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下準備
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苦痛の二週間が過ぎ去った。
作戦のためには、大人しく従順を演じている必要があったのだ。
その甲斐もあって、王子は少しだけなら私のいうことを聞き入れるようになってきた。
これ好機と提案を持ち掛ける。
「ユリウス様、私は婚儀を間近に真剣に王妃教育を受けたいのです。どうか、暫くそっとしておいていただけませんか?」
言えば王子は心底感動して頷いていた。
これで準備は万全だ。
いくら変装しても声は変えられない。無闇に話し掛けられたらバレてしまうのだ。
ちなみに我が国での王妃教育は全王子の婚約者に施される。
無論、今までは適当に受けていた。だから、私の言葉はかなり大きな意味を持ったのだ。
明日は、姉に王妃教育を受けてもらう。
大体夕刻まで行われるそれに王子が付き添えば、屋敷に送られる頃には私は仮面舞踏会。
そこで運命の相手を見つけて、王子を言いくるめる。
不貞行為も純潔でないのと同様、御法度だ。
行為の有無は城に駆け込み医師に調べて貰えば、証明されるだろう。
王子は姉を見守るだろうから、王子にはアリバイがある。
よし! 完璧だ!
拳を握ると同時に、ふと疑問がよぎる。
側近さんのは、流石に咄嗟過ぎてバレたのか……?
言及されないことを見るに、不問になったのは確かだけど……。
まぁ、終わったことはいいか。
私はせっせと準備をして、華やかで怪しい舞踏会へと足を進めていくのであった。
作戦のためには、大人しく従順を演じている必要があったのだ。
その甲斐もあって、王子は少しだけなら私のいうことを聞き入れるようになってきた。
これ好機と提案を持ち掛ける。
「ユリウス様、私は婚儀を間近に真剣に王妃教育を受けたいのです。どうか、暫くそっとしておいていただけませんか?」
言えば王子は心底感動して頷いていた。
これで準備は万全だ。
いくら変装しても声は変えられない。無闇に話し掛けられたらバレてしまうのだ。
ちなみに我が国での王妃教育は全王子の婚約者に施される。
無論、今までは適当に受けていた。だから、私の言葉はかなり大きな意味を持ったのだ。
明日は、姉に王妃教育を受けてもらう。
大体夕刻まで行われるそれに王子が付き添えば、屋敷に送られる頃には私は仮面舞踏会。
そこで運命の相手を見つけて、王子を言いくるめる。
不貞行為も純潔でないのと同様、御法度だ。
行為の有無は城に駆け込み医師に調べて貰えば、証明されるだろう。
王子は姉を見守るだろうから、王子にはアリバイがある。
よし! 完璧だ!
拳を握ると同時に、ふと疑問がよぎる。
側近さんのは、流石に咄嗟過ぎてバレたのか……?
言及されないことを見るに、不問になったのは確かだけど……。
まぁ、終わったことはいいか。
私はせっせと準備をして、華やかで怪しい舞踏会へと足を進めていくのであった。
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