徒然なるままにならなかった日常

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No.5 はじめの一歩

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俺と柏倉は、二人で未定だらけの部活を作る事を決めた。
と言っても部活を作るための条件や規定などはさっぱりだ。俺は引きこもり気味、柏倉は転校生。
という訳で先人の知恵が必要となったのだ。
「誰なら分かるか……」
1年の頃は腐ったように家に引きこもり、友達の交流なども断ち切り、さながら鎖国状態だった俺からすれば、同級生など全員他人の為頼りようがないのだ。
「ほんと……どうしよう……」
それは柏倉も同様なようだ。
転校してきたばっかりで、友達とはっきり言える友達も俺しかいないようで、困りきってしまっている。
どうしたものか……
「あ、いるわ、この学校のことよく知ってる人で話せる人。」
「誰ですか?」
「それはな……」

......................................................

「それで私のところに来たわけね」
と、中村先生はいった。
学校に前からいて、それでいて話せる人。
まさに適材適所、ていうかこの人以外いないだろう。
「まぁうちの学校の部活動成立の条件は比較的緩いわよ」
「そうなんですか」
「えぇ、まず部員が二人以上いること、そして部の代表者がいること、最後に部活動の活動方針が固まってること、顧問がいること、以上の4点よ」
あと顧問ぐらいか……。
俺は先生の方をちらっと見た。
「え、私??」
先生は驚いた様子を見せた。
「お願いできますか……?」
柏倉も申し訳なさそうにお願いしている。
「俺からもお願いします」
「う、うーん」
「まぁ、空いてるといえば空いてるし、君達問題を起こすとは思えないしなぁ……」
「ならいいですかね……!!」
柏倉はなんか既に興奮している。
「仕方ないわね……先生に任せなさい!」
「ありがとうございます!!」
柏倉はすごく嬉しそうだ。俺もほっと一息ついた。
その後、近いうちに諸連絡をくれるらしい。
俺らは部活成立? の記念と今後の活動について話し合うため喫茶店に行った。
「橘くん、よくこんなおしゃれな店知ってますね……」
「喫茶店には詳しくてな」
「ほぇぇ……すごいです……」 
詳しい理由はオシャレでもなんでもなく、ゆっくり煙草を吸えるところを探していただけだった。
そして俺はアイスコーヒー、柏倉はパンケーキとラテを頼んでいた。すごいJK感。
「んふぅ……おいしいぃ……」
柏倉が目の前で溶けている。かわいい。
「さぁ、これからどうする??」
俺は本題を切り出すことにした。
「うーーんとですね、まずは不思議なことや、地域の都市伝説、などなどを募集したり探したりして調査して記事にする……とか……」
「お、おう、それでいいとおもうぞ」
完璧だ、多分前から考えていたのだろう。
「部員ももう少し欲しいなぁ……」
「そのうち増えるんじゃないか??」
「それもそうですね!」
まぁ増えなかったら増えなくても全然構わない。変なやつが入るよりむしろマシだ。と俺は思っていたがまぁ腹の底にしまおう。
「部活の名前きめましょうよ!」
柏倉が楽しそうにそう言った。
「うーんとそうだな、なんか案は……」
「私、あるんです」
ほほう
「何でしょう柏倉さん」
「それはですね……」
「解明部!!」
「お、おう」
なんかましなの無かったのかな……しかし柏倉の顔が過去一キラキラしていてそれを変えることなどできなかった。自分が好きなことをしてる時の柏倉はすごいキラキラしている。
柏倉の特徴メモその2ができたな。
え? その1はなんだって?







よく噛むことに決まっているだろ?
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