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物質の解放
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そんな人騒動があった日もその次の日…つまり文化祭の最後の日も、龍央は現れることは無かった。
しかもその理由が…"家の用事"な挙句、教師達も全く疑問に思わないのかその欠席が受理されていた。
うちらの時は風邪でも受理されないってのに。
私らはもち意味不立ったから担任に直談判しに行った。
バンッ
「あんたさ、うちらのこと舐め腐ってんの?」
「なんだ、いきなり。」
担任はうちらのおこの声なんて気にも留めないらしく、書類を整理している。
そんな様子にもち机を叩いた張本人みゆきはブチ切れてプルプル震えている。
下手すると掴みかかるからな…みゆきは血が多いから。←"血の気が多い"ね。
「先生。」
私は大事にならないうちにと声を上げた。
「ん?」
担任はまだ書類を整理しながらこちらを見てはいない。
「私、龍央に預けてるものがあるんです。」
「預けてるもの?」
私の言葉に興味が出たのか、やっと担任は手を止めた。
ってまだこっち向かないんかい!!!!!
「…親からもらった大事なものです。」
私はどうにかあのアクセ達を返してもらいたかったからちょっと嘘ついた。
「…それは帰してもらわないと良くないな。」
すると担任は意外と単純らしくて簡単に私の言葉を信じた。
私は固い顔のまま頷いた。
その時、背後の扉が開いた。
誰かほかの人が来たのかと、私だけふと振り返った。
ッ…。
「…龍央…。」
「は?」
「ッあ゛!?」
私の言葉に、みゆきとさとはぐるんと首を龍央の方に向けた。
すると、龍央は軽く微笑んで私の目を見た。
そのメガネ越しの目は…やっぱり見覚えがあったけど、その目があまりに落ち着いてしまって私は1歩龍央に近づいた。
「莢菜さん。返すの遅れてごめんなさい。」
「ほんとにね。いい迷惑だったし。」
私が強い口調で威嚇すると、龍央は眉を下げてから私のアクセを入れた箱をそのまま渡した。
そんなさみしそうな顔してる割には呆気なく渡して、そうやって背を向ける。
「ねぇ。」
私の声に、龍央は元の顔で振り返った。
「なんで文化祭来なかったの?うちらが真面目にやらないかもしれなかったじゃん。」
私がそう問うと、龍央はクスッと笑った。
「莢菜さんならやってくれるって分かってたからかな。」
「は?」
「また明日、学校でね。」
そう言って龍央は職員室の扉をしめた。
…何であいつ…急に敬語なくなった…?
「何あれ。」
「さぁ。」
それから私らは放課後の静まり返ったクラスに3人で座った。
私は返ってきたアクセの入った箱を開けた。
すると何一つ傷がついていないアクセたちにホッとした。
…ん?何これ。
私が一つ一つのアクセを取り出すと一番下に紙が四つ折りになって入っていた。
思い切って取り出すと、両隣に座ったふたりも顔を覗かせた。
「何これ。」
「手紙か何か?」
「…さぁ。」
紙を開くと、そこにはこう綴られていた。
……………………………………………
中村莢菜さん
遠回しに伝えてもあなたに届かないかもしれないので単刀直入に。
あなたに惚れてます。
お付き合いをして頂けますか?
……………………………………………
え…。
「ッ…これ…。」
ラブレターぁあ!?!?
私が固まっていると、横でみゆきが声を上げた。
「…あいつ…。」
「ちょ、みゆき!?」
そして血相を変えて、クラスを飛び出していった。私は追いかけようにも驚きすぎて腰を抜かしていた。
「ラブレターだね。」
そしてこの紙を確信に変える一言をさとはあっけらかんと口にする。
「…どうしよ…。」
私がさとを見ると、さとはニンマリと笑った。
やだこの子、絶対面白がってるッ。
「さやが決めることだよ。」
「…え?」
「それはさやが決めること。フォローならうちもみゆきも喜んでする。」
「…さと…。」
さとがすごく心強いこと言った。
私が感心したのもつかの間、さとはバッグからお菓子を取り出した。
「とりま食べる?」
「」
すごく甘そうなお菓子に、胸がつかえそうな私は首を横に振って手で制した。
しかもその理由が…"家の用事"な挙句、教師達も全く疑問に思わないのかその欠席が受理されていた。
うちらの時は風邪でも受理されないってのに。
私らはもち意味不立ったから担任に直談判しに行った。
バンッ
「あんたさ、うちらのこと舐め腐ってんの?」
「なんだ、いきなり。」
担任はうちらのおこの声なんて気にも留めないらしく、書類を整理している。
そんな様子にもち机を叩いた張本人みゆきはブチ切れてプルプル震えている。
下手すると掴みかかるからな…みゆきは血が多いから。←"血の気が多い"ね。
「先生。」
私は大事にならないうちにと声を上げた。
「ん?」
担任はまだ書類を整理しながらこちらを見てはいない。
「私、龍央に預けてるものがあるんです。」
「預けてるもの?」
私の言葉に興味が出たのか、やっと担任は手を止めた。
ってまだこっち向かないんかい!!!!!
「…親からもらった大事なものです。」
私はどうにかあのアクセ達を返してもらいたかったからちょっと嘘ついた。
「…それは帰してもらわないと良くないな。」
すると担任は意外と単純らしくて簡単に私の言葉を信じた。
私は固い顔のまま頷いた。
その時、背後の扉が開いた。
誰かほかの人が来たのかと、私だけふと振り返った。
ッ…。
「…龍央…。」
「は?」
「ッあ゛!?」
私の言葉に、みゆきとさとはぐるんと首を龍央の方に向けた。
すると、龍央は軽く微笑んで私の目を見た。
そのメガネ越しの目は…やっぱり見覚えがあったけど、その目があまりに落ち着いてしまって私は1歩龍央に近づいた。
「莢菜さん。返すの遅れてごめんなさい。」
「ほんとにね。いい迷惑だったし。」
私が強い口調で威嚇すると、龍央は眉を下げてから私のアクセを入れた箱をそのまま渡した。
そんなさみしそうな顔してる割には呆気なく渡して、そうやって背を向ける。
「ねぇ。」
私の声に、龍央は元の顔で振り返った。
「なんで文化祭来なかったの?うちらが真面目にやらないかもしれなかったじゃん。」
私がそう問うと、龍央はクスッと笑った。
「莢菜さんならやってくれるって分かってたからかな。」
「は?」
「また明日、学校でね。」
そう言って龍央は職員室の扉をしめた。
…何であいつ…急に敬語なくなった…?
「何あれ。」
「さぁ。」
それから私らは放課後の静まり返ったクラスに3人で座った。
私は返ってきたアクセの入った箱を開けた。
すると何一つ傷がついていないアクセたちにホッとした。
…ん?何これ。
私が一つ一つのアクセを取り出すと一番下に紙が四つ折りになって入っていた。
思い切って取り出すと、両隣に座ったふたりも顔を覗かせた。
「何これ。」
「手紙か何か?」
「…さぁ。」
紙を開くと、そこにはこう綴られていた。
……………………………………………
中村莢菜さん
遠回しに伝えてもあなたに届かないかもしれないので単刀直入に。
あなたに惚れてます。
お付き合いをして頂けますか?
……………………………………………
え…。
「ッ…これ…。」
ラブレターぁあ!?!?
私が固まっていると、横でみゆきが声を上げた。
「…あいつ…。」
「ちょ、みゆき!?」
そして血相を変えて、クラスを飛び出していった。私は追いかけようにも驚きすぎて腰を抜かしていた。
「ラブレターだね。」
そしてこの紙を確信に変える一言をさとはあっけらかんと口にする。
「…どうしよ…。」
私がさとを見ると、さとはニンマリと笑った。
やだこの子、絶対面白がってるッ。
「さやが決めることだよ。」
「…え?」
「それはさやが決めること。フォローならうちもみゆきも喜んでする。」
「…さと…。」
さとがすごく心強いこと言った。
私が感心したのもつかの間、さとはバッグからお菓子を取り出した。
「とりま食べる?」
「」
すごく甘そうなお菓子に、胸がつかえそうな私は首を横に振って手で制した。
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