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ガリンダミア帝国との決着
392話
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出撃をしたレジスタンス連合は、途中で何度か小さな妨害は受けつつも、本格的な戦闘の類は全くなく、順調に進み続ける。
ゼオンに乗って空から周囲の状況を確認していたアランは、本当にガリンダミア帝国軍が何もしてこないのを疑問に思いつつ、向こうが攻撃をしてこない以上、特に何もやることはないまま、進む。
「時間稼ぎ? けど、それならあのときの戦いをする必要もなかったはずだし」
ゼオンのコックピットの中で、アランは疑問を口にする。
ワイバーンに変身する心核使いは、かなり強かった。
ビームライフルや腹部拡散ビーム砲ですら回避する能力を持っていたのだ。
アランが今まで戦ってきた心核使いの中でも、間違いなくトップクラスの実力を持つ相手だ。
ただの時間稼ぎで、あれだけの精鋭を用意する必要があるのかと言われれば、アランも首を捻らざるをえない。
純粋に時間稼ぎをするだけなら、別にあのワイバーンほどの実力の持ち主を派遣してくる必要はない。
それこそ、ある程度の実力の心核使いを派遣すれば、それで十分なのは間違いなかった。
「俺の考えすぎか? けど、今の状況を考えれば、決してそうは思えないんだが……それに……うおっ!」
そう考えた瞬間アランは半ば反射的にゼオンを動かす。
次の瞬間、ゼオンのいた場所を何かが通りすぎていくのが、アランには理解出来た。
そして……今の感覚にアランは覚えがある。
以前も同じように、理解不能な何らかの手段で攻撃をされたのだから。
しかし、その攻撃をしてきた相手は反撃して倒した……とはいかないまでも、ダメージを与えたはずだ。
それがこうして戻ってきたということは……
「厄介な」
アランの口から漏れるその声は、アランの本心を心の底から示している。
今の状況……ガリンダミア帝国軍との戦いにおける最終局面において、今のような攻撃をしてくる相手が再び姿を現したのは、厄介でしかない。
「やっぱりあのときの攻撃で倒すことは出来なかったか。それならそれで、最後まで出てこなければいいものを」
忌々しそうに呟くアランだったが、ゼオンを攻撃した敵にしてみれば、このままではガリンダミア帝国に大きな被害が起こるかもしれないのだ。
そうである以上、怪我をしている状態であっても、戦いに場に出て来ないといった選択肢は存在しなかった。
アランもここが敵にとっての正念場だというのは理解している。
理解しているが、だからといってそれを許容出来るかと言われれば、その答えは当然のように否だ。
現在の自分たちの状況を考えれば、この意味不明な攻撃をしてくる敵は非常に厄介な相手となる。
「どうする? いっそ、俺が先行して……いや、向こうがそれを考えないはずがないか」
ガリンダミア帝国軍にしてみれば、理解不能な攻撃をする相手はゼオンを倒す……とまではいかなくても、押さえておくという意味では非常に有用な戦力だ。
そうである以上、その戦力に護衛をつけない訳がない。
アランもそれは理解しているので、どうすればいいのか迷う。
迷うも、その前提にあるのは相手を攻撃するというのが大前提となっていた。
アランは自分だからこそ、的の攻撃を回避出来ると、そう理解している。
それは決して大袈裟なものではなく、心核使いに特化しているアランだからこそ、ゼオンに乗った状態で敵が行う未知の攻撃を理解出来るのだろう。
恐らくアランと同じ原理では、レオノーラですら回避すること不可能だった。
……もっとも、アランと同じ原理で回避できなくても、アランと違う原理でなら回避出来る可能性は十分にあったのだが。
「とにかく、今はこの相手をどうにかしないと。……相変わらず、一発攻撃したら次の攻撃までは間があるけど。以前の攻撃で怪我をするなりなんなりしていれば、もしかしたら……本当にもしかしたら、攻撃の間隔は空くのか?」
元々、この未知の攻撃が連発出来ないというのは以前の経験から理解していた。
最初は狙撃のような何かだと思っていたのだが、それではここまで次の攻撃に時間がかかるのはおかしい。
それ以前に、ただの狙撃であればゼオンが察知出来ないはずはないのだ。
そうである以上、やはりその未知の攻撃は未知であるがゆえに、それが一番の警戒要素となる。
半ば第六感に近い働きで攻撃を回避しているものの、その攻撃が命中したときにとうるのかは分からない。
分からないし、それを試してみたいとも思わなかった。
敵の攻撃である以上、何らかの自分にとって不利な状況になるのは間違いないのだから。
「イルゼンさん、敵の攻撃だ! 以前の、未知の攻撃をしてくる敵!」
取りあえず次の攻撃までに時間はあるだろうと判断したアランは、まずはイルゼンに現状を報告する。
あるいは、イルゼンなら敵が一体どのような攻撃をしてきたのかが分かるのではないか。
そんな風に以前考えたことがあったが、生憎とイルゼンも敵がどのような攻撃をしてくるのかということまでは分からなかったらしい。
外部スピーカーを使ってイルゼンに状況を報告したので、当然ながらイルゼンだけではなく、レジスタンス連合の多くも今のアランの声を聞いただろう。
出来ればそこまで情報を広めたくなかったが、ゼオンが敵に狙われている状態でまさか地上に降りる訳にもいかない。
もし地上に今回の一件を知らせに行っているときにまた攻撃をされた場合、味方をその攻撃に巻き込む可能性があった。
不幸中の幸いにも、現在のところこの敵の攻撃はゼオンに集中しており、それ以外には全く攻撃するつもりはない。
しかし、だからといってアランを攻撃してきている敵が、アランの仲間に攻撃をしないのかと言えば、その答えは当然否だ。
ゼオンだけを狙っているのは間違いないが、もしゼオンを狙う必要があってそこにレジスタンス連合がいた場合、攻撃を止めるはずもない。
それどころか、むしろ嬉々として攻撃をしてきてもおかしくはなかった。
その辺りの事情を考えると、今の状況で地上に戻るといったことは考えられない。
(いや、待てよ? ゼオンを攻撃してくるけど、遠距離から攻撃をしてきてるのは間違いない。だとすると、意外と地上付近にいれば射線が通らないって可能性もあるのか?)
一瞬そう思うも、相手が未知の攻撃である以上、万が一を考えればそのような真似は簡単にはできない。
もし地上にいても攻撃されるとなれば、それこそ地上にいる分、回避する場所が少なくなるということを意味しているのだから。
「どのみち、今の状況では敵が狙ってくるのは俺だけだ。なら、こっちもそれに対応する必要がある。それに以前の攻撃で相手にダメージを与えることが出来たのなら、今回も同じ要領で反撃は出来るはずだ……といいな」
一度反撃を受けた以上、当然だが向こうも何かあったら即座に反撃出来るように準備を整えた上で、こうして改めて攻撃をしてきたと考えるべきだろう。
つまり、前回と同じ手は通用しないと考えた方がよかった
とはいえ、それでも今の状況でアランが出来ることは少ない以上、向こうがまた同じ手でダメージを受けると期待して反撃するか……
「あるいは、反撃するにしてもここから直接攻撃するんじゃなくて、攻撃してくる相手に向かって直接俺が向かうとか? こっちはいざというときはレオノーラがいるし」
アランがゼオンに乗って空を飛びながらレジスタンス連合と共に行動しているのは、敵の攻撃を自分に向けるため……というのもあるが、それと同時に敵が強力な心核使いを出してきたとき、それに対処するという理由もあった。
しかし、そういう意味ではゼオンと互角に戦えるだけの実力を持つレオノーラがここにはいる。
もしゼオンがいない間に強力な心核使いが襲ってきても、黄金のドラゴンに変身するレオノーラであれば、そのような相手を前に対処するのは難しい話ではないだろう。
「よし、だとすれば……取りあえず攻撃が来た方に向かってみるか」
未知の攻撃をしてきた相手の、正確な位置はまだ分からない。
だが、それは正確な位置が分からないだけで、大体の位置ということであれば、そこに向かうのは難しい話ではない。
「イルゼンさん、俺はちょっとここを離れます! さっきの攻撃をしてきた敵を、放ってははおけません! 見つけられるかどうかは分かりませんけど、攻撃のあった方に向かってみます!」
『分かった、気をつけて行くんだよ。アラン君はこのレジスタンス連合の中でも最大戦力の一人なんだから』
最大の戦力なのに、複数いるというのはどうなんだ?
若干そう思わないでもなかったが、今の状況を考えればそんなことを言っているような余裕はない。
今はただ攻撃してくる敵を倒すだけだ。
……そう思いながらも、アランは自分が最大戦力だと言われたことを嬉しく思ったが。
心核使いになるまで、アランは探索者としてはクランの中で最弱の存在だった。
一応平均的な能力はあるのだが、雲海は実力派のクランだ。
そこに所属している探索者が、平均程度の能力である訳がない。
とはいえ、それでも雲海は半ば家族に近い関係を築いているクランだ。
アランの能力が低いとはいえ、それを理由に虐待したりといったような真似はなかった。
なかったが、だからといってそのような状況がアランにとって悔しくない訳がない。
だからこそ、今のアランは仲間のためにしっかりと自分の力が役に立っているといった実感がある。
「はい。じゃあ、こっちは任せますね」
アランの口から出たのはその一言だけだったが、そこには強い感情が籠もっている。
そんな言葉を残し、アランは攻撃が飛んできた方に向かう。
未知の攻撃をしてきた相手は、実際にどのような攻撃をしてきているのかは分からない。
分からないが、それでも攻撃をしてきた方向に関しては十分に理解出来た。
そうである以上、そちらに向かえば間違いなく何らかの反応はある筈。
そう判断したアランは、ゼオンをそちらに向けて移動を開始する。
ただし、こうして自分から敵のいる方に向かっての移動である以上、いつ攻撃されてもおかしくはない。
そうなったときはすぐ回避する必要がある以上……アランは緊張した状態での行動となったのだが。
ゼオンに乗って空から周囲の状況を確認していたアランは、本当にガリンダミア帝国軍が何もしてこないのを疑問に思いつつ、向こうが攻撃をしてこない以上、特に何もやることはないまま、進む。
「時間稼ぎ? けど、それならあのときの戦いをする必要もなかったはずだし」
ゼオンのコックピットの中で、アランは疑問を口にする。
ワイバーンに変身する心核使いは、かなり強かった。
ビームライフルや腹部拡散ビーム砲ですら回避する能力を持っていたのだ。
アランが今まで戦ってきた心核使いの中でも、間違いなくトップクラスの実力を持つ相手だ。
ただの時間稼ぎで、あれだけの精鋭を用意する必要があるのかと言われれば、アランも首を捻らざるをえない。
純粋に時間稼ぎをするだけなら、別にあのワイバーンほどの実力の持ち主を派遣してくる必要はない。
それこそ、ある程度の実力の心核使いを派遣すれば、それで十分なのは間違いなかった。
「俺の考えすぎか? けど、今の状況を考えれば、決してそうは思えないんだが……それに……うおっ!」
そう考えた瞬間アランは半ば反射的にゼオンを動かす。
次の瞬間、ゼオンのいた場所を何かが通りすぎていくのが、アランには理解出来た。
そして……今の感覚にアランは覚えがある。
以前も同じように、理解不能な何らかの手段で攻撃をされたのだから。
しかし、その攻撃をしてきた相手は反撃して倒した……とはいかないまでも、ダメージを与えたはずだ。
それがこうして戻ってきたということは……
「厄介な」
アランの口から漏れるその声は、アランの本心を心の底から示している。
今の状況……ガリンダミア帝国軍との戦いにおける最終局面において、今のような攻撃をしてくる相手が再び姿を現したのは、厄介でしかない。
「やっぱりあのときの攻撃で倒すことは出来なかったか。それならそれで、最後まで出てこなければいいものを」
忌々しそうに呟くアランだったが、ゼオンを攻撃した敵にしてみれば、このままではガリンダミア帝国に大きな被害が起こるかもしれないのだ。
そうである以上、怪我をしている状態であっても、戦いに場に出て来ないといった選択肢は存在しなかった。
アランもここが敵にとっての正念場だというのは理解している。
理解しているが、だからといってそれを許容出来るかと言われれば、その答えは当然のように否だ。
現在の自分たちの状況を考えれば、この意味不明な攻撃をしてくる敵は非常に厄介な相手となる。
「どうする? いっそ、俺が先行して……いや、向こうがそれを考えないはずがないか」
ガリンダミア帝国軍にしてみれば、理解不能な攻撃をする相手はゼオンを倒す……とまではいかなくても、押さえておくという意味では非常に有用な戦力だ。
そうである以上、その戦力に護衛をつけない訳がない。
アランもそれは理解しているので、どうすればいいのか迷う。
迷うも、その前提にあるのは相手を攻撃するというのが大前提となっていた。
アランは自分だからこそ、的の攻撃を回避出来ると、そう理解している。
それは決して大袈裟なものではなく、心核使いに特化しているアランだからこそ、ゼオンに乗った状態で敵が行う未知の攻撃を理解出来るのだろう。
恐らくアランと同じ原理では、レオノーラですら回避すること不可能だった。
……もっとも、アランと同じ原理で回避できなくても、アランと違う原理でなら回避出来る可能性は十分にあったのだが。
「とにかく、今はこの相手をどうにかしないと。……相変わらず、一発攻撃したら次の攻撃までは間があるけど。以前の攻撃で怪我をするなりなんなりしていれば、もしかしたら……本当にもしかしたら、攻撃の間隔は空くのか?」
元々、この未知の攻撃が連発出来ないというのは以前の経験から理解していた。
最初は狙撃のような何かだと思っていたのだが、それではここまで次の攻撃に時間がかかるのはおかしい。
それ以前に、ただの狙撃であればゼオンが察知出来ないはずはないのだ。
そうである以上、やはりその未知の攻撃は未知であるがゆえに、それが一番の警戒要素となる。
半ば第六感に近い働きで攻撃を回避しているものの、その攻撃が命中したときにとうるのかは分からない。
分からないし、それを試してみたいとも思わなかった。
敵の攻撃である以上、何らかの自分にとって不利な状況になるのは間違いないのだから。
「イルゼンさん、敵の攻撃だ! 以前の、未知の攻撃をしてくる敵!」
取りあえず次の攻撃までに時間はあるだろうと判断したアランは、まずはイルゼンに現状を報告する。
あるいは、イルゼンなら敵が一体どのような攻撃をしてきたのかが分かるのではないか。
そんな風に以前考えたことがあったが、生憎とイルゼンも敵がどのような攻撃をしてくるのかということまでは分からなかったらしい。
外部スピーカーを使ってイルゼンに状況を報告したので、当然ながらイルゼンだけではなく、レジスタンス連合の多くも今のアランの声を聞いただろう。
出来ればそこまで情報を広めたくなかったが、ゼオンが敵に狙われている状態でまさか地上に降りる訳にもいかない。
もし地上に今回の一件を知らせに行っているときにまた攻撃をされた場合、味方をその攻撃に巻き込む可能性があった。
不幸中の幸いにも、現在のところこの敵の攻撃はゼオンに集中しており、それ以外には全く攻撃するつもりはない。
しかし、だからといってアランを攻撃してきている敵が、アランの仲間に攻撃をしないのかと言えば、その答えは当然否だ。
ゼオンだけを狙っているのは間違いないが、もしゼオンを狙う必要があってそこにレジスタンス連合がいた場合、攻撃を止めるはずもない。
それどころか、むしろ嬉々として攻撃をしてきてもおかしくはなかった。
その辺りの事情を考えると、今の状況で地上に戻るといったことは考えられない。
(いや、待てよ? ゼオンを攻撃してくるけど、遠距離から攻撃をしてきてるのは間違いない。だとすると、意外と地上付近にいれば射線が通らないって可能性もあるのか?)
一瞬そう思うも、相手が未知の攻撃である以上、万が一を考えればそのような真似は簡単にはできない。
もし地上にいても攻撃されるとなれば、それこそ地上にいる分、回避する場所が少なくなるということを意味しているのだから。
「どのみち、今の状況では敵が狙ってくるのは俺だけだ。なら、こっちもそれに対応する必要がある。それに以前の攻撃で相手にダメージを与えることが出来たのなら、今回も同じ要領で反撃は出来るはずだ……といいな」
一度反撃を受けた以上、当然だが向こうも何かあったら即座に反撃出来るように準備を整えた上で、こうして改めて攻撃をしてきたと考えるべきだろう。
つまり、前回と同じ手は通用しないと考えた方がよかった
とはいえ、それでも今の状況でアランが出来ることは少ない以上、向こうがまた同じ手でダメージを受けると期待して反撃するか……
「あるいは、反撃するにしてもここから直接攻撃するんじゃなくて、攻撃してくる相手に向かって直接俺が向かうとか? こっちはいざというときはレオノーラがいるし」
アランがゼオンに乗って空を飛びながらレジスタンス連合と共に行動しているのは、敵の攻撃を自分に向けるため……というのもあるが、それと同時に敵が強力な心核使いを出してきたとき、それに対処するという理由もあった。
しかし、そういう意味ではゼオンと互角に戦えるだけの実力を持つレオノーラがここにはいる。
もしゼオンがいない間に強力な心核使いが襲ってきても、黄金のドラゴンに変身するレオノーラであれば、そのような相手を前に対処するのは難しい話ではないだろう。
「よし、だとすれば……取りあえず攻撃が来た方に向かってみるか」
未知の攻撃をしてきた相手の、正確な位置はまだ分からない。
だが、それは正確な位置が分からないだけで、大体の位置ということであれば、そこに向かうのは難しい話ではない。
「イルゼンさん、俺はちょっとここを離れます! さっきの攻撃をしてきた敵を、放ってははおけません! 見つけられるかどうかは分かりませんけど、攻撃のあった方に向かってみます!」
『分かった、気をつけて行くんだよ。アラン君はこのレジスタンス連合の中でも最大戦力の一人なんだから』
最大の戦力なのに、複数いるというのはどうなんだ?
若干そう思わないでもなかったが、今の状況を考えればそんなことを言っているような余裕はない。
今はただ攻撃してくる敵を倒すだけだ。
……そう思いながらも、アランは自分が最大戦力だと言われたことを嬉しく思ったが。
心核使いになるまで、アランは探索者としてはクランの中で最弱の存在だった。
一応平均的な能力はあるのだが、雲海は実力派のクランだ。
そこに所属している探索者が、平均程度の能力である訳がない。
とはいえ、それでも雲海は半ば家族に近い関係を築いているクランだ。
アランの能力が低いとはいえ、それを理由に虐待したりといったような真似はなかった。
なかったが、だからといってそのような状況がアランにとって悔しくない訳がない。
だからこそ、今のアランは仲間のためにしっかりと自分の力が役に立っているといった実感がある。
「はい。じゃあ、こっちは任せますね」
アランの口から出たのはその一言だけだったが、そこには強い感情が籠もっている。
そんな言葉を残し、アランは攻撃が飛んできた方に向かう。
未知の攻撃をしてきた相手は、実際にどのような攻撃をしてきているのかは分からない。
分からないが、それでも攻撃をしてきた方向に関しては十分に理解出来た。
そうである以上、そちらに向かえば間違いなく何らかの反応はある筈。
そう判断したアランは、ゼオンをそちらに向けて移動を開始する。
ただし、こうして自分から敵のいる方に向かっての移動である以上、いつ攻撃されてもおかしくはない。
そうなったときはすぐ回避する必要がある以上……アランは緊張した状態での行動となったのだが。
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