐々におかしくなった。彼女の言うことしか信じていないから意見を変えない、彼女の意見にはおかしくても賛成していた。魅了の可能性あるかもと思ってね。」

「そんな、まさか?!本当に?」

「可能性があるね。」

「そんなことないっ!私達は彼女の優しさに惹かれたんだっ!魅了なんかじゃないっ!」

「今、魅了の可能性があるお前の言うことはもうどうでもいい。私達の実家で調査してもらう。それでいいですよね?ルイナス様。」

「ええ。魅了なんて私達にどうこうできません。お父様達に任せましょう。」

丸投げともいう……

「彼らだけで満足していれば露見しないで幸せだったかも知れないのにな……」

そうヴァーデが呟きました。

騒ぐ指差し男をカミィの蹴りで意識を落としました。

「でも、どうしてヴァーデは大丈夫だったのですか?」

「そんなの決まっているじゃないか!私の心がアーシャで一杯だからだ!」

「はぅ……」

「羨ましいですー。」

「そうですね。」

「私はルーナで一杯です!」

「わ、私もルーナお姉様で一杯です!」

「わ、私もルーナさんとヴァーデ様で一杯です。」

「そこは私だけと言ってほしかったよ。そんなアーシャが好きだ!」

王都を出てからますますヴァーデのアーシャ愛が溢れていますね。

「ありがとう。」


この後、魔法鳥をお父様達に送り、盗賊達を尋問しアジトやこれまでどんなことをしたかを聞き出しました。
私を指差し笑った男の盗賊団約七十人以外は、襲われた村の人達で脅され無理やり参加させられていたみたいでした。
通りで迂闊で呑気な盗賊が多いなと思いました。

盗賊団七十人も村人とあんまり変わりませんでしたけど……

私達と数名で数人しかいないアジトを襲撃、無力化しました。
情報通り村人の家族や拐われた人達がいました。
溜め込んでいた物を頂き、彼彼女らを連れて戻りました。
脅されていた村人達は再会を泣いて喜んでいます。

そんな彼らにある提案をしました。
彼らもわかっているのだ。
自分達が死刑軽くて鉱山行になることを……
だから、私の提案をすんなりと受け入れてくれました。

四日後オリジール騎士団が私達のところに盗賊団と指差し男を引き取りに来ました。
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