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※別世界3※
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「――っ!」
私の胸に大きな焦りが湧いて、思わずしゃがみ込んでしまった。こめかみには冷汗が垂れ、胸は激しく打っていた。
ドキドキドキドキ……と胸の音に耐えて丸まって、暫くすると扉が閉まる音と共に王子が戻ってきた。
「大丈夫?」
俯いたままコクリと頷いた。
「何か――……」
王子も外を見たようで、あぁと呟いた。
「また、良くないことを――」
冷え切った低い声で紡がれる言葉を私は遮った。
ユーリ様、と立ち上がり、そのまま王子の胸に縋り付いた。私は窓に背を向けていた。
「帰りたい……。帰りたいです、私、いつものお部屋に」
「……え?」王子は暫く私を見つめていた。まるで心を読むように、吸い込まれそうな澄んだ瞳を私に向けていた。
「…………やっぱり、ずっと地下室にいたいです」
小さく囁けば、ややあって王子は小さく息を吐いた。困ったように微笑んで私の頭を撫でていく。
「でも、それだと僕が君を自慢できないね」
すぅーっと髪を梳いた。
「見たくない? それとも見せたくない?」
「それは」考えてから首を振った。「分かりません……」
「そっか」言いながら王子は私の頬に手を添えた。怒ってはいないみたいだった。
「じゃあ、壊しておこうか?」
「ぇ……」
「君がどうでも良くなるように、先に壊しておこうね」
言い終えると同時に王子は私にキスをした。最初からねっとりと激しいもので、熱い舌が上顎を撫で回した。
「んふっ……んぅ」
ゾワゾワとこそばゆさが身体に迫り上がる。王子の胸に更に強く抱き付いた。王子は片手で私の腰を撫でながら、ゆっくりと私にも外が見えるよう移動した。
「ゆ、ユーリ様っ……」
慌てるも身動きできないようしっかりと押さえられる。
「大丈夫、キスするだけだから」
言いながらも、指で円を描くようにお尻をくすぐった。
「んっ……ふぅ」
柔らかく口内を嬲る舌はいつになく私を甘やかしてくる。口と腰の良いところを撫で回され、身体中に熱が駆け巡った。
「ゆ、ゆーりさま、もっ、もう……」
色んな意味で限界だった。見上げれば王子は窓外を眺めながら静かに頷いた。その表情には珍しく笑みは浮かんでおらず、私に顔を向けてから笑みを作り上げた。
「そうだね、もう大丈夫だと思うよ」
「え……」
「ちゃんと見てくれたみたいだよ」
「あ…………」その言葉にジワァと目元が熱くなり俯いた。「そう、ですか……」
呟けば、王子は私を抱き締めた。
「ありがとうね、僕を選んでくれて」
私は小さく頷いた。
「愛してるよ、レア」
もう一度頷いた。
「今日はもう帰ろうね?」
「……はい」
答えてから、私も王子を抱き締めた。
「ありがとうございます……」
熱い涙が溢れていき王子の服を濡らしていった。
良かった、私なんかを気にしていなくて。
良かった、変わらず過ごしていて。
こんなになってしまった私はもう、レオンに守って貰えるような存在ではないから。
私はもうレオンの隣には立てないから。
窓一枚隔てられた別世界、そこは私には眩しすぎるほどの綺麗な場所だった。
私がもう行けない場所だった。
私の胸に大きな焦りが湧いて、思わずしゃがみ込んでしまった。こめかみには冷汗が垂れ、胸は激しく打っていた。
ドキドキドキドキ……と胸の音に耐えて丸まって、暫くすると扉が閉まる音と共に王子が戻ってきた。
「大丈夫?」
俯いたままコクリと頷いた。
「何か――……」
王子も外を見たようで、あぁと呟いた。
「また、良くないことを――」
冷え切った低い声で紡がれる言葉を私は遮った。
ユーリ様、と立ち上がり、そのまま王子の胸に縋り付いた。私は窓に背を向けていた。
「帰りたい……。帰りたいです、私、いつものお部屋に」
「……え?」王子は暫く私を見つめていた。まるで心を読むように、吸い込まれそうな澄んだ瞳を私に向けていた。
「…………やっぱり、ずっと地下室にいたいです」
小さく囁けば、ややあって王子は小さく息を吐いた。困ったように微笑んで私の頭を撫でていく。
「でも、それだと僕が君を自慢できないね」
すぅーっと髪を梳いた。
「見たくない? それとも見せたくない?」
「それは」考えてから首を振った。「分かりません……」
「そっか」言いながら王子は私の頬に手を添えた。怒ってはいないみたいだった。
「じゃあ、壊しておこうか?」
「ぇ……」
「君がどうでも良くなるように、先に壊しておこうね」
言い終えると同時に王子は私にキスをした。最初からねっとりと激しいもので、熱い舌が上顎を撫で回した。
「んふっ……んぅ」
ゾワゾワとこそばゆさが身体に迫り上がる。王子の胸に更に強く抱き付いた。王子は片手で私の腰を撫でながら、ゆっくりと私にも外が見えるよう移動した。
「ゆ、ユーリ様っ……」
慌てるも身動きできないようしっかりと押さえられる。
「大丈夫、キスするだけだから」
言いながらも、指で円を描くようにお尻をくすぐった。
「んっ……ふぅ」
柔らかく口内を嬲る舌はいつになく私を甘やかしてくる。口と腰の良いところを撫で回され、身体中に熱が駆け巡った。
「ゆ、ゆーりさま、もっ、もう……」
色んな意味で限界だった。見上げれば王子は窓外を眺めながら静かに頷いた。その表情には珍しく笑みは浮かんでおらず、私に顔を向けてから笑みを作り上げた。
「そうだね、もう大丈夫だと思うよ」
「え……」
「ちゃんと見てくれたみたいだよ」
「あ…………」その言葉にジワァと目元が熱くなり俯いた。「そう、ですか……」
呟けば、王子は私を抱き締めた。
「ありがとうね、僕を選んでくれて」
私は小さく頷いた。
「愛してるよ、レア」
もう一度頷いた。
「今日はもう帰ろうね?」
「……はい」
答えてから、私も王子を抱き締めた。
「ありがとうございます……」
熱い涙が溢れていき王子の服を濡らしていった。
良かった、私なんかを気にしていなくて。
良かった、変わらず過ごしていて。
こんなになってしまった私はもう、レオンに守って貰えるような存在ではないから。
私はもうレオンの隣には立てないから。
窓一枚隔てられた別世界、そこは私には眩しすぎるほどの綺麗な場所だった。
私がもう行けない場所だった。
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