391 / 422
ガリンダミア帝国との決着
390話
しおりを挟む
「ギャアアアアアア!」
ワイバーンの身体にビームソードを展開したフェルスが複数突き刺さる。
その痛みに、ワイバーンは悲鳴を上げつつ……
「マジかっ!?」
身体を複数のフェルスに突き刺さった以上、そのまま地上に向かって落下していく。
そう思っていたアランだったが、ワイバーンは何本ものフェルスに身体を貫かれつつも、それでも地上に落下することはなく、羽根を羽ばたかせながらゼオンの方に向かってくる。
フェルスの威力を考えると、アランにとっては信じられない光景だった。
だが、ワイバーンにとっても、今ここで自分の故国であるガリンダミア帝国を守る必要がある以上、ダメージが大きくてもここで自分が落ちる訳にはいかない。
ゼオンをこのまま放っておけば、間違いなくガリンダミア帝国に大きな被害をもたらす。
いや、ガリンダミア帝国ではなく、現在地上で戦っているガリンダミア帝国軍に大きな……それこそ破滅的な被害を受ける可能性は十分に否定出来ない。
そうである以上、ここで自分が負ける訳には決していけなかった。
「ガアアアアアアアアア!」
先程の悲鳴と同じような、それでいて全く意味の違う雄叫びを上げる。
それは衰えそうになる自分の心を鼓舞するかのような、そんな声。
ゼオンのコックピットの中でそんな声を聞いたアランは、一瞬怯む。
雄叫び……ただの雄叫びにすぎない。
それは分かっているのだが、それでも何かをワイバーンから感じたのだ。
とはいえ、それで怯んだのは一瞬。
すぐ映像モニタに表示されているワイバーンを睨み、頭部バルカンのトリガーを引く。
本来であらば、ワイバーンはそんな頭部バルカンの弾丸ですら回避出来るだけの機動力を持っていた。
しかし、それはあくまでも本来なら……ワイバーンが通常の状態ならの話だ。
身体中にビームソードを展開したフェルスが突き刺さっている現状では、とてもではないがワイバーンもいつも通りの動きをするような真似は出来ない。
それでも必死になって回避しようとし……しかし次の瞬間、ワイバーンの右肩の辺りが肉片となった砕け散る。
当然だが、フェルスは頭部バルカンを発射する直前にアランによってワイバーンから離れていた。
フェルスの先端に展開しているのが物理的な刃であった場合は、ワイバーンの身体から引き抜くのに時間がかかり、場合によってはフェルスに頭部バルカンの弾丸が命中するといった可能性もあっただろう。
だが、ビームソードである以上、フェルスは展開しているビームソードを消去すれば、そのまま普通にワイバーンから離れることが出来た。
ワイバーンも当然それに気が付き、フェルスが消えたことで動こうとしたのだが……それでもフェルスの一撃によって受けたダメージは大きく、痛みによって完全に身体を動かすようなことは出来ず、結果としてワイバーンの右肩は肉片となったのだ。
地上に向かって降り注ぐ。血と肉と骨と鱗の雨。
現在ゼオンとワイバーンが戦っていたのは、地上で戦っている者たちから少し離れた場所だ。
そのおかげで、味方の兵士にそのようなゲテモノの雨を体験させるといったような真似はしなくてすんだのだが、アランはそんなことは関係なくフェルスを自分の後方に戻しつつ、腹部拡散ビーム砲のトリガーを引く。
「食らえ!」
以前は腹部拡散ビーム砲のビームであっても、容易に回避していたワイバーンだったが、身体中をフェルスのビームソードによって傷つけられ、更には右肩が消滅してしまった今の状態では回避出来ず……それでも地上に降下していなかったのは、ワイバーンの飛行が羽根を使ったものだけではなく、魔力か何かを使ったものだからだろう。
それでもかろうじて空に浮かんでいるといった様子のワイバーンの身体に、多数のビームが命中する。
頭部バルカンの弾丸が数発命中しただけで、ワイバーンの右肩は肉片と化した。
本来ならワイバーンの鱗はその辺の武器で攻撃しても、傷をつけるのはかなり難しいといったくらいの硬さを持っている。
……もちろん、達人の一撃であればワイバーンの身体であってもあっさりと斬り裂いたり出来るのだが。
強靱な防御力を持つワイバーンだったが、それでも頭部バルカンの弾丸を防ぐことは出来なかった。
であれば、頭部バルカンよりも攻撃力の高いビームを食らえばどうなるか。
その答えは、身体の半分以上をビームによって消滅させられ、そのまま飛んでいるような真似も出来ず地上に向かって降下していくワイバーンを見れば明らかだった。
「ふぅ……取りあえず、ワイバーンはこれで片付いたな。あとは……うげ」
うげ、と。アランが思わずそんな声を出してしまった理由は、戦場がかなり複雑になっていたためだ。
本来なら前線で戦っているガリンダミア帝国軍の後方に向かって攻撃をするつもりだった。
しかし、ゼオンが空中で戦っている間に一体どのように戦いが進んだか、戦場は完全に敵味方が入り乱れている。
「イルゼンさんや母さんたちがいるのに、なんでこんなことになってるんだ? ……レジスタンスか」
雲海や黄金の薔薇とそれなりに一緒の時間をすごしたレジスタンスなら、ある程度訓練もされている。
しかし、そうでないレジスタンス……ガリンダミア帝国の本国に攻め入る頃に合流してきたレジスタンスは、当然ながら訓練不足となるだろうし、連携にかんしても上手くはいかないだろう。
ましてや、アランも体験したように遅くに合流してきたレジスタンスの中には我の強い者も多く、他人からの指示に従うのを嫌う者が多い。
そのような理由を考えれば、このようなことになってもおかしくはない。
おかしくはないが、アランとしては出来れば今この状況でそれが露呈して欲しくなかったと思うのは当然だろう。
「なら、あっちだ!」
アランが敵の兵力ではなく、敵の兵器に向ける。
そこでは投石機がすでに何度使われており、現在もまた投石機の発射準備を行っているのが見えた。
当然ながら投石機で石を飛ばした場合、その着地点にガリンダミア帝国軍の兵士がいれば、潰されてしまう。
だが、ガリンダミア帝国軍が狙っているのは、ある意味でアランと同じように敵の後方だった。
ただし、アランほどに正確性は求めておらず、敵の後方を狙いはするが、最悪味方に多少の被害が出ても構わないといった、そんな攻撃。
「これ以上はさせない」
アランはそう呟き、ビームライフルのトリガーをそちらに向ける。
先程と同じような状況になっているが、先程と違うのは、ワイバーンがゼオンの攻撃を邪魔するような真似は出来ないということだろう。
すでにワイバーンは戦力として数えられない。
いや、それ以前にまだ生きているのかどうかすら微妙なところだった。
だからこそ、アランは誰に止められるでもなくビームライフルのトリガーを引く。
銃口から放たれたビームは、一発、二発、三発と連続して射出され、投石機に命中して破壊する。
当然ながら、投石機がビームライフルの一撃に耐えられるはずもなく、周囲で投石機を操作していた者たち諸共、その生涯を終える。
そうして連射されたビームライフルによって、全ての投石機が破壊されたのを確認すると、アランは次に狙いを定め……
「は?」
映像モニタに映された光景に、思わずといったように呟く。
何故なら、敵の本陣がいきなり逃げ出したからだ。
それも整然と逃げ出すのではなく、それぞれが好き勝手な動きで。
「いや、それはないだろ? いくら逃げるにしても……」
そう呟くアランだったが、そうして四散して逃げ出したゆえに、司令官がどこにいるのか分からないし、攻撃をするにも逃げた範囲が広すぎた。
ある意味、司令官や幹部の類を逃がすという意味では、最善の方法なのかもしれない。
そんな風に思いつつも、アランはビームヒライフル……ではなく、移動しながら腹部拡散ビーム砲を地上に向けて発射する。
一撃の威力という点では、ビームライフルが勝る。
しかし、広範囲に攻撃をするとなると、腹部拡散ビーム砲の方が便利だった。
とはいえ、それでも四方八方に……それも自分の足で走るのではなく、馬に乗って逃げ出したとなれば、どうしても移動速度は速い。
攻撃範囲から微妙に外れるようにして逃げている辺り、向こうもゼオンについての情報はもっているのだろう。
「仕方がない。なら、フェルス!」
腹部拡散ビーム砲を使い、一撃で纏めて倒すのは不可能だと判断したアランは、ゼオンの背後で待機していたフェルスを使う。
三十基しかない以上、殺せる人数も限られてしまう。
だが、それでも腹部拡散ビーム砲やビームライフルで攻撃をするよりは、多くを殺せるはずだった。
それだけではなく、アランはフェルスを操縦しながら逃げているガリンダミア帝国軍の上を飛び、下に向けて頭部バルカンを発射する。
フェルスよりも威力は低いが、それでも生身の人間であれば一撃で殺すことが出来るような威力を持つ攻撃だ。
結果として、逃げていくガリンダミア帝国軍の上をアランが通ると、その下では頭部バルカンの弾丸によって、逃げている者たちが肉片となって砕ける。
そうした後方での出来事は、当然ながら前線で戦っているガリンダミア帝国軍にも影響してくる。
自分たちの後方で司令官や参謀、騎兵……そんな、軍隊の中でも最重要なはずの者たちがそれぞれ自分勝手に逃げ出しており、その上でゼオンの攻撃によって殺され続けているのだ。
それを思えば、前線で戦っている者たちも動揺しないはずがない。
ガリンダミア帝国軍は精鋭ではあるが、だからといって戦っている中で自分たちの後方が攻撃されている状況でも動揺しない訳ではない。
……いや、精鋭のガリンダミア帝国軍だからこそ、このような状況であっても前線が崩壊することなく、曲がりなりにも戦い続けることが出来ているのだろう。
しかし、当然ながらそのような状況でいつもの実力が出せるはずもなく……結果として、勝利の天秤は急速にレジスタンス連合に傾いていくのだった。
ワイバーンの身体にビームソードを展開したフェルスが複数突き刺さる。
その痛みに、ワイバーンは悲鳴を上げつつ……
「マジかっ!?」
身体を複数のフェルスに突き刺さった以上、そのまま地上に向かって落下していく。
そう思っていたアランだったが、ワイバーンは何本ものフェルスに身体を貫かれつつも、それでも地上に落下することはなく、羽根を羽ばたかせながらゼオンの方に向かってくる。
フェルスの威力を考えると、アランにとっては信じられない光景だった。
だが、ワイバーンにとっても、今ここで自分の故国であるガリンダミア帝国を守る必要がある以上、ダメージが大きくてもここで自分が落ちる訳にはいかない。
ゼオンをこのまま放っておけば、間違いなくガリンダミア帝国に大きな被害をもたらす。
いや、ガリンダミア帝国ではなく、現在地上で戦っているガリンダミア帝国軍に大きな……それこそ破滅的な被害を受ける可能性は十分に否定出来ない。
そうである以上、ここで自分が負ける訳には決していけなかった。
「ガアアアアアアアアア!」
先程の悲鳴と同じような、それでいて全く意味の違う雄叫びを上げる。
それは衰えそうになる自分の心を鼓舞するかのような、そんな声。
ゼオンのコックピットの中でそんな声を聞いたアランは、一瞬怯む。
雄叫び……ただの雄叫びにすぎない。
それは分かっているのだが、それでも何かをワイバーンから感じたのだ。
とはいえ、それで怯んだのは一瞬。
すぐ映像モニタに表示されているワイバーンを睨み、頭部バルカンのトリガーを引く。
本来であらば、ワイバーンはそんな頭部バルカンの弾丸ですら回避出来るだけの機動力を持っていた。
しかし、それはあくまでも本来なら……ワイバーンが通常の状態ならの話だ。
身体中にビームソードを展開したフェルスが突き刺さっている現状では、とてもではないがワイバーンもいつも通りの動きをするような真似は出来ない。
それでも必死になって回避しようとし……しかし次の瞬間、ワイバーンの右肩の辺りが肉片となった砕け散る。
当然だが、フェルスは頭部バルカンを発射する直前にアランによってワイバーンから離れていた。
フェルスの先端に展開しているのが物理的な刃であった場合は、ワイバーンの身体から引き抜くのに時間がかかり、場合によってはフェルスに頭部バルカンの弾丸が命中するといった可能性もあっただろう。
だが、ビームソードである以上、フェルスは展開しているビームソードを消去すれば、そのまま普通にワイバーンから離れることが出来た。
ワイバーンも当然それに気が付き、フェルスが消えたことで動こうとしたのだが……それでもフェルスの一撃によって受けたダメージは大きく、痛みによって完全に身体を動かすようなことは出来ず、結果としてワイバーンの右肩は肉片となったのだ。
地上に向かって降り注ぐ。血と肉と骨と鱗の雨。
現在ゼオンとワイバーンが戦っていたのは、地上で戦っている者たちから少し離れた場所だ。
そのおかげで、味方の兵士にそのようなゲテモノの雨を体験させるといったような真似はしなくてすんだのだが、アランはそんなことは関係なくフェルスを自分の後方に戻しつつ、腹部拡散ビーム砲のトリガーを引く。
「食らえ!」
以前は腹部拡散ビーム砲のビームであっても、容易に回避していたワイバーンだったが、身体中をフェルスのビームソードによって傷つけられ、更には右肩が消滅してしまった今の状態では回避出来ず……それでも地上に降下していなかったのは、ワイバーンの飛行が羽根を使ったものだけではなく、魔力か何かを使ったものだからだろう。
それでもかろうじて空に浮かんでいるといった様子のワイバーンの身体に、多数のビームが命中する。
頭部バルカンの弾丸が数発命中しただけで、ワイバーンの右肩は肉片と化した。
本来ならワイバーンの鱗はその辺の武器で攻撃しても、傷をつけるのはかなり難しいといったくらいの硬さを持っている。
……もちろん、達人の一撃であればワイバーンの身体であってもあっさりと斬り裂いたり出来るのだが。
強靱な防御力を持つワイバーンだったが、それでも頭部バルカンの弾丸を防ぐことは出来なかった。
であれば、頭部バルカンよりも攻撃力の高いビームを食らえばどうなるか。
その答えは、身体の半分以上をビームによって消滅させられ、そのまま飛んでいるような真似も出来ず地上に向かって降下していくワイバーンを見れば明らかだった。
「ふぅ……取りあえず、ワイバーンはこれで片付いたな。あとは……うげ」
うげ、と。アランが思わずそんな声を出してしまった理由は、戦場がかなり複雑になっていたためだ。
本来なら前線で戦っているガリンダミア帝国軍の後方に向かって攻撃をするつもりだった。
しかし、ゼオンが空中で戦っている間に一体どのように戦いが進んだか、戦場は完全に敵味方が入り乱れている。
「イルゼンさんや母さんたちがいるのに、なんでこんなことになってるんだ? ……レジスタンスか」
雲海や黄金の薔薇とそれなりに一緒の時間をすごしたレジスタンスなら、ある程度訓練もされている。
しかし、そうでないレジスタンス……ガリンダミア帝国の本国に攻め入る頃に合流してきたレジスタンスは、当然ながら訓練不足となるだろうし、連携にかんしても上手くはいかないだろう。
ましてや、アランも体験したように遅くに合流してきたレジスタンスの中には我の強い者も多く、他人からの指示に従うのを嫌う者が多い。
そのような理由を考えれば、このようなことになってもおかしくはない。
おかしくはないが、アランとしては出来れば今この状況でそれが露呈して欲しくなかったと思うのは当然だろう。
「なら、あっちだ!」
アランが敵の兵力ではなく、敵の兵器に向ける。
そこでは投石機がすでに何度使われており、現在もまた投石機の発射準備を行っているのが見えた。
当然ながら投石機で石を飛ばした場合、その着地点にガリンダミア帝国軍の兵士がいれば、潰されてしまう。
だが、ガリンダミア帝国軍が狙っているのは、ある意味でアランと同じように敵の後方だった。
ただし、アランほどに正確性は求めておらず、敵の後方を狙いはするが、最悪味方に多少の被害が出ても構わないといった、そんな攻撃。
「これ以上はさせない」
アランはそう呟き、ビームライフルのトリガーをそちらに向ける。
先程と同じような状況になっているが、先程と違うのは、ワイバーンがゼオンの攻撃を邪魔するような真似は出来ないということだろう。
すでにワイバーンは戦力として数えられない。
いや、それ以前にまだ生きているのかどうかすら微妙なところだった。
だからこそ、アランは誰に止められるでもなくビームライフルのトリガーを引く。
銃口から放たれたビームは、一発、二発、三発と連続して射出され、投石機に命中して破壊する。
当然ながら、投石機がビームライフルの一撃に耐えられるはずもなく、周囲で投石機を操作していた者たち諸共、その生涯を終える。
そうして連射されたビームライフルによって、全ての投石機が破壊されたのを確認すると、アランは次に狙いを定め……
「は?」
映像モニタに映された光景に、思わずといったように呟く。
何故なら、敵の本陣がいきなり逃げ出したからだ。
それも整然と逃げ出すのではなく、それぞれが好き勝手な動きで。
「いや、それはないだろ? いくら逃げるにしても……」
そう呟くアランだったが、そうして四散して逃げ出したゆえに、司令官がどこにいるのか分からないし、攻撃をするにも逃げた範囲が広すぎた。
ある意味、司令官や幹部の類を逃がすという意味では、最善の方法なのかもしれない。
そんな風に思いつつも、アランはビームヒライフル……ではなく、移動しながら腹部拡散ビーム砲を地上に向けて発射する。
一撃の威力という点では、ビームライフルが勝る。
しかし、広範囲に攻撃をするとなると、腹部拡散ビーム砲の方が便利だった。
とはいえ、それでも四方八方に……それも自分の足で走るのではなく、馬に乗って逃げ出したとなれば、どうしても移動速度は速い。
攻撃範囲から微妙に外れるようにして逃げている辺り、向こうもゼオンについての情報はもっているのだろう。
「仕方がない。なら、フェルス!」
腹部拡散ビーム砲を使い、一撃で纏めて倒すのは不可能だと判断したアランは、ゼオンの背後で待機していたフェルスを使う。
三十基しかない以上、殺せる人数も限られてしまう。
だが、それでも腹部拡散ビーム砲やビームライフルで攻撃をするよりは、多くを殺せるはずだった。
それだけではなく、アランはフェルスを操縦しながら逃げているガリンダミア帝国軍の上を飛び、下に向けて頭部バルカンを発射する。
フェルスよりも威力は低いが、それでも生身の人間であれば一撃で殺すことが出来るような威力を持つ攻撃だ。
結果として、逃げていくガリンダミア帝国軍の上をアランが通ると、その下では頭部バルカンの弾丸によって、逃げている者たちが肉片となって砕ける。
そうした後方での出来事は、当然ながら前線で戦っているガリンダミア帝国軍にも影響してくる。
自分たちの後方で司令官や参謀、騎兵……そんな、軍隊の中でも最重要なはずの者たちがそれぞれ自分勝手に逃げ出しており、その上でゼオンの攻撃によって殺され続けているのだ。
それを思えば、前線で戦っている者たちも動揺しないはずがない。
ガリンダミア帝国軍は精鋭ではあるが、だからといって戦っている中で自分たちの後方が攻撃されている状況でも動揺しない訳ではない。
……いや、精鋭のガリンダミア帝国軍だからこそ、このような状況であっても前線が崩壊することなく、曲がりなりにも戦い続けることが出来ているのだろう。
しかし、当然ながらそのような状況でいつもの実力が出せるはずもなく……結果として、勝利の天秤は急速にレジスタンス連合に傾いていくのだった。
0
お気に入りに追加
162
あなたにおすすめの小説
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
聖女のはじめてのおつかい~ちょっとくらいなら国が滅んだりしないよね?~
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女メリルは7つ。加護の権化である聖女は、ほんとうは国を離れてはいけない。
「メリル、あんたももう7つなんだから、お使いのひとつやふたつ、できるようにならなきゃね」
と、聖女の力をあまり信じていない母親により、ひとりでお使いに出されることになってしまった。
悪役令嬢の生産ライフ
星宮歌
恋愛
コツコツとレベルを上げて、生産していくゲームが好きなしがない女子大生、田中雪は、その日、妹に頼まれて手に入れたゲームを片手に通り魔に刺される。
女神『はい、あなた、転生ね』
雪『へっ?』
これは、生産ゲームの世界に転生したかった雪が、別のゲーム世界に転生して、コツコツと生産するお話である。
雪『世界観が壊れる? 知ったこっちゃないわっ!』
無事に完結しました!
続編は『悪役令嬢の神様ライフ』です。
よければ、そちらもよろしくお願いしますm(_ _)m
深き安眠は終わり、始まるは道無き道
takosuke3
ファンタジー
"プラナダ"と呼ばれるその惑星には、太古の超文明の遺跡が点在している。その発掘調査を生業とするソーディス一家の一員であるレイヤは、海底で眠る巨大沈没船に足を踏み入れ、その最奥にて眠っていた白い少女━━あるいは少年━━を発見し、覚醒させる。
太古の生き証人である少女は、ソーディス一家にとっては宝の地図も同然。強大で埒外な力、完全で異質な肉体、現在とは異なる知識常識━━その存在に戸惑いつつも、少女の案内で遺跡を目指すソーディス一家だったが・・・・・
〈2019年2月3日告知〉
本日より、連載を開始します。
更新は不定期になりますが、可能な限り週イチを心掛けるつもりです。
長い目と広い心でもってお付き合いください・・・・
〈2019年8月19日告知〉
本日の更新をもちまして、本編は完結と致します。
以降は人物紹介を掲載していきます
〈2019年8月27日告知〉
本日の更新をもちまして、完結タグに切り替えます。
短い間でしたが、拙作にお付き合い下さり、ありがとうございました
最強の職業は付与魔術師かもしれない
カタナヅキ
ファンタジー
現実世界から異世界に召喚された5人の勇者。彼等は同じ高校のクラスメイト同士であり、彼等を召喚したのはバルトロス帝国の3代目の国王だった。彼の話によると現在こちらの世界では魔王軍と呼ばれる組織が世界各地に出現し、数多くの人々に被害を与えている事を伝える。そんな魔王軍に対抗するために帝国に代々伝わる召喚魔法によって異世界から勇者になれる素質を持つ人間を呼びだしたらしいが、たった一人だけ巻き込まれて召喚された人間がいた。
召喚された勇者の中でも小柄であり、他の4人には存在するはずの「女神の加護」と呼ばれる恩恵が存在しなかった。他の勇者に巻き込まれて召喚された「一般人」と判断された彼は魔王軍に対抗できないと見下され、召喚を実行したはずの帝国の人間から追い出される。彼は普通の魔術師ではなく、攻撃魔法は覚えられない「付与魔術師」の職業だったため、この職業の人間は他者を支援するような魔法しか覚えられず、強力な魔法を扱えないため、最初から戦力外と判断されてしまった。
しかし、彼は付与魔術師の本当の力を見抜き、付与魔法を極めて独自の戦闘方法を見出す。後に「聖天魔導士」と名付けられる「霧崎レナ」の物語が始まる――
※今月は毎日10時に投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる