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※変化3※
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それから何時間経ったのか、身体が異様に熱く、苦しい呼吸に目が覚めた。ゆったりと身体を起こせば、ソファと下半身との接着面に妙な不快感を覚えた。
「なに……これ」
明らかにそこが冷たくなっていた。下着が濡れて張り付いているのだ。何故なのかというのは、すぐに分かった。
「……なんで」
変な夢を見たわけでもなかった。ただ、身体がムラムラと疼いていた。
「も――……」
僅かに苛立ちを覚えつつ、取り敢えず立ち上がって下着を脱いだ。
「替えとか……」
ペイッとソファに投げ捨てて、それらしきキャビネットを片っ端から漁っていく。けれど、どうやら完全に飾りのようだったらしく、キャビネットの中は全て空だった。
いつも着替えは王子が持ってくる。
つまり私は、王子がくるまでパンツを履けないということを意味していた。
ネグリジェの裾はロング丈。とはいえ、股がスースーした。
「……最悪」顔を顰めつつ、ふて寝するようにベッドへ潜り込んだ。
けれど、そう苛立ちを募らせられたのもほんの十分程度のことだった。
ジッとしていれば、再び強烈な火照りが身体を襲い出した。それだけでなく、何もつけていない下半身が更に疼く。胸がドクドクと音を立てていた。
じっとりと汗が滲んできて、私は布団を被っていられなくなった。横から剥いで、そのまま抱き枕のように抱え込む。
しかし、それが悪手だと気が付いたのはすぐだった。丁度布団が秘部に当たってしまうのだ。腰を動かしたくなる欲が湧き上がった。
だめ……。王子が見てるかもしれないし。
そう思って必死で堪えた。けれど、そう思えば思うほど、秘部のもどかしさは増していった。
触りたい、擦りたい、触りたい、擦りたい――
やらしいことがどんどん頭に浮かんできた。
「……ん」
少し力を入れるだけで快感がよぎり、揺らぎそうになる。
「ど……しよ」
王子に見られることは絶対だめだ。それをネタにされて何かされるに違いない。
けれど、腰が僅かに動いてしまうのを止めることができなかった。
「あ……っ」
王子にされるのとは違う、優しい刺激が秘部を包んだ。数回身体をくねらせると、丁度ガチャッと開錠音が耳を掠めた。
ビクッと身を強張らせ、動きを止める。扉を凝視した。
案の定、扉が開いて王子が部屋に入ってきた。
「ただいま」
「…………お、おかえりなさい」
私は顔を布団で隠すように返事をした。
「何してたの?」
「ね、寝てました」
答えれば、ふっと吹き出すように笑われた。それから、大きな歩みで私の元へ寄ってくる。
「調子はどう? 時間的に、今が一番辛い時だと思うけど?」
「……え」
覗き込まれるように問われ、私の思考は固まった。
そんな私に王子は「ジュース一杯飲んでくれたからねー」と。愉しげに言いながら、私の太腿を服越しにツツーッとなぞった。そこから、ネグリジェの裾を捲り上げる。何もつけていない下半身を露出させられた。
「やっ……」恥ずかしくて身を丸める。王子は不敵な笑みで見下ろした。
「やらしいね。ちょうどここが当たってたのかな?」
クスクスと笑いつつ、王子は秘部と布団の密着面に手を差し込んだ。挟んでいた部分を抜き取られ、恥ずかしい痴態が露わになる。捲れ上がったスカートを下ろして必死で隠した。
それを王子はあははと軽く笑う。
「すぐ見せるんだからそのままでいいのに」
言いながら脇と肩に手を添えた。私の身体をゆっくりと起こしていく。
「膝立ちになってね。あっ、服は踏まないように持ち上げといて」
まるで犯罪でも取り締まられるように淡々と言いつけられ、私は思わず従ってしまう。
王子は「そうそう」と言いながら、ベッドの背にもたれるように腰掛けて、足を組んで私を見た。冠のようなヘッドボードが相まって、いやに偉そうに見えた。
「ん――……、もうちょっと寄ってくれる?」
王子はツンツンと自分の肘を指差した。
「ここに跨るようにして」
「え……」
「早くね」
淡々と言いながら、鋭い目が私を射る。おずおずと近付いていった。
「偉いね。じゃあ気持ちよくしてあげるから、もっとスカート上げて見せてくれる?」
「そ、んな……」私はふるふると首を振った。
けれど王子は「ん――」と首を傾げる。ズボンのポケットから小さな箱を取り出して、蓋を開けて私に差し出した。
「これ、もう一杯飲む?」
それは濃い紫色の粉だった。
「これ……」
問えば王子は軽く笑う。
「別に変なものじゃないよ。薬草の一種で治療にも使われるしね。媚薬って言ったら分かるかな?」
「び……やく?」
「そうそう。とはいえ、感度や性欲を増すだけだから、元があってこそなんだけどね」
王子は笑いながら小箱を私の口元へ近付けた。
「どうする? その状態でもう一杯飲んだら、物凄い恥ずかしいことになっちゃうかもね」
問いかける王子に私は唇を噛んだ。首を振れば小箱が下げられる。私はそろそろとスカートを上げていった。
「なに……これ」
明らかにそこが冷たくなっていた。下着が濡れて張り付いているのだ。何故なのかというのは、すぐに分かった。
「……なんで」
変な夢を見たわけでもなかった。ただ、身体がムラムラと疼いていた。
「も――……」
僅かに苛立ちを覚えつつ、取り敢えず立ち上がって下着を脱いだ。
「替えとか……」
ペイッとソファに投げ捨てて、それらしきキャビネットを片っ端から漁っていく。けれど、どうやら完全に飾りのようだったらしく、キャビネットの中は全て空だった。
いつも着替えは王子が持ってくる。
つまり私は、王子がくるまでパンツを履けないということを意味していた。
ネグリジェの裾はロング丈。とはいえ、股がスースーした。
「……最悪」顔を顰めつつ、ふて寝するようにベッドへ潜り込んだ。
けれど、そう苛立ちを募らせられたのもほんの十分程度のことだった。
ジッとしていれば、再び強烈な火照りが身体を襲い出した。それだけでなく、何もつけていない下半身が更に疼く。胸がドクドクと音を立てていた。
じっとりと汗が滲んできて、私は布団を被っていられなくなった。横から剥いで、そのまま抱き枕のように抱え込む。
しかし、それが悪手だと気が付いたのはすぐだった。丁度布団が秘部に当たってしまうのだ。腰を動かしたくなる欲が湧き上がった。
だめ……。王子が見てるかもしれないし。
そう思って必死で堪えた。けれど、そう思えば思うほど、秘部のもどかしさは増していった。
触りたい、擦りたい、触りたい、擦りたい――
やらしいことがどんどん頭に浮かんできた。
「……ん」
少し力を入れるだけで快感がよぎり、揺らぎそうになる。
「ど……しよ」
王子に見られることは絶対だめだ。それをネタにされて何かされるに違いない。
けれど、腰が僅かに動いてしまうのを止めることができなかった。
「あ……っ」
王子にされるのとは違う、優しい刺激が秘部を包んだ。数回身体をくねらせると、丁度ガチャッと開錠音が耳を掠めた。
ビクッと身を強張らせ、動きを止める。扉を凝視した。
案の定、扉が開いて王子が部屋に入ってきた。
「ただいま」
「…………お、おかえりなさい」
私は顔を布団で隠すように返事をした。
「何してたの?」
「ね、寝てました」
答えれば、ふっと吹き出すように笑われた。それから、大きな歩みで私の元へ寄ってくる。
「調子はどう? 時間的に、今が一番辛い時だと思うけど?」
「……え」
覗き込まれるように問われ、私の思考は固まった。
そんな私に王子は「ジュース一杯飲んでくれたからねー」と。愉しげに言いながら、私の太腿を服越しにツツーッとなぞった。そこから、ネグリジェの裾を捲り上げる。何もつけていない下半身を露出させられた。
「やっ……」恥ずかしくて身を丸める。王子は不敵な笑みで見下ろした。
「やらしいね。ちょうどここが当たってたのかな?」
クスクスと笑いつつ、王子は秘部と布団の密着面に手を差し込んだ。挟んでいた部分を抜き取られ、恥ずかしい痴態が露わになる。捲れ上がったスカートを下ろして必死で隠した。
それを王子はあははと軽く笑う。
「すぐ見せるんだからそのままでいいのに」
言いながら脇と肩に手を添えた。私の身体をゆっくりと起こしていく。
「膝立ちになってね。あっ、服は踏まないように持ち上げといて」
まるで犯罪でも取り締まられるように淡々と言いつけられ、私は思わず従ってしまう。
王子は「そうそう」と言いながら、ベッドの背にもたれるように腰掛けて、足を組んで私を見た。冠のようなヘッドボードが相まって、いやに偉そうに見えた。
「ん――……、もうちょっと寄ってくれる?」
王子はツンツンと自分の肘を指差した。
「ここに跨るようにして」
「え……」
「早くね」
淡々と言いながら、鋭い目が私を射る。おずおずと近付いていった。
「偉いね。じゃあ気持ちよくしてあげるから、もっとスカート上げて見せてくれる?」
「そ、んな……」私はふるふると首を振った。
けれど王子は「ん――」と首を傾げる。ズボンのポケットから小さな箱を取り出して、蓋を開けて私に差し出した。
「これ、もう一杯飲む?」
それは濃い紫色の粉だった。
「これ……」
問えば王子は軽く笑う。
「別に変なものじゃないよ。薬草の一種で治療にも使われるしね。媚薬って言ったら分かるかな?」
「び……やく?」
「そうそう。とはいえ、感度や性欲を増すだけだから、元があってこそなんだけどね」
王子は笑いながら小箱を私の口元へ近付けた。
「どうする? その状態でもう一杯飲んだら、物凄い恥ずかしいことになっちゃうかもね」
問いかける王子に私は唇を噛んだ。首を振れば小箱が下げられる。私はそろそろとスカートを上げていった。
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