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※地下室で2※

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「良かった。そしたら、そろそろ良いかな」
 何がだろう、とぼんやり考える。ぼうっと王子を眺めていれば、素早く伸びた両手にネグリジェの襟元を掴まれる。ハッとした瞬間、そのまま一気に胸下まで下げられた。
「きゃっ!」慌てて隠そうと服を押さえる。けれど、強い力で臍まで剥かれてしまった。私の胸元には薄っぺらいシルクの下着が細やかに膨らみの一部を守っているだけになってしまう。
「な、なにを……」
 ワナワナしながら問えば、ニコリと笑われた。状況とのアンバランスな雰囲気に、背筋がゾクリ冷えーー
「なにをって……」クスクス笑いながら押し倒される。「なんだろうねぇ」
 両手で抵抗するも、簡単に組み敷かれてしまった。
「無理無理、後は長いんだから無駄な体力は使わない方が良いと思うよ」
 言いながら王子は私の手首を纏めて頭上で押さえる。もう片手では首元のリボンタイを器用に解いた。
「初めてはうんと気持ちよくなって欲しいからね、気持ちいいことだけに集中できるよう手は結んどいてあげるね」
 私の手首にリボンを巻き付けて、大きなリボンで締め括った。
「可愛い」
 うっとりと笑みながら王子は私を見下ろした。一度持ち上げて、ベッドの中央へ私の身を落とす。そのまま馬乗りになるように私に跨った。
「あまり不自由になりすぎるのも可哀想だから頭の上で結んであげたけど、もし暴れたら両手両脚ベッドに結びつけちゃうからね」
 王子はニコリと真上から私の顔見下ろした。私の視界は王子だけで満たされる。ずっと美しいと見惚れていたその笑みは、今となっては恐怖を増長させるだけのものになっていた。
 私は泣きそうになりながらも頷いた。王子は満足げに笑んで頭を撫でてくる。
「いい子だね。じゃあ、舌出して?」
 こんなふうにとでも言うように、王子は長く赤い舌を覗かせた。私はふるふると首を振って唇を噛む。王子は「あぁ」と惜しむような声を漏らした。
「折角の綺麗な唇が傷ついちゃうな」不服そうに言ってから「これならどうだ」と悪戯でするように胸の頂を引っ掻いた。
「ひゃっ」
 自分でも意図して刺激したことのない部分。思わず弓形に背が跳ねた。
「あっ、凄いね。ここ初めてだよね?」
 美貌を妖しく歪ませて、味を占めた指は人差し指と中指の二本を使って交互にカリカリと引っ掻いた。
「ひゃ……やっ……ん……」
 時々服が擦れる程度の刺激はあったけど、こんなにも明確に責められるのは初めてだ。その上、シルクという柔い布越しというのが絶妙な感覚を生み出していた。
 ツンと尖ったそれを王子は愉しむように弄ぶ。初めての刺激に呆気に取られているうちに唇を奪われて、すかさず熱い舌がぬるりと入り込んできた。
「やっ……ん、んんっ……ぅん……」
 王子の舌は私の口内を暴れ回っていて、まるで私の全てをこそげ取ろうとでもするかのように、なぞって喰んで吸い付いた。
 同時に胸を下から持ち上げられる。感触を堪能するかのように揉んだかと思ったら、乳頭を避けるようにクルクルとなぞられた。
「やぁ……っあ……ん……」
 嫌なのに反射的に声が出る。自分のものとは考えられない甘ったるい声に、頭がジンジンとした。
 身体が思わずくねってジワリと熱くなっていた。王子は決して私に体重を預けてはいないので、できた隙間を埋めるように身体が浮いてしまっていた。
「凄いなぁ……、強請ってるみたいだ」
 唇は外されても、肝心の指は乳頭の周りを遠くに近くにと円を描いていた。
「や……めて……くださっ、い。こんな……ことっ」
 涙ながらに喘ぎつつ、それでもなんとか訴えた。けれど王子の手は止まらない。それどころか胸にあった手はそろそろと下半身へと伸びていた。
「こんなこと? 君も好きだよねこういうの。よく部屋で遊んでたの知ってるよ」
「……えっ」
 その言葉は、熱くなりつつあった私の身体を途端に冷やしていった。
「あそん、でた……?」
 王子は笑いながら頷く。けれど、目は一切笑ってはいなかった。
「君はこっちの方が好きなんだよね。いつもここを一生懸命擦って……可愛かったなぁ」
 言いながら王子は秘部全体に手を添えた。下着越しとはいえ中心部がキュウっと強張った。
「そ、そんなこと、して、ませんっ」
「えぇ? そうは言ってもちゃんと見てたしなぁ……」
 困ったように笑いつつ、王子は中指を曲げてゆったりと筋をなぞりだす。上下になん往復もして溝を深めていく。
「や……やめっ……」
「そういえばさぁ、前々から教えてあげないとって思ってたんだけど――」
 下着越しにゆっくりと与えられる刺激に掻痒感が広がっていく。王子は余裕の笑みで私を見つめていた。
「気持ち良い時に呟くのって、幼馴染の名前じゃないよ? 好きな人の名前を呟くんだよ」
「えっ……」
「ずっと間違ってたから、早く教えてあげないとって思ってたんだ」
 ね? と王子は口角を上げて指を早めていった。その指は段々と奥まった所まで入り込み、ツンツンと秘核の下を突いてくる。
「やっ、あっ……んっ、ふ」
 苦しいほどに下半身が熱が集まって、耐えがたいこそばゆさに太腿をスリスリと擦り合わせた。
 王子はそのまま片胸の布をずらして口に含む。尖った先をコロコロと転がして、時折甘噛みをした。
 十分に優しい感度を慣らされて、身体が順応してきたところでのダイレクトな刺激。喰まれる度に頭に電撃が走るようだった。
「はぁ……っん……あっ……ん……」
「気持ち良くなってきちゃったね?」
「そんな、こと……っん」
 顔に苦悶の表情を浮かべつつ、一番敏感な部分を避けられてなぞられる指に意識は持ってかれる。さわさわと大陰唇をくすぐられ、それだけでビクビクと身体を震わせた。
「あは……、やっぱり凄い敏感なんだね」
 嬉しそうに言うと再び筋に指が戻っていく。たださっきと違うのは――
「ひゃんっ!」
 時折、一番の弱点を指が責めることだった。
「ひゃんだって、可愛い。やっぱりここが好きなんだねー」
 穏やかな口調と同様、指も優しい動きを成していた。たった数回の刺激で固くなった陰核を、宥めるように優しく撫で回した。
「最初君が机の端で息を切らしてるのを見た時は、具合が悪いのかなって物凄い心配したんだよね。そのなのに君ってば、角に擦り付けて気持ち良くなってるんだから、気がついた時はすっごい興奮したなぁ」
「な……んで……っん……そんな、ことっ」 
「君のことならなんでも知ってるよ。お気に入りの髪飾りをしまってある場所から、下着やハンカチの収納場所。日記だって、一語一句なにが書いてあるか覚えてるんだから」
「な……」
 肌が粟立っていくのが分かった。足先と指先が冷たくなり、心臓が必死で警鐘を鳴らしていた。
 
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