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誘拐
潜入2
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チリーンと鈴の音が聞こえる。
これは、十時を知らせるものらしい。騎士棟詰所では、休憩時間の管理上、毎時こうして鈴を鳴らす習慣があるということだ。
そんな場所に、マルコルと私。詰所の椅子に座っていた。
状況は分からないが、どうやら門番や衛兵の間で話がついたらしい。
結構乱暴に引っ捕まえられたはずなのに、尋問室行き手前で詰所行き。
自称ミラ・オーフェルの身内とその友人冒険者は、優しい誰かが迎えに来てくださるということで、ことは落ち着いた。
そして、お迎えがやってくる。
なんとも親切なその人は――
「お待たせいたしました、ナイル様。そして、ハーセン卿。では、参りましょうか」
相変わらずの完璧な笑みを張り付けた、王子の側近たるジルさんなのであった。
「さあ、こちらへ」
そう案内されたのは、何故か例の部屋――王子曰く聖域だった。
「……えっと、あの。いいんですか?」
聞けば、寸分狂わぬ完璧な笑みが返ってくる。
「と、いうのは?」
「いや、それは……」
詰所からジルさんに迎えにきて貰ってからというもの、私はこっそり正体を明かしていた。
『ジルさん! ありがとうございます! 実は、私……、私なんです! ミラです!』と。
すると、ジルさんは『わー、ビックリ致しました』と抑揚のない驚きをあらわにして。
なんともドッキリ感のない、ネタバラシと相成った。
だから、私はまだ分かる。けど、マルコルまで一緒に入れて貰えるとは思っていなかったのだ。
口籠もっていれば、ジルさんから。
「それで、イルヴィス様よりミラ様は離宮にて療養中とお聞きしておりましたが……」
視線がマルコルへと注がれる。
「どういった状況でしょうか?」
ジルさんはいつも笑みを浮かべているから真意が分からない。でも、怪しんでいるのかなぁという感じがした。
にしても、『療養中』ってなんだ⁉︎
私は、ゴミ捨て係の職務を全うして、教室へ戻る道中、誘拐されただけなんだけど!
ちょっと想像してみる。
『イルヴィス様、ミラ様が誘拐されたようです』
『あぁ、あいつ鈍臭いからなぁ。まぁ、いいや。じゃあ今日は君たちとお風呂に入ろうかな』
王子は、隣に侍らすグラマラスな女性を抱き寄せる。チュッとキスをしてから微笑んで。
『新しい湯着を作ったんだ。着てくれる?』
きゃーと黄色い声が響く。
すかさずジルさんが、
『では、ミラ様はどうしましょうか?』
『あぁ、『離宮で療養中』でいいんじゃない?(笑)』
スッと視界から光が消えた気がした。
「あり得る……」
呟いた声にマルコルが「ミラ様?」と。
我に返って、頭をぶんぶん振った。
いけない、今は王子に怒り恨みを募らせている場合じゃなかった!
今はこの無垢な子犬を守らねば!
あわや、ベッドを真っ二つに割り裂く所だった。いや、できないだろうけど!
気を取り直した私は、ジルさんを向く。
鉄壁の笑みをじっと見つめて。
「あの、真偽の望眼はどちらにありますか?」
まだ、ジルさんの手元にあることを願う。
言っていた日数的にはギリギリセーフなはずだけど……。
言えば、ジルさんの笑みは僅かに深まった。
「私のもとに。どういったご用件でしょうか?」
その言葉で私はハッとする。ジルさんの行動の意味が頭で繋がった。
多分、ジルさんは私の用件を分かっていたんだと思う。だから、マルコルをこの部屋に入れて。私が王子と入れ替わりたいわけではないことも、気が付いていたのだと。
私は、ジルさんに手招きをする。
マルコルに「すいません」と断ってから、ジルさんに耳打ちをした。
「あの、彼と――マルコルと入れ替わりたいんです」
ジルさんの目が一瞬見開かれた。けど、一拍置いて、それはクスクスと声を伴った笑いに変わっていった。
ややあって、気持ちを整えるみたいに小さく息を吐く。すぐにいつも通りの落ち着いた笑みに戻っていた。
「そういうことでしたら、秘密にする必要はございませんよ」
「……でも」
特位魔導具ってとても貴重で偉大な物だから、国同士での保有状況やその能力も、あまり詳細には共有されていないって……。
そんなことを、私は以前、アスラに教えてもらったことがあるのだ。
しかし、ジルさんは私の思考を読み取ったように、
「大丈夫ですよ。実は、真偽の望眼はメンテルタからの贈り物なのです」と。
「えっ」
「だから、例えマルコル様がご存知なかったとしても、その情報を国へ持ち帰ったところでなんら問題はないことなのです」
そうだったんだ……。
チラリとマルコルを見る。マルコルは、こそこそ話されているのに良い気がしないのか、無表情ながらも少しムッとしているように見えた。
でも、それなら。
私は、マルコルに身体を向けた。
ジルさんを見る。ニコリと笑みを返された。
よし!
「あのですね」切り出せば、マルコルの大きな瞳に私が映り込んだ。
「私と入れ替わっていただけませんか? 魔法を使って」
「…………は?」
マルコルはポカンと口を開けた。
『なにいってんだ、こいつ』みたいな声が聞こえてきそうだった。
「えっと……。ご存知かも知れませんが、真偽の望眼という魔導具がありまして。それを使えば、マルコル様と私は入れ替われるのです」
言ってて怪しい洗脳でもかけてるような気になってくる。けれど、構わず続けていった。
「それで、入れ替わったらマルコル様は、暫く私として過ごしていただきます。その間にマルコル様は、イルヴィス様の技のようなものをお盗みください」
「わ、ざ……?」
マルコルがまるで理解できないというふうなので、ジルさんに勘づかれないよう、端的に。
「参考に……」
言えば、あぁ……というようにマルコルは、顔をしならせた。
今度はジルさんに顔を向ける。
「それで、早速お願いをしたいのですが……?」
問えば、ジルさんは何故か普通に楽しげに笑っていた。
「そういうお話でしたら、お任せください。しかし……」
ジルさんの視線がマルコルへと向く。
「魔術発動は、ハーセン卿にお願いを致しましょうか」
「……え?」
思わずマルコルを見る。特に、これといった反応は見られなかった。
普通、不意にふられたら驚かないか……? とか思う。
けど、そうか。マルコルは登場シーンでも魔法っぽいのを使ってたし、お兄さんも大きな家って言ってたから、魔法に関して特別な意識はないのかも。
私なんかは、ジルさんが使ってくれるものだと思ってたから、もし自分にふられたら絶対狼狽えちゃう。
「えっと……、急な話ではありますが、マルコル様は宜しいですか?」
一応、確認する。
マルコルは、こくりと頷いて、
「構いません」と。
あんまり乗り気じゃない……のか?
表情にも声にも、全く色がないので感情を読み取れない。
「あの……、ここまで連れてきてしまいましたが、もしお嫌なら……」
「いえ、そういうわけではありませんので。ミラ様のお気持ち、ありがたくお受け取りします」
あまりにこざっぱりとした声だった。取っ付きづらい雰囲気で、私は「そ、そうでしたか……」と早々に引き下がる。
私たちのやり取りを眺めていたジルさんが、「では」と切り出して。
「ミラ様は、少々こちらでお待ちください。私は、ハーセン卿に使用方法をお伝え致しますので」と。
あれ、ここでやるんじゃないんだ……? とか思いつつ。
私は、大きく頷いた。
「はい、宜しくお願いします。マルコル様も……」
と言ったものの、その先はなんといったらいいか分からなかった。
ジルさんに導かれてマルコルが部屋を去る。
扉の外から四回の施錠音が聞こえてきて、私はぼんやりベッドに腰掛けた。
とある一室。
ジルは、首飾り――真偽の望眼をマルコルへと渡していた。
「こちらになります。ご使用方法は――」
言い掛けて、マルコルがジルを睨みつける。ジルは、柔和な笑みで口を噤んだ。
マルコルは受け取った首飾りを握りしめ、少々不満げな様子で口を開く。
「発動――我望む偽り世・その身に我が魂を」
マルコルは、頭に最愛の人物を思い描いた。
これは、十時を知らせるものらしい。騎士棟詰所では、休憩時間の管理上、毎時こうして鈴を鳴らす習慣があるということだ。
そんな場所に、マルコルと私。詰所の椅子に座っていた。
状況は分からないが、どうやら門番や衛兵の間で話がついたらしい。
結構乱暴に引っ捕まえられたはずなのに、尋問室行き手前で詰所行き。
自称ミラ・オーフェルの身内とその友人冒険者は、優しい誰かが迎えに来てくださるということで、ことは落ち着いた。
そして、お迎えがやってくる。
なんとも親切なその人は――
「お待たせいたしました、ナイル様。そして、ハーセン卿。では、参りましょうか」
相変わらずの完璧な笑みを張り付けた、王子の側近たるジルさんなのであった。
「さあ、こちらへ」
そう案内されたのは、何故か例の部屋――王子曰く聖域だった。
「……えっと、あの。いいんですか?」
聞けば、寸分狂わぬ完璧な笑みが返ってくる。
「と、いうのは?」
「いや、それは……」
詰所からジルさんに迎えにきて貰ってからというもの、私はこっそり正体を明かしていた。
『ジルさん! ありがとうございます! 実は、私……、私なんです! ミラです!』と。
すると、ジルさんは『わー、ビックリ致しました』と抑揚のない驚きをあらわにして。
なんともドッキリ感のない、ネタバラシと相成った。
だから、私はまだ分かる。けど、マルコルまで一緒に入れて貰えるとは思っていなかったのだ。
口籠もっていれば、ジルさんから。
「それで、イルヴィス様よりミラ様は離宮にて療養中とお聞きしておりましたが……」
視線がマルコルへと注がれる。
「どういった状況でしょうか?」
ジルさんはいつも笑みを浮かべているから真意が分からない。でも、怪しんでいるのかなぁという感じがした。
にしても、『療養中』ってなんだ⁉︎
私は、ゴミ捨て係の職務を全うして、教室へ戻る道中、誘拐されただけなんだけど!
ちょっと想像してみる。
『イルヴィス様、ミラ様が誘拐されたようです』
『あぁ、あいつ鈍臭いからなぁ。まぁ、いいや。じゃあ今日は君たちとお風呂に入ろうかな』
王子は、隣に侍らすグラマラスな女性を抱き寄せる。チュッとキスをしてから微笑んで。
『新しい湯着を作ったんだ。着てくれる?』
きゃーと黄色い声が響く。
すかさずジルさんが、
『では、ミラ様はどうしましょうか?』
『あぁ、『離宮で療養中』でいいんじゃない?(笑)』
スッと視界から光が消えた気がした。
「あり得る……」
呟いた声にマルコルが「ミラ様?」と。
我に返って、頭をぶんぶん振った。
いけない、今は王子に怒り恨みを募らせている場合じゃなかった!
今はこの無垢な子犬を守らねば!
あわや、ベッドを真っ二つに割り裂く所だった。いや、できないだろうけど!
気を取り直した私は、ジルさんを向く。
鉄壁の笑みをじっと見つめて。
「あの、真偽の望眼はどちらにありますか?」
まだ、ジルさんの手元にあることを願う。
言っていた日数的にはギリギリセーフなはずだけど……。
言えば、ジルさんの笑みは僅かに深まった。
「私のもとに。どういったご用件でしょうか?」
その言葉で私はハッとする。ジルさんの行動の意味が頭で繋がった。
多分、ジルさんは私の用件を分かっていたんだと思う。だから、マルコルをこの部屋に入れて。私が王子と入れ替わりたいわけではないことも、気が付いていたのだと。
私は、ジルさんに手招きをする。
マルコルに「すいません」と断ってから、ジルさんに耳打ちをした。
「あの、彼と――マルコルと入れ替わりたいんです」
ジルさんの目が一瞬見開かれた。けど、一拍置いて、それはクスクスと声を伴った笑いに変わっていった。
ややあって、気持ちを整えるみたいに小さく息を吐く。すぐにいつも通りの落ち着いた笑みに戻っていた。
「そういうことでしたら、秘密にする必要はございませんよ」
「……でも」
特位魔導具ってとても貴重で偉大な物だから、国同士での保有状況やその能力も、あまり詳細には共有されていないって……。
そんなことを、私は以前、アスラに教えてもらったことがあるのだ。
しかし、ジルさんは私の思考を読み取ったように、
「大丈夫ですよ。実は、真偽の望眼はメンテルタからの贈り物なのです」と。
「えっ」
「だから、例えマルコル様がご存知なかったとしても、その情報を国へ持ち帰ったところでなんら問題はないことなのです」
そうだったんだ……。
チラリとマルコルを見る。マルコルは、こそこそ話されているのに良い気がしないのか、無表情ながらも少しムッとしているように見えた。
でも、それなら。
私は、マルコルに身体を向けた。
ジルさんを見る。ニコリと笑みを返された。
よし!
「あのですね」切り出せば、マルコルの大きな瞳に私が映り込んだ。
「私と入れ替わっていただけませんか? 魔法を使って」
「…………は?」
マルコルはポカンと口を開けた。
『なにいってんだ、こいつ』みたいな声が聞こえてきそうだった。
「えっと……。ご存知かも知れませんが、真偽の望眼という魔導具がありまして。それを使えば、マルコル様と私は入れ替われるのです」
言ってて怪しい洗脳でもかけてるような気になってくる。けれど、構わず続けていった。
「それで、入れ替わったらマルコル様は、暫く私として過ごしていただきます。その間にマルコル様は、イルヴィス様の技のようなものをお盗みください」
「わ、ざ……?」
マルコルがまるで理解できないというふうなので、ジルさんに勘づかれないよう、端的に。
「参考に……」
言えば、あぁ……というようにマルコルは、顔をしならせた。
今度はジルさんに顔を向ける。
「それで、早速お願いをしたいのですが……?」
問えば、ジルさんは何故か普通に楽しげに笑っていた。
「そういうお話でしたら、お任せください。しかし……」
ジルさんの視線がマルコルへと向く。
「魔術発動は、ハーセン卿にお願いを致しましょうか」
「……え?」
思わずマルコルを見る。特に、これといった反応は見られなかった。
普通、不意にふられたら驚かないか……? とか思う。
けど、そうか。マルコルは登場シーンでも魔法っぽいのを使ってたし、お兄さんも大きな家って言ってたから、魔法に関して特別な意識はないのかも。
私なんかは、ジルさんが使ってくれるものだと思ってたから、もし自分にふられたら絶対狼狽えちゃう。
「えっと……、急な話ではありますが、マルコル様は宜しいですか?」
一応、確認する。
マルコルは、こくりと頷いて、
「構いません」と。
あんまり乗り気じゃない……のか?
表情にも声にも、全く色がないので感情を読み取れない。
「あの……、ここまで連れてきてしまいましたが、もしお嫌なら……」
「いえ、そういうわけではありませんので。ミラ様のお気持ち、ありがたくお受け取りします」
あまりにこざっぱりとした声だった。取っ付きづらい雰囲気で、私は「そ、そうでしたか……」と早々に引き下がる。
私たちのやり取りを眺めていたジルさんが、「では」と切り出して。
「ミラ様は、少々こちらでお待ちください。私は、ハーセン卿に使用方法をお伝え致しますので」と。
あれ、ここでやるんじゃないんだ……? とか思いつつ。
私は、大きく頷いた。
「はい、宜しくお願いします。マルコル様も……」
と言ったものの、その先はなんといったらいいか分からなかった。
ジルさんに導かれてマルコルが部屋を去る。
扉の外から四回の施錠音が聞こえてきて、私はぼんやりベッドに腰掛けた。
とある一室。
ジルは、首飾り――真偽の望眼をマルコルへと渡していた。
「こちらになります。ご使用方法は――」
言い掛けて、マルコルがジルを睨みつける。ジルは、柔和な笑みで口を噤んだ。
マルコルは受け取った首飾りを握りしめ、少々不満げな様子で口を開く。
「発動――我望む偽り世・その身に我が魂を」
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