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懐柔1
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いつ眠ったのか分からないまま、目が覚めた。それで私は眠ってしまったんだということに気がついた。
あれから王子は何回でも私を求めてきた。それこそ私がちゃんと言えるまでと、何回も何回も、中と外の快楽を与えられ続けていった。
結局途中からは、過ぎる快感に身体が順応して、絶頂に達するまでの間隔が短くなっていた。そのせいで私は急かされる言葉なんて更に言えぬまま、気付けば意識を飛ばしていたというわけだった。
股の奥がジンジンとした。でも、痛さや不快感ではなくて、まだ太いものが中を蹂躙しているような不思議な感覚だった。
思い出すと身体が熱くなる。羞恥に顔から布団をかぶり潜り込んだところ、扉が開く音がした。
「おはよう、体調はどうかな?」
悪魔のような王子を知る前と同じ、天使のような笑顔を向けられた。
ふいっと顔を逸らすと、クスクスと笑い声が聞こえた。
「流石にお腹も空いたでしょ? 一緒に食べようと思って持って来たよ」
カタッと音がして少し顔を向けてみる。
昨日と同じ、奥のテーブルに置いたようだった。ふっと気が付いて扉を見る、そういえば施錠音がしなかったことを思い出す。
王子は背を向けて、朝食をテーブルへ広げていた。広い部屋、扉までの距離は私の方がずっと近かった。
逃げられる――そう思った。
部屋から出れば外から鍵をかけるなり、助けを求めればなんとかなる。
思いつけばすぐに身体が動いていた。静かに身体を滑らせベッドを抜け出した。
素っ裸だったはずの身体には、真新しい下着とネグリジェが飾られていた。
音を立てぬようゆっくりと脚を進めていき、慎重に扉に手を掛けた。
胸が大きく鳴っていた。息を呑みつつ、静かにドアノブを捻る。そっと扉を引こうとした瞬間に――
「った!」
手に激しい電流が走った。切り裂かれるような痛みと、手のひらが熱く赤くなっていた。
「あ――……」
緩慢な仕草で王子が振り向く。怒るでもなく困ったように笑っていた。
「言い忘れてたけど、その扉、物理的施錠も魔術的施錠も何重にも掛けてあるから」
言いながら王子は私に近付いて、赤くなった手を取った。
「可哀想に、痛かったでしょ? 万が一、君が触っても大丈夫なように、限定的に弱くはしてあるけど、無理に開けようとしたら身体が弾け飛ぶから気を付けてね」
ぽうっと王子は手のひらに温かい魔力を注ぎ込む。赤くなり、傷ついた皮膚は、みるみるうちに元通りになっていった。
「よしっ、これで痛くないね」ニコリと笑むと私の手を引いた。
「さ、朝食にしよっか」
震える私の腰を掻き抱いて、席へと誘導していった。
あれから王子は何回でも私を求めてきた。それこそ私がちゃんと言えるまでと、何回も何回も、中と外の快楽を与えられ続けていった。
結局途中からは、過ぎる快感に身体が順応して、絶頂に達するまでの間隔が短くなっていた。そのせいで私は急かされる言葉なんて更に言えぬまま、気付けば意識を飛ばしていたというわけだった。
股の奥がジンジンとした。でも、痛さや不快感ではなくて、まだ太いものが中を蹂躙しているような不思議な感覚だった。
思い出すと身体が熱くなる。羞恥に顔から布団をかぶり潜り込んだところ、扉が開く音がした。
「おはよう、体調はどうかな?」
悪魔のような王子を知る前と同じ、天使のような笑顔を向けられた。
ふいっと顔を逸らすと、クスクスと笑い声が聞こえた。
「流石にお腹も空いたでしょ? 一緒に食べようと思って持って来たよ」
カタッと音がして少し顔を向けてみる。
昨日と同じ、奥のテーブルに置いたようだった。ふっと気が付いて扉を見る、そういえば施錠音がしなかったことを思い出す。
王子は背を向けて、朝食をテーブルへ広げていた。広い部屋、扉までの距離は私の方がずっと近かった。
逃げられる――そう思った。
部屋から出れば外から鍵をかけるなり、助けを求めればなんとかなる。
思いつけばすぐに身体が動いていた。静かに身体を滑らせベッドを抜け出した。
素っ裸だったはずの身体には、真新しい下着とネグリジェが飾られていた。
音を立てぬようゆっくりと脚を進めていき、慎重に扉に手を掛けた。
胸が大きく鳴っていた。息を呑みつつ、静かにドアノブを捻る。そっと扉を引こうとした瞬間に――
「った!」
手に激しい電流が走った。切り裂かれるような痛みと、手のひらが熱く赤くなっていた。
「あ――……」
緩慢な仕草で王子が振り向く。怒るでもなく困ったように笑っていた。
「言い忘れてたけど、その扉、物理的施錠も魔術的施錠も何重にも掛けてあるから」
言いながら王子は私に近付いて、赤くなった手を取った。
「可哀想に、痛かったでしょ? 万が一、君が触っても大丈夫なように、限定的に弱くはしてあるけど、無理に開けようとしたら身体が弾け飛ぶから気を付けてね」
ぽうっと王子は手のひらに温かい魔力を注ぎ込む。赤くなり、傷ついた皮膚は、みるみるうちに元通りになっていった。
「よしっ、これで痛くないね」ニコリと笑むと私の手を引いた。
「さ、朝食にしよっか」
震える私の腰を掻き抱いて、席へと誘導していった。
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