385 / 422
ガリンダミア帝国との決着
384話
しおりを挟む
ガリンダミア帝国の首都に向かって進軍をする雲海、黄金の薔薇、レジスタンスで構成された本隊。
アランの乗っているゼオンは、そんな本隊から少し離れた場所で空を飛びながら移動していた。
どうせなら地面を歩いて移動した方が、ガリンダミア帝国軍に対して脅威を与えるのでは? と思わないでもなかったのだが、未知の敵の攻撃について考えると、空を飛んで移動する方が何かあったときに対処しやすかった。
「それでも、こうして一人だけで空を飛んでるってのは、少し暇だよな。せめて、カロがこの状態でも話を出来ればいいんだけど」
心核を使っていないときは、カロも鳴き声を上げてアランの言葉に同意したりといったようなことをするのは、珍しくない。
だが、それはあくまでも心核を使っていないときだけの話で、こうしてゼオンが召喚されている間、カロに意識は存在しない。
「レオノーラも、心核を使ってない状態だと、念話は出来ないしな」
黄金のドラゴンに変身したレオノーラは、アランとの間で念話……一種のテレパシーに近い方法で会話が出来る。
だが、念話を使えるのは、あくまでもレオノーラが黄金のドラゴンに変身しているときだけであり、今のように心核を使っていない状況では話をすることは出来ない。
「何か本とか、そういうのでも持ってくればよかったな。……いや、そんな訳にもいかないか」
すでに本隊が出撃してから二時間ほどが経過している。
しかし、その間に何もなかったので、ついアランもそんなことを言ってしまった。
だが、独り言を呟いてすぐに、自分が何のためにこうしてゼオンに乗っていたのかを思い出す。
昨日の攻撃……未知の存在による攻撃は、レーダーの類でも敵を察知出来ず、本当にいきなり行われたのだ。
それを回避することが出来たのは、アランの勘によるものだ。
そんな攻撃をしてくる相手がいるというのに、ゼオンのコックピットの中で本を読んでるような真似をしたら、どうなるか。
あるいは、再び勘によって攻撃を回避出来るかもしれないが、普通に考えればそんな状況で敵の攻撃を回避するのは難しいだろう。
であれば、本を読むといったような真似をせず、今は大人しくゼオンのコックピットの中で何かあったらすぐ対処出来るように準備しておく必要があった。
もっとも、人間の集中力というのは、そこまで長くは続かない。
アランもまた、こうして集中をしているつもりであっても、その集中力は自分でも知らないうちに落ちていく。
「っと、村が見えてきたな。……そうなると、ここからより集中する必要があるか」
そう呟いたのは、映像モニタに表示された村が、昨日見た村だったからだ。
そして昨日未知の存在に攻撃をされたのは、ちょうど映像モニタに表示されている村の上空でのこと。
昨日と全く同じように攻撃をしてくるかどうかは分からなかったが、それでも注意するに越したことがないのは事実。
今の状況を思えば、少しでも何か怪しいことがあったら、即座に動けるようにしておく必要があった。
周囲の警戒をし、そして何かったらすぐ対処出来るように準備を整えていたアランだっただが、実際には村に近付いても特に何かが起きる様子はない。
ただ、本隊が近付くと同時に村の中でも騒動が起きているのが見え……やがて、村の中から代表と思しき人物、村長が外に出て来る。
五十代から六十代程の男だが、かなり元気な様子だ。
とはいえ、それでもいきなり村の近くまでやって来た本隊の姿に、緊張した様子を見せていたが。
当然ながら、本隊からはイルゼンが出ていき、村長と会話をする。
村の者たちも、この村からそう離れていない場所――それでも数時間は歩く必要があるが――にアランたちが集まっているというのは知っていたのだろう。
村長は緊張した様子を見せつつも、そこまで驚いてるようにはアランには見えない。
(村長という立場から、驚いていてもそれを表情に出さないようにしているだけかもしれないけど。……あ、俺に気が付いて指さしている人もいるな)
昨日、ゼオンはこの村の上空で未知の敵による攻撃を受けた。
その結果として、村のかなり上空を飛んでおり、村人たちには全く気が付かれずに様子を見ることが出来ていたのだが、攻撃を回避した際の動きや音によって、村人たちにその姿を発見されたのだ。
昨日ゼオンの様子に気が付いた村人たちが、本隊から少し離れた場所で空中に浮かんでいるゼオンを指さし、何か言っているのを、アランは映像モニタで確認出来る。
そんな様子を見ていたアランは、不意に何かを感じて半ば反射的にウィングバインダーを使い、その場から退避する。
すると次の瞬間、何かがゼオンのいた空間を貫く。
「来たかっ!」
昨日より、若干ではあるが余裕をもって回避することが出来たことに安堵するアラン。
昨日は、本当に何も分からない状態でいきなり攻撃をされた。
それでも何とか回避出来たのだから、今日はそんな攻撃をされるかもしれないと予想し、警戒していたがゆえに、昨日よりも多少なりとも余裕をもって回避することが出来たのだ。
「次は!?」
映像モニタでは、突然上空を飛んでいたゼオンが激しく動いたことに、地上にいた者たちが驚いている様子を移していたが、アランがそちらに視線を向けたのは一瞬だけだ。
すぐに再度攻撃がされてもいいように、周囲の様子をしっかりと確認する。
……だが、そのような状況でも敵が追撃をしてくる様子はない。
(どうなっている? 昨日も、この村の上空で一度攻撃をされたあとは、全く攻撃をされなかったよな。だとすれば、敵が攻撃を出来る最大範囲……射程距離、と表現してもいのかどうか分からないが、それはこの村の上空辺りなのか?)
そんな疑問を感じつつも、いつ何が起きてもいいように準備をする。
昨日のように初見であれば、対処するのも難しかっただろう。
だが、今日で二度目だ。
同じような攻撃をしてきたのであっても、アランはそれに対処することが可能だった。
とはいえ、対処が可能というのはあくまでも敵の攻撃を回避出来るといった程度でしかない。
攻撃をしてきた相手に反撃をするといったようなことは不可能だし、そもそも回避するというのも敵の攻撃を把握してから回避するというよりは、半ば勘に近い状態で回避を行っている。
その辺りの事情を考えると、二度目だからといって敵の攻撃を完全に見切っている……といったような訳ではない。
今の状況でアランが出来るのは、とにかく敵の攻撃の出所を探し、そこに向かって攻撃を行うだけだ。
敵が具体的にどこにいるのかといったようなことをきちんと把握出来れば、アランは……いや、ゼオンにはビームライフルという、圧倒的なまでの凶悪な威力を誇る武器がある。
それを使えば、敵を倒すのも難しくはない。
唯一にして最大の問題は、一体どこに敵がいるのかが分からないことだろう。
「本当に、一体どこにいるんだ? 厄介な真似をしてくれる」
映像モニタで色々な場所を確認してみるも、どこにも敵の姿は存在しない。
これは昨日と同じだったが、だからといってアランもこの状況で何も対策をしていない訳ではなかった。
「フェルス!」
その言葉と共に、ゼオンの背後の空間に波紋が浮かび、フェルスが姿を現す。
アランの操縦するフェルスは、ある意味でアランの感覚の一つと読んでもいいような、そんな武器でもある。
もちろん、敵が具体的にどこにいるのかというのをしっかりと調べるためには、少数のフェルスに集中する必要がある以上、多数のフェルスを出す……といったような真似は出来ない。
放たれた少数のフェルスは、それぞれが全く違う方向に向かって飛ぶ。
普通に考えれば、そんな四方八方に飛んだフェルスの全てを完全に把握するといったような真似は不可能なのだが……アランの場合はゼオンを召喚出来るようになった時点でフェルスも自由に扱えるようになったのか、問題なく操縦出来た。
(いない、いない、いない……こっちもにもいない……)
フェルスを通して、周囲の様子を広く深く探っていく。
しかし、そのような真似をしても敵が具体的にどこにいるのかといったようなことは、到底見つけることが出来ずにいた。
そうしてアレンが攻撃してきた敵を見つけようとしている間にも、地上は地上で動きを見せている。
アランの乗っているゼオンが、何らかの攻撃を受けたとういうのは、地上にいる者たちにも理解出来た。
理解は出来たが、それあくまでもゼオンの動きから予想したことであり、具体的にアランが一体どのような攻撃を受けたのかといったことは、当然ながら察知出来ていない。
「村長、申し訳ありませんが、今の状況の説明をして貰えますか?」
「そう言われましても……生憎と、こちらも一体何がどうなっているのかというのは、分かりません」
イルゼンの言葉に、村長が戸惑ったように告げる。
先程まではイルゼンと友好的に会話が出来ていただけに、余計に今の状況を思えば疑問に思ってしまうのだろう。
一体、ここで何か起きているのか分からないといった様子を見せる村長に、イルゼンはいつもの飄々とした笑みは変わらず……それでいて視線だけは鋭く、口を開く。
「実は、ゼオン……あの空を飛んでいるゴーレムですが、そのゴーレムは昨日もこの村の上空で攻撃を受けました。村長であれば知ってますよね?」
イルゼンのその言葉に、村長は頷く。
昨日の今日の出来事だ。それを忘れるようなことが、あるはずはない。
そもそも、この村はそこまで大きな村ではない。
普段は平穏な時間がすぎていくような場所だ。
……最近は、村からそう離れていない場所にイルゼンたちがいたので、色々と不穏な雰囲気だった。
ともあれそんな村だけに、上空にいきなり姿を現したゼオンというゴーレムの姿を、忘れるはずがない。
「当然知っています。しかし、それでそちらが知りたい情報を知っているかと言われても、こちらとしては否と答えることが出来ません」
申し訳なさそうに、村長はそう告げるのだった。
アランの乗っているゼオンは、そんな本隊から少し離れた場所で空を飛びながら移動していた。
どうせなら地面を歩いて移動した方が、ガリンダミア帝国軍に対して脅威を与えるのでは? と思わないでもなかったのだが、未知の敵の攻撃について考えると、空を飛んで移動する方が何かあったときに対処しやすかった。
「それでも、こうして一人だけで空を飛んでるってのは、少し暇だよな。せめて、カロがこの状態でも話を出来ればいいんだけど」
心核を使っていないときは、カロも鳴き声を上げてアランの言葉に同意したりといったようなことをするのは、珍しくない。
だが、それはあくまでも心核を使っていないときだけの話で、こうしてゼオンが召喚されている間、カロに意識は存在しない。
「レオノーラも、心核を使ってない状態だと、念話は出来ないしな」
黄金のドラゴンに変身したレオノーラは、アランとの間で念話……一種のテレパシーに近い方法で会話が出来る。
だが、念話を使えるのは、あくまでもレオノーラが黄金のドラゴンに変身しているときだけであり、今のように心核を使っていない状況では話をすることは出来ない。
「何か本とか、そういうのでも持ってくればよかったな。……いや、そんな訳にもいかないか」
すでに本隊が出撃してから二時間ほどが経過している。
しかし、その間に何もなかったので、ついアランもそんなことを言ってしまった。
だが、独り言を呟いてすぐに、自分が何のためにこうしてゼオンに乗っていたのかを思い出す。
昨日の攻撃……未知の存在による攻撃は、レーダーの類でも敵を察知出来ず、本当にいきなり行われたのだ。
それを回避することが出来たのは、アランの勘によるものだ。
そんな攻撃をしてくる相手がいるというのに、ゼオンのコックピットの中で本を読んでるような真似をしたら、どうなるか。
あるいは、再び勘によって攻撃を回避出来るかもしれないが、普通に考えればそんな状況で敵の攻撃を回避するのは難しいだろう。
であれば、本を読むといったような真似をせず、今は大人しくゼオンのコックピットの中で何かあったらすぐ対処出来るように準備しておく必要があった。
もっとも、人間の集中力というのは、そこまで長くは続かない。
アランもまた、こうして集中をしているつもりであっても、その集中力は自分でも知らないうちに落ちていく。
「っと、村が見えてきたな。……そうなると、ここからより集中する必要があるか」
そう呟いたのは、映像モニタに表示された村が、昨日見た村だったからだ。
そして昨日未知の存在に攻撃をされたのは、ちょうど映像モニタに表示されている村の上空でのこと。
昨日と全く同じように攻撃をしてくるかどうかは分からなかったが、それでも注意するに越したことがないのは事実。
今の状況を思えば、少しでも何か怪しいことがあったら、即座に動けるようにしておく必要があった。
周囲の警戒をし、そして何かったらすぐ対処出来るように準備を整えていたアランだっただが、実際には村に近付いても特に何かが起きる様子はない。
ただ、本隊が近付くと同時に村の中でも騒動が起きているのが見え……やがて、村の中から代表と思しき人物、村長が外に出て来る。
五十代から六十代程の男だが、かなり元気な様子だ。
とはいえ、それでもいきなり村の近くまでやって来た本隊の姿に、緊張した様子を見せていたが。
当然ながら、本隊からはイルゼンが出ていき、村長と会話をする。
村の者たちも、この村からそう離れていない場所――それでも数時間は歩く必要があるが――にアランたちが集まっているというのは知っていたのだろう。
村長は緊張した様子を見せつつも、そこまで驚いてるようにはアランには見えない。
(村長という立場から、驚いていてもそれを表情に出さないようにしているだけかもしれないけど。……あ、俺に気が付いて指さしている人もいるな)
昨日、ゼオンはこの村の上空で未知の敵による攻撃を受けた。
その結果として、村のかなり上空を飛んでおり、村人たちには全く気が付かれずに様子を見ることが出来ていたのだが、攻撃を回避した際の動きや音によって、村人たちにその姿を発見されたのだ。
昨日ゼオンの様子に気が付いた村人たちが、本隊から少し離れた場所で空中に浮かんでいるゼオンを指さし、何か言っているのを、アランは映像モニタで確認出来る。
そんな様子を見ていたアランは、不意に何かを感じて半ば反射的にウィングバインダーを使い、その場から退避する。
すると次の瞬間、何かがゼオンのいた空間を貫く。
「来たかっ!」
昨日より、若干ではあるが余裕をもって回避することが出来たことに安堵するアラン。
昨日は、本当に何も分からない状態でいきなり攻撃をされた。
それでも何とか回避出来たのだから、今日はそんな攻撃をされるかもしれないと予想し、警戒していたがゆえに、昨日よりも多少なりとも余裕をもって回避することが出来たのだ。
「次は!?」
映像モニタでは、突然上空を飛んでいたゼオンが激しく動いたことに、地上にいた者たちが驚いている様子を移していたが、アランがそちらに視線を向けたのは一瞬だけだ。
すぐに再度攻撃がされてもいいように、周囲の様子をしっかりと確認する。
……だが、そのような状況でも敵が追撃をしてくる様子はない。
(どうなっている? 昨日も、この村の上空で一度攻撃をされたあとは、全く攻撃をされなかったよな。だとすれば、敵が攻撃を出来る最大範囲……射程距離、と表現してもいのかどうか分からないが、それはこの村の上空辺りなのか?)
そんな疑問を感じつつも、いつ何が起きてもいいように準備をする。
昨日のように初見であれば、対処するのも難しかっただろう。
だが、今日で二度目だ。
同じような攻撃をしてきたのであっても、アランはそれに対処することが可能だった。
とはいえ、対処が可能というのはあくまでも敵の攻撃を回避出来るといった程度でしかない。
攻撃をしてきた相手に反撃をするといったようなことは不可能だし、そもそも回避するというのも敵の攻撃を把握してから回避するというよりは、半ば勘に近い状態で回避を行っている。
その辺りの事情を考えると、二度目だからといって敵の攻撃を完全に見切っている……といったような訳ではない。
今の状況でアランが出来るのは、とにかく敵の攻撃の出所を探し、そこに向かって攻撃を行うだけだ。
敵が具体的にどこにいるのかといったようなことをきちんと把握出来れば、アランは……いや、ゼオンにはビームライフルという、圧倒的なまでの凶悪な威力を誇る武器がある。
それを使えば、敵を倒すのも難しくはない。
唯一にして最大の問題は、一体どこに敵がいるのかが分からないことだろう。
「本当に、一体どこにいるんだ? 厄介な真似をしてくれる」
映像モニタで色々な場所を確認してみるも、どこにも敵の姿は存在しない。
これは昨日と同じだったが、だからといってアランもこの状況で何も対策をしていない訳ではなかった。
「フェルス!」
その言葉と共に、ゼオンの背後の空間に波紋が浮かび、フェルスが姿を現す。
アランの操縦するフェルスは、ある意味でアランの感覚の一つと読んでもいいような、そんな武器でもある。
もちろん、敵が具体的にどこにいるのかというのをしっかりと調べるためには、少数のフェルスに集中する必要がある以上、多数のフェルスを出す……といったような真似は出来ない。
放たれた少数のフェルスは、それぞれが全く違う方向に向かって飛ぶ。
普通に考えれば、そんな四方八方に飛んだフェルスの全てを完全に把握するといったような真似は不可能なのだが……アランの場合はゼオンを召喚出来るようになった時点でフェルスも自由に扱えるようになったのか、問題なく操縦出来た。
(いない、いない、いない……こっちもにもいない……)
フェルスを通して、周囲の様子を広く深く探っていく。
しかし、そのような真似をしても敵が具体的にどこにいるのかといったようなことは、到底見つけることが出来ずにいた。
そうしてアレンが攻撃してきた敵を見つけようとしている間にも、地上は地上で動きを見せている。
アランの乗っているゼオンが、何らかの攻撃を受けたとういうのは、地上にいる者たちにも理解出来た。
理解は出来たが、それあくまでもゼオンの動きから予想したことであり、具体的にアランが一体どのような攻撃を受けたのかといったことは、当然ながら察知出来ていない。
「村長、申し訳ありませんが、今の状況の説明をして貰えますか?」
「そう言われましても……生憎と、こちらも一体何がどうなっているのかというのは、分かりません」
イルゼンの言葉に、村長が戸惑ったように告げる。
先程まではイルゼンと友好的に会話が出来ていただけに、余計に今の状況を思えば疑問に思ってしまうのだろう。
一体、ここで何か起きているのか分からないといった様子を見せる村長に、イルゼンはいつもの飄々とした笑みは変わらず……それでいて視線だけは鋭く、口を開く。
「実は、ゼオン……あの空を飛んでいるゴーレムですが、そのゴーレムは昨日もこの村の上空で攻撃を受けました。村長であれば知ってますよね?」
イルゼンのその言葉に、村長は頷く。
昨日の今日の出来事だ。それを忘れるようなことが、あるはずはない。
そもそも、この村はそこまで大きな村ではない。
普段は平穏な時間がすぎていくような場所だ。
……最近は、村からそう離れていない場所にイルゼンたちがいたので、色々と不穏な雰囲気だった。
ともあれそんな村だけに、上空にいきなり姿を現したゼオンというゴーレムの姿を、忘れるはずがない。
「当然知っています。しかし、それでそちらが知りたい情報を知っているかと言われても、こちらとしては否と答えることが出来ません」
申し訳なさそうに、村長はそう告げるのだった。
0
お気に入りに追加
163
あなたにおすすめの小説

転校生は悪魔を使役しながら怪異を研究するようです。
Shatori
ファンタジー
私—お————召———。—に—え。故————。—が望——
「またこの夢か...」
物之木高校(もののきこうこう)に通う吉岡悠馬(よしおかゆうま)にはある悩みがあった。
最近見るようになったこの夢だ。
ノイズがかかったように聞こえない声。
薄暗くものの判別ができない空間。
目覚めも悪い。
意味不明なものを見せられた挙句、頭痛もする。
そんな悪夢を見ながら平凡で退屈な日々を送っていた。
そんなある日、物之木高校に転校生が現れる。
白に近い金髪、エメラルドのような翠眼。見るもの全てを魅力する美少年だった。
彼の 名前はガブリエル・ブルダリアス。
美貌と名前でとてつもないオーラを放っている。
そんな彼も転校生が必ず経験する、クラスメイトの質問攻めを受ける。
その様子を隣で見ていた吉岡は、あることに気づいてしまう。
転校生は一言も喋っていないのだ。
転校生がなんと言ったか思い出せても、声を思い出すことができないのだ。
一言も喋っていないのだから当然だ。
——この日から吉岡の運命は大きく変化した。
異形の怪異・悪魔・神・魔術——。
科学に否定され、歴史の影に隠れたモノたちが、退屈な日常を塗り替えていく。
これは決して表舞台には出ない、出てはいけないモノと戦う少年少女の物語——
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる